俳優・池松壮亮(29)、蒼井優(34)、一ノ瀬ワタル(34)が28日、東京・新宿バルト9で映画『宮本から君へ』(監督:真利子哲也/配給:スターサンズ、KADOKAWA)公開記念舞台あいさつを真利子監督(38)、原作者の新井英樹氏(55)が登壇。サプライズゲストに本作の主人公・宮本浩の名前の由来にもなり主題歌『Do you remember?』を歌う宮本浩次が登場して盛り上がった。
人生負けっぱなしの男・宮本(池松)が愛する靖子(蒼井)の笑顔を取り戻すため、一世一代の勝負に挑むというその姿に誰もが奮い立つ、人生讃歌な熱い作品。昨年ドラマ化され人気を博した。
蒼井は「ご覧になった方の前に立つのが恥ずかしいなと思う舞台あいさつははじめてです」と、さまざまな一面を見せたということを感じさせるコメントが。
作品を通してほかの作品とは違って初めて感じた感情があるエピソードについて質問が飛ぶと、蒼井は、「初めて週休6日で撮影したいなと思いました。私は馬車馬のように働いた方がいいというタイプなんですけど、今回は3日目で普段の映画の1本分体力を使っていて、ペース配分間違えたと思って。でも、最後まで鼓舞してやりました」と、力の入れ具合のすごさを伺わせる。
池松も蒼井の話にうなずきながら「こんなに1作品で俺って主語を使った作品はないかなって。宮本かローランドさんくらいじゃないですかね、俺って言うの」と、しみじみ。
一方、主人公の宮本たちの前に立ちはだかる敵を演じた一ノ瀬は本作のために「2ヶ月で33キロ増量して、後のことは考えませんでした。80キロから113キロまで増やしたんですけど、全然増えないんです。それで海外の大会にも出場するボディービルの方にいったら、その期間でそんなに増やすのは、だいぶヤバいから死ぬ気でやるしかないと言われて、ケーキワンホールを1日1個、卵は1日30個野菜は食べない。野菜を摂るキャパがあるなら、食べることに使えと言われて」と、想像を絶するような苦労をしたという。
池松は一ノ瀬の頑張りに「寝返りすると上と下から“出ちゃう”んですって。撮影中もあったよね」と、明かすと一ノ瀬は恥ずかしそうにしながら「来ると思うとこらえられなくて駄目で、おしめが必要で」と、撮影中も大変だった様子を伺わせた。
中盤には宮本が客席の間を縫って登場し、場内には大歓声が巻き起こる中、宮本は1人1人にバラを手渡していくことに。このサプライズに池松は「とても驚いてます。鳥肌が立ってます。この主題歌が、この映画のレベルをものすごく上げてくれたと思います」と感想を伝えると蒼井も「感動しました」と、大興奮。
宮本は作品へ、「本当にすごくて、何げないなかに心揺さぶられるシーンが多くて」と、胸を衝く出来だったと絶賛。楽曲へは「登場されるみなさんの顔を考えながら作ったんです」と、込めた思いを語っていた。
そして池松から、「ドラマから、2年半ずっと宮本という人と対峙していました。きょうのきょうまで宮本に試されているような気分でした。きのうその2年半を振り返って、台本を読み返したんです。そこには、宮本浩の人生も池松壮亮の人生とかどうでもいい、突っ切った先に、宮本が浮かび上がればとあって、そうじゃないと宮本にかなわないと自分は思っていたんだなと思って。混沌の中に光をつかもうとしていたんだなって思って。それが観てくださったお客さんの目に近いんじゃないかなと思いました。きょうからは誰のものでもなくて、観てくださった方のものだと思います。煮るなり焼くなり好きにしてほしいんですけど、なんかこう新しい時代を強く生きていかないといけないというのを、僕では無理ですが、宮本なら言ってくれるのではと信じています」と、熱いメッセージ。
蒼井も「苦しみのほうが多いかもしれないんですけど、喜びの方が大きいんじゃないかなという気がしています。その何万分の1かもしれませんけどみなさんの心にそれが灯っていたらいいなと多みます。作っている時になんでこんなに時間がかかったかというと、宮本と対峙して作らないといいけなくて、泥臭いことを泥臭く映画を作らせて頂きました」と、気持ちをスピーチ。一ノ瀬は「こんな映画に出て俺は良かったと思ってます!」と、心を込めて言いストレートながら胸を熱くさせるようなコメントを寄せた。
その一ノ瀬に当てられたように宮本は、「期待に胸を膨らませて、それを超えるインパクトがありました。まだ1度しか観てないですけど、1週間2週間じゃ消えないくらい心に残る作品じゃないかと思っています。そんな作品にかかわれて嬉しいです」と、思いを伝えていた。
映画『宮本から君へ』は全国公開中!