俳優・笑福亭鶴瓶(67)、綾野剛(37)、小松菜奈(23)が26日、東京・丸の内TOEIで映画『閉鎖病棟―それぞれの朝―』(監督:平山秀幸/配給:東映)完成披露イベントを主題歌『光るソラ蒼く』を歌う歌手・K(35)、平山監督(69)とともに開いた。
累計90万部を超える作家・帚木蓬生氏によるヒューマンドラマのベストセラー小説が原作。母親や妻を殺めて死刑囚でありながら、刑の執行が失敗し精神科病棟にいる秀丸(鶴瓶)と、秀丸と心を通わせる幻聴が聴こえることから入院している元サラリーマンの患者・チュウさん(綾野)の物語。そこに、不登校が原因で通院してくる女子高生・由紀(小松)も加わり、温かい交流がされていく矢先、秀丸が殺人事件を起こしてしまう。彼はなぜそんな行動に出てしまったのか……。
鶴瓶は本作オファーへ「監督からの第一声が『痩せてくれ』で、今年の1月7日に7キロ痩せて入りました。このメンバーでやれてよかったです」と、しみじみ。
続く綾野は「この作品をみなさんに届けることができて嬉しいです。とても大切に作った作品です」と思い入れを話し、小松は劇中で号泣することがあったそうで「長野県の冬に撮っていて、自分なのか役なのか分からなくなって葛藤の日々を過ごしましたが濃い1ヶ月を過ごさせて頂きました」と、境界が分からなくなるほど役に入り込んだそうだ。
トークでは鶴瓶と綾野が何度も掛け合いで沸かせることに。鶴瓶がオファーが来た時のことへ、「監督から手紙を頂いたんですよ。こんなすごい監督からもらって。うちはトップダウンで来たんです」というと綾野が「トップダウンなんですか!?」と、驚きながら反応。さらには、小松が泣く姿を鶴瓶が再現したが奇声を発する結果となり、綾野がそうではないと止めるなど和気あいあい。
そんな鶴瓶との関係へ綾野は、「お付き合いも長くてバラエティーでもプライベートでもいつもよくして頂いているので、逆にどうなるのかとおいう不安もあったんです。けど、まったく関係なかったですね。秀丸さんとシュウさんという、鶴瓶さんと僕という関係を踏襲してもいいんじゃと思って。鶴瓶さんだからできたことがありました」というほど距離が近いものなのだとか。すると鶴瓶は「現場に臨む姿勢がよくて、それとおばちゃんみたいに細かいんですよ!」と、綾野の方を見ると、綾野は食事のときのことを持ち出し「みんな鶴瓶さんに気を使ってるから、僕が、ぱっぱととりわけしただけですよ。アフターフォローですやん!」と、鶴瓶の腰を抱きながらフォローして笑わせた。
一方、平山監督は「11年があっという間のような気がします。ようやっとこうして完成披露という日にちを迎えて、関係者・スタッフに感謝したいです」と、万感の思いを伝えていた。
イベント中盤から、Kが加わり主題歌を生演奏!曲のコンセプトへKは「人の苦しみや傷を癒やすのは人の優しさだろうなと思った映画でした。人と人が支え合ったりパワーを感じる楽曲をと思いました」という気持ちを曲に込めたといい、鶴瓶は作品にしっかりマッチしており「曲と同じ状況になります」と褒め、綾野は「この作品を包み込んでくださったなって。現場でもフランクにお話していて、Kさんで良かったなって。現場に真摯に向き合ってくれたことに、役者冥利に尽きるし、作品冥利に尽きます」と、思いを伝え平山監督も「映画のテイストに優しさということを1盛りしてくれたなって」と、手応えを口にしていた。
鶴瓶から「全部出ている俳優さんが生きている作品です」と、アピールしていた映画『閉鎖病棟―それぞれの朝―』は11月1日よりPG12で全国ロードショー!