アイドルグループ『関ジャニ∞』の村上信五が25、26日の両日、山口・萩の萩市民館 大ホールで舞台『もしも塾』を開催した。
村上が2019年4月に“CEO”に就任し“開講”した『もしも塾』とは、舞台やバラエティの仕事や表現に魅力を感じているタレントたちとともに、コンサートのショーアップされたステージ以外の、いわゆる“舞台に立つ”楽しさを伝え、同時にこれからの日本の舞台やバラエティを一層盛り上げるべく、演技の瞬発力や発想力、アドリブ力を存分に試す場を作りたい、という思いから始まったもの。4月には東京グローブ座で初公演が開催されている。
萩といえば、思想家・吉田松陰の『松下村塾』が有名。かつて“新しい日本”を夢見て多くの人が集まり、学び、近代日本の礎となった地である。村上の「これからの新しい舞台やバラエティの礎を少しでも作りたい」という想いもあり、“塾”への敬意と思想への共感をもって、この地での開催となった。
2日間で計4回行われた公演では、村上CEOをはじめ、『Hey! Say! JUMP』有岡大貴、『ジャニーズWEST』桐山照史、『Kis-My-Ft2』千賀健永と二階堂高嗣、『Aぇ! group』の小島健と佐野晶哉が出演。村上CEOがお題を出し、ほか出演者6人はそのお題に、その場で抽選を行い配役を決定。想像力と瞬発力をフル回転しながらストーリーを展開していく、稽古なし、完全ぶっつけ本番の即興アドリブ劇という形式で行われた。
お題はいずれも、誰もが知っている“昔ばなし”や“童話”がテーマ。25日夜公演では『浦島太郎』『3匹の子ブタ』の2つの話をテーマにした。『浦島太郎』では、村の子供のいじめを“快感”と感じてしまう亀、マッチョで屈強な乙姫、浦島を持て成す“海の幸”がなぜか“寿司屋の大将”として登場するなど、その場で思いついたキャラクター設定に翻弄される浦島太郎に会場は爆笑と、拍手であふれることに。
続けての『3匹の子ブタ』は、急きょ“子ブタ4匹・オオカミ2匹”という、設定そのものが原作からかけ離れた配役に。なぜか“おじいちゃん”という設定で登場したオオカミに対し、もう1匹のオオカミは急きょ、その彼女役の“おばあちゃんオオカミ”としてキャラ設定。子ブタ4匹は、そんなキャラの強いオオカミ2匹に挟まれてアタフタする、という、誰もが想像しなかったストーリー展開となり、会場は笑いの渦と化した。
また、26日昼公演の2つ目の上演も同じ『浦島太郎』だったが、こちらは全く違う展開。前日“海の幸”として追加された役どころが、今回は急きょ“2人目の乙姫(乙姫2)”という役どころに変更。「奇抜なメイクと赤いリップを塗る事で乙姫になる」という設定で乗り切り、結果本来配役になかった「乙姫3」までが登場。
舞台袖で観ていた村上CEOも、後輩たちの奮闘に触発されたのか、最後のあいさつに「乙姫4」として登場し、大盛り上がりとなった。
公演を終え、村上CEOは「得体の知れない舞台でしたが、萩のみなさんに温かく迎えて頂き、本当にありがとうございます。楽しい時間を過ごさせて頂き、嬉しく思います。1回目の東京、今回の萩と続けてきて、第3回はまだ決まっておりませんが、ぜひ楽しみにしていてください!」と、次回作に意欲を見せる。
二階堂も「その場で決まる配役や、間の取り方を瞬時に合わせるなど、裏側でもバタバタしながらでしたが、楽しんで頂けたなら嬉しいです! いつでも、どこでも上演できる舞台だと思うので、ほかメンバーやジャニーズJr.の若い子たちも、ぜひチャレンジしてみて欲しいです!」と、実感を語っていた。