映画『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』(監督:こだま兼嗣/配給:アニプレックス)完成披露舞台あいさつが29日、東京・TOHOシネマズ新宿で開かれ冴羽獠役・神谷明、槇村香役・伊倉一恵、野上冴子役・一龍齋春水、海坊主役・玄田哲章、美樹役・小山茉美、進藤亜衣役・飯豊まりえ、コニータ役でお笑いコンビ『チュートリアル』の徳井義実、こだま監督が登壇した。
漫画家・北条司氏の人気作『CITY HUNTER(シティーハンター)』が、今年アニメ放送30周年を迎えたことを記念し、約20年ぶりに新作アニメーションを制作。当時のオリジナル・スタッフ、キャストが勢ぞろいする豪華版。現代の新宿が舞台ではあるが、放送当時の雰囲気を存分に残しつつギャグあり、シリアスありの冴羽の活躍が楽しめる仕上がりだ。
開演前の会場には『ゴーゴーヘブン』、『Super Girl』、『STILL LOVE HER』といった名曲が流れ、登壇時には『Get Wild』もかかり観客のテンションも高まるなかでのものに。しかも、徳井が冴羽になりきって「もっこり」と言いながら美女と肩を組んで現れ、飯豊が「徳井さん、イベントの空気を読んで!」と、香ばりに100tハンマーをふるい、神谷も「香もこんだけ優しければなぁって」と、漏らして笑いを誘った。
北条氏は今回の作品へ「ファンの方に対しての恩返しというのもありますし、若い方にどれくらい観てもらえるかというのでドキドキしてますよ」と、率直な心情を話すと、その若い世代の飯豊は「母がシティーハンターの大ファンなんです。親孝行なんです!私ちょうど20年前に生まれて。母がすごく喜んでくれました。すごく嬉しかったです」と、しっかりジェネレーションギャップを感じさせるコメントで、これには一同苦笑いが漏れることも。
一方、神谷は久々に冴羽を演じることへ「嬉しいのと不安が襲ってきまして、当時のように表現できるだろうかと思っていたんです。お話は一昨年の10月にお話を頂いて、1年かけて、いまできるベストの獠ちゃんを作りました。アニメーションというは観てくださる方が若いので、お客様に引っ張られて若さを保っている感じです。『もっこり』エキスをもらっているというところでしょうか」と、獠の代表的なセリフも交えて調整しきったとしみじみ。伊倉も「久しぶりに香がハンマーを持って振り回せたのが楽しい出来事でした」と笑い、北条氏はキャスト陣を見回しながら「本当に変わらないなと。伊倉ちゃんが7歳の声もしていて、ちゃんとなっていましたよ」と、納得の出来だったようだ。
さらに、演技の話へ。飯豊は本作で声優初挑戦となったが、神谷はそのアフレコ姿をこっそり見守っていたそうで「最初にワンシーン当てたのを観たときに『やった!』と思いました。21歳の感性と、そこここに彼女の持っている魅力が出ていたし、演技は抜群でした。楽しんで観て頂けると思います」と、絶賛。飯豊も「やり終わった後は楽しかったと思って」と、緊張よりも楽しさが勝る現場になったよう。
では、神谷はリップ・サービスで飯豊を褒めたのかというとそうでもないようで、徳井の演技の話になった際は、「リアリティーはすごくありました。僕らはちょうどよかったと思います」と、控えめで、徳井もそこは納得という感じでうなずいていた。
ほかにも、北条氏が本作に対して抱く不安もあるのだとか。それは「このセクハラが叫ばれる時代にこんな映画をつくちゃったよと思っちゃって。『時代の空気読まんかい!』というのも、とり方によってはパワハラになっちゃうし……。それだけ危険な映画なんですよ!」と、本気半分、冗談半分といった口調で漏らしていた。
最後は神谷から、「当時のシティーハンターが、なんの違和感もなく現代にスライドしています。それは脚本家の加藤陽一さんのお力でもあると思います。見どころはどこかと聞かれるんでけど、もうそこここにあります。それからシティーハンター・ファン、キャラクター・ファン、音楽のファン、みなさん満足して頂けると信じております。何しろ、20年ぶりに帰ってくることができて、こんなに嬉しいことはありません。最後に『Get Wild』がエンディングシーンで流れます。エンドテロップが流れるときに、画面右上の映像が流れるのでご覧ください!こだま監督が描き下ろしてくれた新しい映像です。そこにはこだま監督の愛があふれていて、何度も泣かされました。きょうも泣いちゃうと思います。ぜひ見逃さないように、最後までこの作品を楽しんでもらいたいと思います」と、思いあふれるコメントを寄せていた。
映画『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』は2月8日より全国ロードショー!