劇場アニメーション『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.2 First Guardian』(配給:東宝映像事業部)初日舞台あいさつが15日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで開かれ須郷徹平役・東地宏樹、狡噛慎也役・関智一、塩谷直義監督が登壇した。
アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』は、人間の心理状態を数値化し管理する近未来社会を舞台にした警察機構のSFドラマ。2012年10月にTVシリーズ第1期が放送され人気を呼び、14年7月には1期に新規カットを追加して再編集した『新編集版』が、同10月からはシリーズ第2期『PSYCHO-PASS サイコパス 2』の放送、15年1月には『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』が公開されそれぞれ大ヒットを飛ばした。今回公開の作品は、3部作となって1月25日に、霜月美佳×宜野座伸元にフォーカスを当てた『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.1 罪と罰』が。本作は2作目にあたり、須郷と征陸智己(cv.有本欽隆)の物語が紡がれる。
征陸智己を演じた有本欽隆さんといえば今月1日に78歳で亡くなったことが伝えられた。それだけに、有本さんへのそれぞれの思いから語られることに。
東地は「まだ実感がわかないです」と声を落とすと、「吹き替えの仕事で過去何度かご一緒させていただいていましたが、今回初めてがっつり絡ませていただきました。体調が悪いと聞いてましたが、元気になって戻ってきてくれる、一緒に舞台あいさつに立てると信じていました。悩んでいるときには『細かいことは気にするな』と声をかけていただいたこともありました。一緒に完成した作品を観て、いろいろな話をしたかったです。この作品を観ていただければ、有本欽隆の素晴らしさが分かっていただけると思います」と、有本さんへ捧げるメッセージを。
関は、「1番最初はガンダムで、欽隆さんが父親役で共演させていただきました。それから何度か親子役で共演させていただいたのですが、大御所で恐れ多く、ちゃんとお話しできたのはサイコパスが初めてでした」と、思い出を切り出す。続けて、本シリーズの話になり「第1話の時に煙草を吸っていたら『関、この話は何が面白いんだ』と言われましたが(笑)。最後には征陸の役をとても気に入っていて、征陸としてイベントに登壇することやCase.2でたくさん出番があることも喜んでいました。昔ながらのちょい悪オヤジで、憧れていました」と、故人を悼んだ。
塩谷監督は「トレンチコートで手ぶらで現場に来られ、丸まった台本を出されて、休憩になるとスッと煙草を吸われに行き、終わるとスッと帰られる。とても雰囲気のある方、すごいなと思っていました」と、在りし日の姿を伝え「もう1回一緒にお仕事をさせて頂きたかったので、征陸の話を作りました。欽隆さんにも観てほしかったです」と、本作が有本さんの魅力ありきでも作られたという裏話を披露した。
そして本作の話題へ。東地は「まさかの須郷が主役です」と笑うと「台本を読んで、男らしい話で、でも老若男女に好かれる人間ドラマが描かれていると思いました。作品として良いシーンもたくさんあります」と、魅力を伝えれば関は「必殺仕事人とか、最後にスカッと仇を討ってくれる作品が好きなんですが、それに近いものを感じました。近未来だけど、時代劇のような雰囲気もある、日本人は好きな話だと思います。狡噛は良い塩梅で出ています」と、出演を予告もしていた。
最後に塩谷監督から「観終わった後に面白かったと思っていただけたら、欽隆さんに向けて拍手をお願いします」と呼びかけ、関も「欽隆さんの最後を飾るに相応しい作品になっていると思います。悲しい、寂しい気持ちもあると思いますが、純粋に楽しんでいただければ欽隆さんにも喜んでもらえると思います。そしてこのあと公開するCase.3もよろしくお願いします」と、メッセージを。
そして東地は「欽隆さんも『楽しんで観ていってくれよ』と言っていると思います。劇場のどこかにいると思うので、欽隆さんと一緒に1時間を堪能してください」と、呼びかけていた。
※記事内写真は(C)サイコパス製作委員会