アイドルグループ『HKT48』の指原莉乃(26)が28日、神奈川・横浜スタジアムで卒業コンサート『指原莉乃の卒業コンサート~さよなら、指原莉乃~』を開催し、3万800人が、その最後の勇姿を見守った。
指原は2008年3月にAKB48の5期研究生として劇場デビューし、同年8月にチームBに昇格。12年6月に一部週刊誌で異性とのスキャンダルが報じられ、当時のラジオ番組で総合プロデューサーの秋元康氏から発足したての『HKT48』へ移籍を命じられた。しかし、指原はしっかりと移籍先の『HKT48』を盛り立てたうえ、翌13年の『AKB48 32ndシングル 選抜総選挙』で初の1位に輝き、15年から18年にかけてのAKB48選抜総選挙では3連覇、HKT48劇場支配人を兼務しグループの顔となったり、バラエティ番組などでも存在感を放つなど、アイドルという枠にとどまらないほど飛躍を見せることとなった。そして、昨年12月15日、TOKYO DOME CITY HALLで開催したHKT48コンサートで、卒業を発表し、ついにその日がやってきた。
開演前、熱心なファンが座席に色のついた紙を配布し“WE♥RINO”の文字を作るためにブロックごとにめぐって協力を呼びかけ、指原の愛されぶりを伺わせる一幕もあり、肌寒さを吹き飛ばすような熱さを見せる。そして、元『AKB48』の渡辺麻友のナレーションとともに映像がながれるなか、セットリストはもちろん、演出も指原が考案した卒業コンサートが幕を開けた。
卒業ということで羽織袴姿で登場した指原は、「きょうはみんなで伝説作りましょう!」と絶叫。同じく羽織袴姿の『HKT48』メンバーたちと楽曲『#好きなんだ』を全力パフォーマンス。トロッコで会場をめぐりながら、『HKT48』のデビューシングル『スキ!スキ!スキップ!』や『AKB48』としてのラストシングル『ジワるDAYS』などアップテンポナンバーを続けて披露していく。
ユニットパートでは、松岡はなとの『初恋ヒルズ』、研究生との『君のことが好きやけん』など、指原がHKT48メンバーとともに披露する楽曲を連発。パフォーマンス中にも、指原はメンバー1人1人にハイタッチしたりハグしたりと、お別れを感じさせる演出もふんだんに盛り込まれた。
そんな中、『Choose me !』では仲良しの『AKB48』峯岸みなみや同期の宮崎美穂に加えて卒業生の北原里英が、『LOVE TRIP』では『AKB48』の向井地美音や『SKE48』の松井珠理奈が、『ハロウィン・ナイト』では『AKB48』の矢作萌香らが、それぞれゲストとして登場し会場を沸かせました。
夕暮れ時となった際に歌った『夕陽を見ているか?』では、これまで笑顔で通してきた指原が、ついに涙をこぼす。その指原に、『HKT48』の1期生や、姉妹グループに移籍した中西智代梨、谷真理佳、そして同じくAKB48から移籍しHKT48で活動をともにした卒業生の多田愛佳たちが取り囲みともに歌っていくことに。そこに、現在、『IZ*ONE(アイズワン)』として活動をしている宮脇咲良も映像で登場し、「さっしーと過ごしたこの4年間は全て宝物です。さっしーの意志を引き継いでいきたい。大好きです」と、ステージの指原に語りかける姿もあった。
コンサート中盤にもゲストが続々登場。『炎上路線』では柏木由紀とデュエット、『アボガドじゃね~し…』では、「なんでも許されるような特別な存在です」と指原との仲を語り、卒業以来初の48関連のステージ登場となった渡辺麻友とカラフルな衣装でデュエット。また、『君の名は希望』では、宮脇と同じく『IZ*ONE』として活動する矢吹奈子との映像で共演を果たした。
そして“内田裕也feat.指原莉乃”として2014年にリリースされた『シェキナベイベー』では、モニターに映る内田裕也さんと共演している最中、ステージにも内田さんらしき人物が乗ったバイクが登場。しかし、これは、ダウンタウン・松本人志のサプライズで、指原と軽妙なやりとりをした後にはデュエットも披露し、「高くつくからな!」とのコメントし、笑いと余韻を残した。
終盤には、『私だってアイドル!』『Get you!』など自身のソロ楽曲はもちろん、『メロンジュース』『最高かよ』などHKT48のシングル曲を披露。そして本編ラスト1曲となった際には、「みんなが悲しいっていうから……」と指原が切り出し、HKT48メンバーとファンへ最後の“置き土産”として、全て指原書き下ろしによるHKT48劇場新公演『いま、月は満ちる』公演を発表。
これには、会場から「ありがとう!」という声も起こり、メンバーも寂しさと嬉しさの混ざった涙を流しながら、指原に感謝。しかし、実はまだ1曲しか書いていないことも正直に告白。一転して笑いが起こる中、「すぐに書くから。みんなで作り上げていってください。頑張ってね」と、エールを。発表ごとはそれだけではなく、特に将来を心配しているという村重杏奈の芸能事務所TWIN PLANETへの所属が決まったことも発表。村重は嬉しさのあまり涙して言葉を失いつつ、「今までたくさん迷惑をかけたのに、最後の最後までありがとう」と、感謝を。本編のラストとなった『今 君を想う』では卒業生や移籍したメンバーも含め、HKT48全メンバーがステージに登場し、しっとりと歌い上げた。
3万800人の「莉乃ちゃん!」コールのアンコールでは、これまでの指原の軌跡を詰め込んだ映像が流れ、その終わりに指原が純白のドレス姿となって登場。メンバー、スタッフへの感謝のスピーチをはじめた。
「メンバーのみんな、仲良くしてくれてありがとう。何より大切な宝物です。みんなに出会えてよかったです。優しくて強い女性になってください。みんななら、ファンのみなさんに必ず幸せを与え続けられるって信じています。おバカさんばかりで、でも正直で嘘をつけない一生懸命なみんなのことが大好きです。みんなの幸せを何よりも願っています。つらいことがあったとき、嬉しいことがあったとき、いつでも連絡してね。最後はファンのみなさん。11年間、アイドル・莉乃ちゃんでいさせてくれて本当にありがとう。みんななら分かってくれるはずと優しいみんなに会えて、感謝の言葉も正直な気持ちも伝えるのが苦手で本当にごめんなさい。どんな時も守ってくれて本当にありがとう。ここからは、アイドル指原莉乃とファンとの最後の約束です。みんなが将来、指原を応援していたと言っても恥ずかしくない人間でいます。ちゃんと幸せでいます。だからみんなも幸せでいてね。私は11年間、本当に幸せでした。アイドルになったことを後悔したことは1度もありません。イヤで辞めたいと思ったこともありません。私は“アイドル“という仕事が大好きでした。みんなのことも大好きです。本当にありがとう」
そして、いまの心情を卒業ソング『いつだってそばにいる』では、瞳を潤ませながら、涙するメンバーたちに優しく語りかけたり抱きよせる指原の姿が。ラストは、本編にゲストして参加した姉妹グループメンバーや卒業生も再登場し、全78人で総選挙初の1位に輝きAKB48の代表曲となった『恋するフォーチュンクッキー』などを披露。そして、ラスト曲『桜、みんなで食べた』とともに卒業を祝福する花火が打ち上がり、「莉乃ちゃん」コールが会場を包む中、指原はステージ上部の王冠へと上がっていく。ここで指原が、ファンへサイリウムの色を黄色にしてもらうよう最後のリクエストをして笑顔を浮かべ、「私この景色を一生忘れません!みんなのことが大好き!」と、メッセージを送って、全38曲、3時間30分に及ぶライブでアイドル活動に終止符を打った。
※記事内写真はレギュレーションにより5月5日に削除予定
※その後の囲み会見の模様はコチラ
指原莉乃HKT48へ贈る「いま、月は満ちる」公演への思い!「情熱大陸みたい!」と興奮した質問とは?【囲み会見一問一答】