舞台『hymns』囲み会見が行われた
元『光GENJI』で俳優・佐藤アツヒロ（45）、中山祐一朗（48）、山岸門人（37）、陰山泰（63）、新納慎也（43）が11日、東京・銀座の博品館劇場で舞台『hymns』（脚本・演出：鈴木勝秀）公開ゲネプロを前に囲み会見を開いた。
本作は“スズカツ”の愛称で親しまれる演出家の鈴木氏オリジナル作品で、2008年に佐藤主演で心理ドラマを描いた『HYMNS』として上演されている。その11年ぶりの上演となるが、佐藤は「この作品は11年ぶりで、スズカツさんとご一緒するのが10年ぶりです。11年前は4人芝居だったのが、5人芝居になっています。新しくなっていますよ」と、ポイントを。
11年前の舞台では、モノトーンの世界、シンプルな舞台装置、効果的な照明など舞台美術などでも注目を引いた。佐藤によると本作も、「ちょっと強烈です！斬新というか……。簡単に言うとスピーカーがむき出しで、ウーハーがドンと出ています（笑）。“これ何するんだろう！？”と思うと思いますよ」と、衝撃を受けるそうだ。
鈴木氏へ再び佐藤をキャスティングした意図を尋ねると「もう1度やりたかったんです。この作品を45歳のときに書いてて、アツヒロの年齢が近くなってきたのでもう1度やるにはちょうどいいかなと思って」といい、今回久々に佐藤と会ってみて「いまさら成長もないですけどアツヒロはアツヒロです。役者としての居様（いざま）は信頼しています。とにかくピンとくる人なんです。僕はピンとくることが重要だと思うので、この作品はアツヒロがやるのが良いんだって思うって思って」と、インスピレーションが湧いての起用のよう。佐藤はといえば「この作品は、オーバーに語らなくても進んでいく会話劇であり、空間なので、その原点にいられる自分がすごく幸せだと思います」と、笑みを見せた。
テーマへ佐藤は、「生きるということを描いていて、どう生きるか、なぜ生きるかをテーマにしているので、それを主人公の画家・オガワがどう切り拓いていくかという感じだと思います」といい、「むちゃくちゃ濃いですね。演劇的には腕がある役者で個性はぞろいです」というキャスト陣。
作品の役どころとして新納は「主人公の相手役というのがあります。2人で居残り練習をしないといけないくらい2人のシーンがあります……けど、恋愛はないですよ（笑）」と、茶目っけたっぷり。その2人での練習を通して仲も深まったそうで、佐藤は「性格とか価値観とか似てて」といえば新納も「初めて会った気がしないんです。初共演でしたけどアツヒロくんから『前から友達だった気がするね』と言って頂いて」と、意気投合したのだとか。
一方、中山はオガワと付き合いのある画商・ナナシを演じる。「とにかくオガワにボロカスに言います。こんなに酷いことを言ってよくアッくん（佐藤）は受け答えしてくれるなって。嫌にならないかなって」と、恐る恐る話すと佐藤は「この作品の不思議なところで、オガワが絵を描いて売れっ子だったのが売れない画家になっていくんです。それが僕の10代のころの生活と20代のころの生活で“こう”なっていく感じがわかるので、全然平気なんです。分かる分かると」と、笑いながら手で波を作るジェスチャーをして自身と重ねていた。
ほかにも、本作のけいこで苦労した部分を質問すると、佐藤は「会話劇で汗はあまりかかないですけど、心の汗はバンバンかいてます。1度舞台に出たらカーテンコールまで引っ込みません」と明かしたり、「あまりけいこをしないんです。練習時間が短いから集中しないといけなくて、準備をしないとバレれる（苦笑）」というと4人も大きくうなずく。しかし、鈴木氏は「通しけいこはけいこ場で1月に13回してますので」と、涼しい顔で話し、佐藤は「通しの数は多いです。けど、通ししかしていない感じがします！」と、返していた。
舞台『hymns（ヒムス）』東京公演は11日から21日まで博品館劇場にて、大阪公演は22日にサンケイホールブリーゼにて上演！
■キャスト
オガワ／画家：佐藤アツヒロ
ナナシ／画商：中山祐一朗
ムメイ／マネージャー・友人：山岸門人
ナカハラ：陰山泰
クロエ：新納慎也
