アイドルグループ『V6』の三宅健(39)らが3日、東京・新大久保の東京グローブ座で舞台『二十日鼠と人間』(演出:鈴木裕美)公開ゲネプロを開いた。
『怒りの葡萄』や『エデンの東』などで知られる作家ジョン・スタインベックが1937年に自身の季節労働者としての体験をベースにした小説が原作で、後にスタインベック自身が戯曲化した。1930年代の世界大恐慌下のアメリカを舞台に主人公・ジョージ(三宅)に待ち受ける厳しい現実、相棒・レニーへの想い、登場人物たちが抱える葛藤と苦悩などが、社会へと皮肉と機知に富んだ形で描かれる。
ゲネプロでは、その熱演ぶりに涙する関係者も出るほどの仕上がりを見せ、終演後に、三宅をはじめ花乃まりあ、章平、藤木孝、山路和弘とともに囲み会見を開催。
「緊張をしていません」という三宅だが、演出の鈴木氏とは10年ぶりのタッグとあり「この戯曲をどういう解釈でこのカンパニーではやりましょうかとかを話し合いながらやっていきましたね。共有した情報の中で役を作っていった感じです。戯曲に描かれていない部分をどう掘り下げていくかというのが難しかったですね」と、しみじみ。
その掘り下げた部分について三宅は「この戯曲の中に女の人の話題がたくさん出てきますけど、ジョージが過去に女の人にトラウマが何かあったのかとか、それをどう作っていったかですね。もちろんお客さんに伝わらない部分もありますけど、そこが通ってないとというので、筋が1本通っているというのが重要ではないかと話したりして」と、気持ちを作っていったという。
そうして作り上げられたジョージは、章平演じる相棒のレニーを怒ったり、複雑な感情を見せる役どころ。三宅は、「こういう役はあまりないので疲れます。この作品に感情を引っ掻き回されている感じがします。終わったらどんよりするような気分になるというか……。けいこ中からどんよりしている感じですね」と、気持ちを保つのが難しそうだった。
カンパニーについても、三宅は「基本的にみんなこの芝居のことしか考えていないです。すごく面白い戯曲ですけど、追求していけば追求していくほどおもしろいです。スタインベックがギミックをいろいろ仕込んでいて、ここがこういう解釈なのかもしれないなと読み解いていくと出てくるので」と、想像の余地が多いそう。
その芝居への打ち込みようは三宅と章平との関係性にも出ているようで、三宅は「自主練を一緒にやったんです。立ち稽古の前にセリフ合わせをして。僕が台本読みの後に次の仕事があって行かなきゃいけなくて。でも、立ち稽古の前に読み合わせしたいなと思っていて、そうしたら彼も読み合わせしたいなと思っていたらしいんです。言い出せない2人を瀧川英次さんが間を取り持ってくれて」と、エピソードを。
続けて、三宅は「そんなこと人生で1度もやったことなかったんです」と、告白し章平は「やって安心しましたね。そうやって安心してられるというか」というと、三宅も「したね」と、笑ってうなずき「毎回劇中で叩いたりしないといけないからかわいそうで」とも語っていた。
また、三宅の所属するジャニーズ事務所といえば、9月10日に滝沢秀明と今井翼のユニット『タッキー&翼』が解散したことが公式に発表されたが、このことへコメントを求められ、三宅は、「滝沢も翼も本人たちが自分たちで選んだ道なので応援していきたいなと思います。思い入れはすごくありますね。でも、何よりもファンのみなさまがビックリしているでしょうし、心の整理も気持ちもつかないと思います。そこが僕は1番心配でした。それぞれの道なので、とにかく2人ともに幸せになってほしいなと思います」と、気持ちを語っていた。
ゲネプロ中には、小道具を忘れてしまう場面もあったが三宅は「いろいろ事件もあったので。ゲネはそのためにあるので(苦笑)」と、本番へと戒めつつ「『二十日鼠と人間』という世界に観に来てくださるみなさんも参加してくださいという気持ちと、出演者の方々とどっぷり漬かれたらと思います。群像劇なのでキャラクターみなさんが立つところがあります」と、呼びかけていた。
舞台『二十日鼠と人間』東京公演は3日から28日まで東京グローブ座にて、大阪公演は11月8日から11日まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演!
■出演
ジョジー・ミルトン:三宅健
カーリーの妻:花乃まりあ
カーリー:中山祐一朗
スリム:姜暢雄
クルックス:池下重大
ホイット:瀧川英次
カールソン:駒木根隆介
レニー:章平
ボス:藤木孝
キャンディ:山路和弘