俳優・成田凌(26)、黒島結菜(22)、永瀬正敏(53)、高良健吾(32)、竹中直人(63)、井上真央(32)、竹野内豊(48)が14日、東京・丸の内TOEIで映画『カツベン!』(監督:周防正行/配給:東映)公開記念舞台あいさつを周防監督とともに開いた。
いまから100年ほど前に、日本に入ってきた映画=活動写真という無声の作品たち。その活動写真をより楽しめるように自らの語りや説明で彩る活動弁士(通称:カツベン)という職業が生まれた。本作では、一流の活動弁士を目指す青年・染谷俊太郎(成田)のドタバタ青春劇を描いている。
開演時間になると成田の本作にかかわったオーディションからの600日以上をまとめたVTRが上演。そして暗転した場内に成田がピンスポットにあてられながら現れ、約2分にわたって口上を堂々と述べ、終わった瞬間に拍手喝采!
成田は口上を見事言い切り、「きのうまで鼻水が止まらなくて、喉もガラガラだったんですけど、朝起きたらピタッとなくなってて。これが『カツベン』の力だなと感じました」と、大役を果たして胸をなでおろす姿が。永瀬はこれに「俺の方が気持ちがドキドキしてしまって。すごいよ!」と手放しで褒め高良も「本当にすごかったです!」と称賛すると成田も声を湿らせながら笑みを見せる。竹中はといえば声色を成田に寄せて褒め、笑いを誘っていた。
成田は本作を通して「クランクイン前に主演ってなんだろうなと、クランクインしたあとにもなんだろうなと思いながらでした。分からないなと思っていたんですけど、昨日の初日、僕は友達と観に行ったんです。初日にたくさんメールが届いて見たよといってくれた方がいて、街を歩いていると『カツベン!観るよ』と言ってくるれるおじさんとかいて、この作品がたくさんお人に観て頂けるのであれば何でもいいかなと思って」と、たくさんの声を通して、得たものがあったよう。
ちなみに、成田が観ていた劇場の様子について、「すごいウケてました。『カツベン!』に出てくるにぎやかさとか、1人大声で笑うおじさんがいて、それが活気になって笑いが広がって。『カツベン!』にふさわしい場所だなと思って観ていました」と、劇場の熱を感じさせるコメントも寄せていた。
司会から来年叶えたい夢はないかと問われ、成田は「健吾さんと九州で遊ぶ約束しましたよね。やりましょ!健吾さんにおまかせ九州旅です(笑)。おいしいものを食べてだらけます」というと、高良は「作品のキャンペーンで(笑)。いま四駆が欲しいと思っているのですが、それをもらえたら交通費いりません」と、どんどん夢を広げて笑いを誘っていた。
ほかにも成田へ、本作にかかわって変化したことはないかと質問が挙がると、「難しいなぁ、恥ずかしいなぁ」とはにかみつつ、「この作品をやったことですべてが変わっちゃったような気がするんです。いま賞をもらったりするのは前までの自分で……。この作品を通して、ものすごく楽しい現場にするということを感じたんです。これかも主演をやっていきたいので、楽しい現場にするぞという気持ちでやりたいですね。ここにいるみなさんからそれを学びました」と、俳優・成田凌として深みが出たことを感じさせるようなコメントが飛び出すことも。
そして「観て頂いたものがすべてで、100年前に娯楽の王様といわれた活動弁士に初めて触れた方も多かったと思います。その責任感も持って、私達はやったと思っていますので、それを観て頂いて嬉しいです。でも、ただ、帰って楽しかったと言ってもらえれば……歓喜雀躍(かんきじゃくやく)身の幸せでございます」と、最後は活動弁士風に締め温かな拍手が寄せられるなか終演を迎えていた。
映画『カツベン!』は公開中!
■成田の口上
厳寒の時節、森羅万象、白い吐息を漏らす折から、賑々(にぎにぎ)しき御来館を賜りまして、関係者・出演者一同になり代わり、主演・成田凌、厚く厚く御礼申し上げます。
この『カツベン!』は映画を愛する皆(みな)の力で艱難辛苦を乗り越え、なれど苦労は詳しく言わぬが花の吉野山。
多くのみなさまにご覧いただきたく、日々宣伝活動に勤しんでまいりました。
思えば、ともに走り続けてきた、この616日。
私自身、片時たりとも『カツベン!』を忘れたことはございません。
昨日、初日を迎えましたこの作品はもはや皆々様のものでございます。
我が子を送り出す心待ちでお届け致しますこの作品、末永く愛して頂けましたら、我ら歓喜雀躍(かんきじゃくやく)、身の幸せ。
本日のみならず、これからも映画『カツベン!』ご高覧の程!
宜しくお願い申し上げます!
それでは『カツベン!』を彩った仲間たちをご紹介いたしましょう!
黒島結菜、永瀬正敏、高良健吾、竹中直人、井上真央、竹野内豊、そして周防正行監督です。
万雷の拍手でお迎えください!