大林宣彦監督、女優・常盤貴子、吉田玲、山崎紘菜、俳優・厚木拓郎、細山田隆人、細田善彦が1日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで映画『海辺の映画館―キネマの玉手箱』(監督:大林宣彦/配給:アスミック・エース)贈呈式&舞台あいさつを開いた。
映画『転校生』(82)、『時をかける少女』(83)、『さびしんぼう』(85)と“尾道三部作”を手掛けた大林監督が再び、尾道を舞台に映画を撮影。上映中だった映画の世界に入ってしまった3人の青年が、幕末、戊辰戦争、日中戦争、太平洋戦争の沖縄と流血の歴史の中をタイムリープし続ける冒険を通し、戦争を映画の力で打ち勝とうとする姿を見せる作品となる。
まずは、大林監督が現在開催中の『第32回 東京国際映画「祭』にて特別功労賞を受賞したということで、その贈呈式が開催。大林監督は観客たちを見回し「感謝感激雨あられです。ありがたいですね。感謝致します」と、はっきりした声で感謝を。続けて、常磐が登壇し、車椅子に座った大林監督へ花束を手渡しし、その業績を称えた。
厚木、細田、細山田は作品を通じていろんなことを学んだといい、大林監督は「映画は学校といいまして、いろんなことを学ぶんです」と、成長を見せたキャスト陣を褒める。
すると、山崎も“大林学校”のフレーズが気に入ったのか、「“大林校長のもとでいろんな映画に出演させて頂きました。最初は不安でいっぱいだったんです」と、初期のころの心境を。さらに、山崎は「実はですね、密かにミュージカルをやりたいなと思っていたんです。それとアクションの映画が好きなのでアクションをやらせて頂きたいなと思ったり、方言を使う役やりたいなと思っていたんです。その夢を全部この映画で叶えてくださってて、ありがたいなと思って(笑)。夢がかなっているので、監督の祈りや思いがこの映画を通じて届けばいいなと思います。夢をかなえてくださってありがとございました」と、気持ちを伝えると大林監督も満足そうにニッコリ。
大林監督作品の常連となりつつある、常磐は本作を観て「試写を観せて頂いた時に走馬灯はその人しか見れないし、ギリギリのところでしか見れないとよく言うじゃないですか。だけど、大林監督は前倒しで見せてくれたんだなと思うんです。それは前代未聞というか、映画史の中で数々、そんなことができる監督はいないと思います。私が、なんとなく思う核心なんですけど、たぶん監督の本当の走馬灯もこれだと思うんです。この奇天烈な体験をしてもらえれば!」と、見解を語ると、大林監督は声を弾ませ「あたりー!」と、満足げだった。
大林監督が「今回の映画がいかなるフィロソフィーを用いたか、仰天されると思います。仰天されることが映画の何よりの魅力です」と、気持ちを伝えていた映画『海辺の映画館―キネマの玉手箱』は2020年4月に公開予定!