俳優・浜中文一(31)、関西ジャニーズJr.の末澤誠也(24)、女優・渡辺菜花(18)、奥村佳恵(29)、瀬戸カトリーヌ(43)、俳優・工藤広夢(22)、金子昇(44)が11日、東京・DDD 青山クロスシアターで舞台『スケリグ』(演出:ウォーリー木下)公開ゲネプロを開いた。
『スケリグ(Skellig)』は、作家デイヴィッド・アーモンド氏のファンタジー児童文学作品を、アーモンド氏自身が戯曲化し、それを翻訳したものがベースとなっている現代ファンタジー。浜中は『スケリグ』と名乗る奇妙な姿でその背中には奇妙なものが生えている“彼”を主演し、末澤は『スケリグ』を救おうとする少年・マイケル役を演じる。
ゲネプロでは、舞台を隅々まで使いつつ、プロジェクションマッピングや、巨大な白い布でのシルエット演出などさまざまに盛り込まれ、舞台の大きさ以上の広さを感じさせる工夫が随所に見られる。キャスト陣がアスレチックのように入り組んだセットを移動もするため、動きも多く、そこに緩急のついた効果音と音楽の生演奏も合わさり、幻想的な感じとキャラクターの心情をより一層際立たせる演出で魅せた。
終演後に、浜中、末澤、渡辺、金子、瀬戸、ウォーリー氏が囲み会見を開催。浜中が年をとったようなしゃがれた声を出す姿や、背筋をしゃんとして快活な青年のようにしゃべったりと変幻自在の演技を披露していることもあり記者から「すごい役ですね」と声をかけられたが本人としては「そうですかね」と、落ち着いたもの。
すると金子が、「気づいてないかもしれないですけど、5役くらいやってます」と、浜中の演じる数を挙げだす。これに浜中は「正確に言うと8役です」とひょうひょうと答え、そこで全部の役を挙げてもらおうとすると、浜中は「それは見つけて頂いた方が」と、観劇する方へ楽しみとして残そうとする。
しかし、金子に促され3役だけ明かすこととなり「不動産屋さんがそうですし、学校の先生もそうです、この状態もそうですね」と、ヒントも。もう1つおまけとして、劇中でフクロウの人形を飛ばすところもあるが、こちらのフクロウを華麗に操るうちの1人が浜中なのだそうだ。
続けて、演技面の話となり、瀬戸が「文ちゃん(浜中)が8役やっているにもかかわらず、ほかの役者にアドリブを言ったり、いたずらする余裕があるんです。そこが腹立たしいくらい(笑)」と、浜中の“遊び”を暴露。これに浜中は「お客さんに聞こえないのもあるし、聞こえるのもあります」と、白状すると、金子が「文ちゃんはじっとしてらんないんですよ(笑)」と、浜中の心情を代弁していた。
一方、兼役なしの末澤は逆にずっと出ずっぱりで、台詞も多く長台詞もある。末澤は、「これだけのセリフを覚えるのが初めてなので初めての経験ばっかりで。お芝居をしっかりするのも初めてだし、こういうちゃんとした役をもらってするのも初めてだし」と、初々しいコメントで、瀬戸からも「息子の成長を日に日に感じて素晴らしくて感動してます」と、マイケルの母親役ということもふまえて思いを伝える。
そんな末澤の面倒は事務所の先輩として浜中がきっちり見ているようで金子は「誠也に対してすごく優しいですよ。細かく指導していますし、厳しいところはないと思います。いい先輩だなって。羨ましいですよ」と、言わしめるほど。
カンパニー全体の雰囲気としては、金子は「本当にチームができ上がっているんです。回数を重ねればどんどん凝縮していくと思います」と話していたが、見どころについて浜中に質問が飛ぶと末澤にこれをパス。末澤は戸惑いながらも、「『スケリグ』というのはなんなのかとか、観てくださった方1人1人がいろんな答えを持って家に帰ってもらえるんじゃないかなと思います。みなさんが答えを持って帰ってもらえるように」と、しっかり先輩のプレッシャーにも応える姿を見せていた。
舞台『スケリグ』東京公演は11日から2月11日までDDD 青山クロスシアターにて、大阪公演は2月14日に松下IMPホールにて、愛知公演は2月16日に一宮市尾西市民会館にて、金沢公演は2月19日に北國新聞 赤羽ホールにて、兵庫公演は2月23、24日に芦屋ルナ・ホール 大ホールにて上演!