ジャニーズJr.でアイドルグループ『Snow Man』の深澤辰哉(26)、佐久間大介(26)が2日、東京・世田谷のシアタートラムでW主演舞台『キャッシュ・オン・デリバリー』(演出:野坂実)ゲネプロを開き、その仕上がり具合をメディア向けに披露した。
日本でも大劇場から小劇場まで何度も舞台化されている現代喜劇作品。ロンドン郊外のエリック・スワン(深澤)の自宅が舞台。社会保障手当を不正受給し生計を立てるエリックのもとに、社会保険省の調査員・ジェンキンズ(清水順二)がやってくる。この難局を乗り切ろうと、間借り人・ノーマン(佐久間)を言いくるめて嘘に加担させるのだが、それはエリックの妻・リンダ(菜那くらら)や、次から次へと訪問してくる人まで巻き込んで、大騒動へと発展していくこととなり……。
ゲネプロではとにかく嘘を重ねる深澤演じるスワンの狼狽ぶりや、さらに嘘を重ねるため調子よくマシンガンのようなトークをするなど、とにかく全員ハイテンションな感じで進んでいく。ダンスシーンこそないが、嘘をごまかすためのオーバーアクションがダンスのようだったり、ステージ中央に設置されたソファーを軽やかに飛び越えたりと、まるでアクション作品を観ているような動きまくりのドタバタ劇な仕上がり。すでに10月24日から同28日の期間に大阪公演が上演されているだけあり、テンポよく進むものとなった。
終演後、深澤、佐久間、清水、菜那、原扶貴子、演出の野坂氏とともに囲み会見が開催。深澤と佐久間にとって、ジャニーズ事務所内以外での初めての舞台となり、佐久間は、「正直、すっごい楽しいです!1公演ごとに楽しさが増していくし、始まる前からワクワクしちゃって、落ち着きないんです!」と、胸を躍らせる。逆に深澤は「僕は、上演の1分前、毎回緊張で吐きそうになってます」と、ド緊張しているのだとか。
この話が来た時に、佐久間は作品の圧倒的なセリフ量に「演出の野坂さんはふざけてるんじゃないかって思いましたね」と、ため息が出るほどだったそう。清水によると、主演の2人は約2万字ほどにものぼるセリフを覚えているそうで、「普通の舞台は5000字から1万字くらいなので、この作品はその倍くらいあるので、それを乗り越えているのはこれから将来、俳優としての活動としてはかけがえのないものになっていると思います」と、感心するほど。それでも、佐久間は「気づけば、台詞が頭に出てくるというより、勝手に台詞が出てくるようになったりして」と、しっかり役に入り込めているようだった。
さらに、女性キャストとこれだけ絡みがあるのは「初めてです」という深澤だが、「ただでさえ、僕は女性が苦手で、目を見てお芝居とかできなくて」とシャイな一面も。「菜那ちゃんに夫婦役で助けてもらってます」という佐々木だが、佐久間が2人とも人見知りとツッコむと「何とかしゃべれるようになりました。2秒くらいは目を見れます」と、強く主張。
そんな深澤には、原演じる女性キャストの胸を触るというシーンもあるが、原からは「遠慮してくれたりして、(野坂氏から)『もう少し楽しそうに揉んでくれ』と言われて。それから“弄んで”ます」と証言があり、記者から詰め寄られた深澤は「いや!普段はそんな人じゃないですからね!」と、必死に釈明していた。
一方、野坂氏はゲネプロを終えて「大阪から東京に劇場が変わったので、そこで微妙なところが変わったので、タイミングがズレたりとか、言葉のニュアンスが外れたとかあって……」と、まだまだ納得がいっていないようだったが野澤が「100か200くらいダメ出しが出ています。毎回けいこ中はそれくらい出てて」と、大量の修正点があることを明かす。
なぜ、それだけ大量のダメ出しが出るのかへ野坂氏は「このメンバーですごいのが、とくに、この(深澤と佐久間の)2人は1回言うと、次には直っちゃうんです。だから出していいんだって思って」と、舌を巻くほどの2人のポテンシャルの高さあってのことだといい、深澤は「でも、その厳しさがあってたからこそ、いろいろ乗り越えられてきたんです」と、自信にもつながったようだった。
野坂氏の主演の2人への思いは止まらず「僕らが支えなきゃという頭でいたんですけど、そういうことはなくカンパニーを引っ張ってくれているんです。すごい気遣いのある2人で、感心してみんなでついていきましょうっていう感じで。和を広げるために『飲み会しましょう』と提案してくれたりするんです」と、いろいろ言われて、2人は気恥ずかしそうに笑う一幕もあった。
作品にかけて嘘をついたことはあるかとの質問も寄せられたが、深澤と野村は「きたきた!」と、待ってましたとばかりの反応で、深澤は「『A.B.C-Z』の河合(郁人)くんに『あした飯行こうよ』と約束したんですけど、その約束した日にたまたま『KisMyFt2』の玉森(裕太)くんと一緒に仕事があって、そうしたら玉森くんが『きょうの夜飯行こうよ』って言ってくれて。それで、河合くんには、『ちょっと体調悪くて……』と嘘をついてしまって」と、告白。
驚いた記者にこのことを追求されると深澤は「玉森くんに誘って頂くってなかなかないんですよ!河合くんには後日、こういうことでネタバラシをしました。河合くんは優しいから、『分かってるよ、玉だからな、玉』って」と、オチも話していた。
深澤から「どんな人が観ても、僕らを知らない人が観ても笑えます!全力で観に来た人を楽しませられたらいいなって」と言えば、佐久間は「この劇場は距離が近いので、体感できる楽しさを感じてもらえれば」と、呼びかけていた。
舞台『キャッシュ・オン・デリバリー』東京公演は2日から5日までシアタートラムにて上演!