俳優・玉山鉄二(39)、池内博之(42)、佐久間由衣(24)、小雪(42)、陣内孝則(61)、小林薫(68)が30日、東京・南青山のスパイラルホールでWOWOW『連続ドラマW トップリーグ』完成披露試写会&舞台あいさつに登場した。
作家・相場英雄氏の人気小説が原作。総理大臣や官房長官、与党幹部に食い込んだごく一部の記者を指す言葉『トップリーグ』。大和新聞記者・松岡直樹(玉山)と、松岡と、その同期で週刊誌のエース記者・酒井祐治(池内)が、都内の埋立地で発見された『旧紙幣1億5千万円』の真相をめぐってクロスオーバーしていくという、権力とメディアの姿を描いた作品。
玉山と池内はいきなりカミカミで観客を和ませつつ、玉山は、「つい最近まで撮影でした。過酷と言えば過酷でしたが、いろんなキャストの方と共演できて、僕は幸せな気落ちでいっぱいでした」と、万感。すると小雪も「この現場はまとまりがあって、適度に緊張もあり、スムーズに進行できていたので、みなさんおキャラクターをしっかり描いていました。有意義な現場と感じました。飽きの来ない核心に迫る描写が私は楽しく感じました」と、話を広げた。
作品については、1話を観たという池内は、「作品は面白かったです。早く2話、3話、4話と観ていきたいです」と、期待を膨らませるほどの仕上がりなのだとか。
演じたキャラクターへ玉山は、「ごく普通の政治記者だったのが、だんだん政治家に人生ごと取り込まれて苦悩し、どう這い上がっていくかというのを大事に演じさせて頂きました」と、演技での心の流れを。
さらに、『トップリーグ』という存在へ玉山は、「どこの派閥に属したりによって、政治がちょっと動くのかなと思ったら、怖いなと思って。劇中で『自分で選んでいるつもりが、選ばされているのではないか』と、いうセリフがあるんです。自分でも、お店で商品を手にとった時とか、この番組をたまたま観ているんじゃなくかとか、そういうことを思いました。普通にテレビを観ていたり、SNSだったり情報があふれかえるなかで、どうキャッチして、体に入れるかはすごく大事なことなんじゃないかなと」と、あらためて、本作を通して日常を思い返すきっかけになったそう。
池内は週刊誌の記者を演じてみて、取材のシーンが難しかったそうで「大事なことをメモするときに、どういう表情をしてるのかで怪しいなと思ったり、それをリアルにやろうとするとおっつかないというか。そのへんは難しかったですね」と、感じたことを話す。
一方の小雪は、上昇志向の強い記者を演じたものの、「自分は上昇志向がないんですよ。それで、(役作りに)すごく悩んでいて、ものすごく上昇志向の高まりというセリフが多くて、もう気持ち悪いんです。どう入ったら良いか悩んだんです」と、自身にとっては難役だったそう。それをどう乗り越えたのかへ、「この作品のキャラクターは、情熱とか生き方を持っていて、信念に向かって突き進む進むというのがそういうふうに見えるというのが解釈できて、それからはつらくなくなったんです」と、コメントしていた。
ほかにも陣内から玉山へ「僕を踏み台にして上にあがっていって……付け届けくらいしてほしい」と、ぼやく。これに玉山は焦るかと思いきや、「その話、会うといつもしますよね」と、慣れたものといった様子。すると、陣内は池内に矛先を向け、かつて共演したドラマの番宣で、尊敬する先輩を役所広司と言っていたと恨み節をぶつけることに。池内はそれを受けて、困り顔になりつつ、「毎回会うたびにそう言うんですよ。本当にすいませんでした。尊敬する俳優ですよ」と、こちらは恥ずかしげに頭を下げるという対称的な対応で観客を沸かせた。
そして玉山から、「こういうメッセージ性が強くて、いろんなところに切り込んだ作品は少なくなってきたのかなと思っていますが、WOWOWさんはそういうところに臆することなく突き進んでいる感じがしました。物事のいろんなことに疑いを持ったり、汚職とか、表現しずらい部分がいっぱいあるんですけど、それにキャラクターたちは突き進んで立ち向かっている。情報の大切さを感じ取れる作品になっていると思います」と、思いの丈を伝えていた。
WOWOW『連続ドラマW トップリーグ』は10月5日午後10時より全6話(第1話無料放送)で放送!