俳優・村上虹郎(21)、女優・広瀬アリス(23)が1日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズでW主演映画『銃』(監督:武正晴/配給:KATSU-do、太秦)Q&Aイベントを武監督、奥山和由プロデューサー(63)とともに開いた。
芥川賞作家・中村文則の同名作が原作で、『百円の恋』で知られる武監督がメガホンを取った作品。青春を謳歌していた大学生・西川トオル(村上)が河原で一丁の拳銃を偶然拾い、その存在が自分の中で肥大していく。その先に待っていたものは……。
奥山プロデューサーから現在開催中で、会場にもなっている東京国際映画祭(TIFF)のレッドカーペットきっかけで、村上を起用したいと思ったと縁を。すると村上も、「不思議な縁で、3、4年前に僕が初めてやった舞台があって、そこで『虹郎に合う本があるよ』と言われて、読まずに積読していたんです。それで奥山さんから、話をもらって、俺、その本持ってるなと思って」と、何かがつながったよう。ただし、村上は「この役、虹郎にピッタリと言われたら、複雑だなって」と、苦笑い。
広瀬は、そんな村上へ、「会うたびに(村上の)目つきが変わっていってて」と、相当に役に入り込んでいたことを証言し、「その波に巻き込まれてはいけないと思って。陽の部分をしっかり持とうと思いました」と、演技を意識したそうだ。
観客からは、本作に出演しているリリー・フランキーのことについて質問が挙がり、武監督は、「アドリブがドンドン出てきて、虹郎さんも乗ってきて」と、リアクションが原作を外れずに熱を帯びたといい、村上は「世代も正直違いますし、『僕のやっている番組に(村上の母)UAさんも出たことあるよ』と話をしたりしていました。それで、台本の覚え方を質問したんです。そうしたら黙読することと言われて、テストの瞬間まで1度も声を出さないらしいんですよ……本当か分からないですけど(笑)。いろんな思考回路を持っていて、どう観られるかとかも考えているからこそできるのかもしれないです」と、圧倒されたのだとか。
さらに、村上は「本当にこの作品僕が出ずっぱりで、お客さんにサービスをしないお芝居で、こんな尖った方向でできないです。これがやりたいって、純度が高い方たちが作っていて、僕はそこにただ生きているだけのトオルという感じでやっていました」と、作品への思いを口にしていた。
映画『銃』は17日より全国公開!