“キスマイ”ことアイドルグループ『Kis-My-Ft2』の北山宏光(31)が27日、東京グローブ座で主演舞台『あんちゃん』(作・演出:田村孝裕)公開ゲネプロを開いた。
幼い頃に父に捨てられた青年が、父との再会を経て、気の強い姉2人、母への愛憎に葛藤するという姿をストレートプレイで送るオリジナル作品。
一見、平穏そうに見える家族の中にあるさまざまな心情を描いており、根底に流れる感情のやりとりに思わず見入ってしまう仕上がり。登場人物たちは基本的に大人だが、幼少のころの描写もあり、北山がランドセルを背負って登場する小学生時代の演技や、田畑智子、広澤草演じる姉たちの制服姿なども見られた。
終演後には北山、父・国夫役の俳優・ベンガル(65)、母・瑛子役の女優・荻野目慶子(52)の3人で囲み会見を開催。ジャニーズ以外の舞台で単独初主演となる北山は、「久々のお芝居で」と、緊張もあったようだが、作品内容へは、「人にとっては、すごく柔らかいところに刺さるものだったりするし、観た人がどこまで刺さってくれたかというのはやってみるまでは分からなくて。観る方に寄っては泣ける話しですし、やれて本当に嬉しいし、お話頂いたときにも嬉しいなって」と、しみじみ。
記者からは、作品自体が北山の心にも刺さった?という質問も飛んだが、「設定というか、演出の田村さんがそこまで調べていないはずなのに、それまでの境遇で(自分と)同じ部分があったりとか、共通する部分があったりして。僕は一人っ子ですけど、父が途中から現れるのはシンクロする部分があって。演じながら刺さっている部分があるんです。田村さんには、家族の話なんで一番最初に全部話していたんですけど、それとは違う計算で、これは絶対知らないだろうなという部分も出てくるんです」と、しみじみ語ると、これには荻野目もベンガルも自身のことで思い当たることがあったのかうなずきながら聞くものに。ちなみに、北山のどの部分に刺さったかは、「柔らかい部分なんで、やめてもらっていいですか(苦笑)。家族っていろいろあるんで」と、明言はしなかった。
カンパニーの雰囲気について北山は、荻野目とベンガルを見ながら、「本当に優しくて」と、表情が柔らかくなり「本当のお父さん、お母さんに見える瞬間があって、優しい表情をされてるときがあって。うちの母ちゃんこんな顔で笑ってたっけなって」と、本当の家族のように感じているそう。報道陣からも北山と荻野目が似ていると振ると、北山も「母さん似なのかも」と、笑みがこぼれた。
その荻野目は北山のことへ「みっくんって呼ばせて頂いているんです。礼儀正しくて、ライブをしながら忙しい中、おけいこをしながらどんどんやっていかれるから若い情熱ってすごい!小学生の姿も似合うし可愛い!」というと、ベンガルも「進化のスピードがすごい。お休みするのが好きじゃないみたいなんで、けいこが休みの日はみっくんに仕事が入っている日だった。センス、勘がいい」と、我が子を自慢するかのように絶賛していた。
そんな北山は座長としてもしっかりやっているようで、差し入れの話題になるとベンガルが「いっぱいありましたよ。さすがはジャニーズですからね。僕はアングラな小劇場出身なんですけど、差し入れのランクが違う。これ代官山だなとか(笑)」と、“いいもの”を渡していたということや、荻野目は「男前で、“息子”に韓国料理をごちそうして頂いたことがあって!」と、目を輝かせながら話していたが、北山は「一番下の年齢なんで」と、はにかみつつ謙遜。
その打ち上げなどの気遣いの仕方はジャニーズの先輩から学んだ?と質問が飛ぶと「それはありますね。数々お世話になって。タッキーとか翼くんとか。もちろん滝沢くん、翼くんも先輩からそうしてもらったと思うので。そういう意味では僕もそうしなきゃなって。僕も継承していかないといけないなって」と、後輩たちにも伝えていくと誓っていた。
なお、キスマイのメンバーたちは本舞台の観劇はあるのかへ、「来ると言ってましたよ。宮っち(宮田俊哉)から『初日おめでとう!』ってメール来て。俺は『へぇ、そういうことするんだ』って返したら、『最近、いい舞台ないかなと思ったら「あんちゃん」出てきたから送った』って(苦笑)。だからスケジュール合うから来ると思います……でも、メールもらって嬉しいですよ」と、やりともあったそうだ。
「観に来てくださった方の心に何かお持ち帰りできるような思い出があると思います。温かい気持ちになって帰ってもらえたら」と、北山がアピールしていた舞台『あんちゃん』東京公演は27日から7月23日まで東京グローブ座にて、大阪公演は8月5日から同8日まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演!