昨年11月に欅坂46を卒業した今泉佑唯(20)が4日、東京・新宿の紀伊國屋ホールで舞台『熱海殺人事件 LAST GENERATION 46』(作:つかこうへい/演出:岡村俊一)の報道陣向け稽古に出席。本作が女優デビュー作となる今泉は「稽古の段階でなんにもできなかったので、これは(私は演者から)外されるなと覚悟していたのに、こうやって公演を迎えられてうれしい」と笑顔を見せた。
作品はつかこうへいの代表作で、何度も再演を重ね、東京の春の風物詩とも呼ばれる名作で、46年目の公演となる今回は、平成最後の年に新メンバーで挑むもの。木村伝兵衛部長刑事に味方良介(26)、捨て身の潜入捜査を行う水野朋子婦人警官に今泉、犯人・大山金太郎はダンスボーカルユニット・エルオーエルの佐藤友祐(22)、富山からきた田舎刑事・熊田留吉をNON STYLE・石田明(39)が演じる。
この日、稽古前に報道陣の取材に応じた4人だが、今回で3年連続同作の主演を務める味方は「先に大阪で公演をやって、稽古では得ることのできなかった熱気を感じてきた。僕自身、3回やる意味、そして平成最後の年にやる意味をこのメンバーで伝えていきたい」と意気込んだ。作品の見所はズバリ「全部」だそうで、味方は「演じている人間が全員本気で一瞬たりとも抜かない、抜きたくないし、辛くなっても踏んばれるメンバー」と意気揚々。
一方、女優として初舞台となる今泉は「稽古とお客さんの前でお芝居をするのとではまったく違う。なんだったんだろなって思う」と戸惑いもあったようだが、そんな今泉に共演陣たちは「情緒不安定でおもしろい。ふつうに笑っちゃうかわいいヤツ」(石田)、「少女らしいところと芯の強いところもあるが、開けっぴろげすぎて、こっちが心配になるときもある」(味方)と温かく見守っている様子だ。
さらには、佐藤が「(今泉は)稽古のときに『私、(演者から)外されるかもしれないとか、わけのわからないことを言って一番不安がっていたのに、本番では誰よりも楽しんでいて、スターだなと思った」と絶賛。これに思わず苦笑いの今泉だったが、最後に味方が「むずかしいことを考えずに、ここで起きたことをそのまま漠然と何かを感じていただいて、それが何年後かにすごい衝撃だったな、という実感を得ていただけたらうれしい。メンバー全員で全力でやるので、本気の演劇を観にきてほしい」と力強くPRしていた。
5日夜から東京公演がスタート。