ミュージカル「生きる」最終げいこ開催で鹿賀丈史らが熱演!市原隼人の成長ぶりに市村正親は“息子”に認定することも

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ミュージカル『生きる』へ意気込みなどを語ったキャスト陣

 ミュージカル『生きる』(演出:宮本亜門)最終舞台げいこが7日、東京・TBS赤坂ACTシアターで開かれ、鹿賀丈史をはじめとしたキャスト陣が熱演で魅せた。

 黒澤明監督が手がけ、名優・志村喬が主演した1952年公開の映画『生きる』が、黒澤監督没後20年の今年ミュージカルとして蘇る。戦争直後の昭和の日本が舞台。60歳定年間近の市民課長という役職に就く公務員・渡辺勘治が、当時不治の病とされた胃がんに侵されたことを知り、死んだように生きていたこれまでの人生を悔いて、自分の残りの人生を市民のための公園を作ろうと変わっていく物語。主人公・渡辺勘治役はミュージカル界をけん引してきた市村正親と鹿賀丈史がWキャストで送る。

 最終舞台げいこは鹿賀が主演回となり、市原隼人、新納慎也、唯月ふうか、May’n、山西惇らが出演。生演奏で送るもので、この日は作曲&編曲を手がけたジェイソン・ハウランド氏が指揮を担当し、場面に応じた緩急のある音楽で、作品世界をしっかり表現した。

 歌に継ぐ歌でテンポよく芝居を見せつつ、1幕のクライマックスとなる勘治が生まれ変わる誓いを歌った『二度目の誕生日』はまさに圧巻のシーン。さらに、映画でも名シーンで知られチラシのビジュアルにもなっている2幕のブランコに揺られるシーンは大きな感動を呼び、涙しながら観劇する者も出るほどの仕上がりとなった。

 終演後には市村、鹿賀、市原、演出の宮本亜門氏が囲み会見を開催。鹿賀は、「非常に素晴らしい作品にできました。事件だったり、台風だったり地震があったりしましたが、生きる力を持って帰ってもらえれば」と、自信を見せ、市村も、「みんなの力が結集して黒澤明監督の映画に負けないくらいのミュージカルができあがったなという気持ちです」と、充実の表情を見せる。

 一方、本作が人生初のミュージカル出演となる市原は、「本当にこのカンパニーで心から良かったと思います」と、カンパニーに溶け込めたようで、宮本氏はそんな市原を見ながら、「最初から僕にプレッシャーをかけてきて『このミュージカルによって、今後僕がミュージカルやるか決めます』って(笑)。本当に熱心で一途な人で、徹底的に自己練習をしていてストレッチで静かななかでも、1人声を出していて歌の練習をしていて、けいこ中に変わっていきました。これほど変わっていった人はいなのでは」と、成長ぶりに目を細める。

 鹿賀も市原へ、「いつも声出しているからどこにいるか分かるんです。本当に熱心で、ストレートな方だなって。以前ドラマで共演してそんな印象はなかったんですけど、すごい方ですよ」といえば、市村も「彼は僕と同じタイプで、“気持ち派”で気持ちで歌を歌うんで俺の息子だなって感じがしますね」と、“息子”認定までしていた。

 Wキャストということで、お互いの渡辺勘治の演技へどう思うかと質問が上がったが、鹿賀は、「けいこから含めて1回も観ていないんです。これはあえて観てないというのもあるんです。それぞれが自分でどう作り上げるかというところで。自分で作ったものを大事にしたくて観ちゃうと影響受けるわけではないのですけど、似たようなことをしてしまったりとか、そうなってしまうので、僕なりの、いっちゃん(市村)なりの渡辺勘治ができればと思っています」と、話す一方で、市村は「僕はしょっちゅう見てます(笑)。あそこはいいな、ここはこういう風に見えてるんだなとか、おいしところをいっぱい盗ませてもらいました」と、対称的でどちらの主演回にもそれぞれの味が出そうな感じに。

 また、内容へ市原は「どっから芝居かどっから芝居じゃないか分からなくなるくらい、涙が止まらなくなるところがあるんです。市村さん、鹿賀さんの生き様を見せられているという感じがして」と、心に突き刺さる部分もあると熱く語ったり、自身の歌うシーンへは「気持ちを込めて歌っているので受け取ってもらえたら嬉しいです」と、コメントも寄せていた。

 ミュージカル『生きる』は8日から28日までTBS赤坂ACTシアターにて上演!

 ■出演キャスト
 ◯市村正親 主演回
 渡辺勘治:市村正親
 渡辺光男:市原隼人
 小説家:小西遼生
 小田切とよ:May’n
 渡辺一枝:唯月ふうか
 助役:山西惇

 ◯鹿賀丈史 主演回
 渡辺勘治:鹿賀丈史
 渡辺光男:市原隼人
 小説家:新納慎也
 小田切とよ:唯月ふうか
 渡辺一枝:May’n
 助役:山西惇

 ほかキャスト
 川口竜也、佐藤誓、重田千穂子、治田敦、松原剛志、上野聖太、高原紳輔、俵和也、原慎一郎、森山大輔、安福毅、飯野めぐみ、あべこ、彩橋みゆ、五十嵐可絵、可知寛子、河合篤子、森加織、森実友紀

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