女優・松本穂香(22)、今泉佑唯(21)、ともさかりえ(40)、俳優・渋川清彦(45)が3日、東京・神楽座で映画『酔うと化け物になる父がつらい』(監督:片桐健滋/配給:ファントム・フィルム)完成披露イベントを片桐監督(40)とともに開いた。
本作は、アルコールに溺れる父を持った作者・菊池真理子の実体験に基づくコミックエッセイが原作。普段は無口で小心者なのに、酔うと“化け物”になる父・トシフミ(渋川)と、新興宗教にハマる母・サエコ(ともさか)。一風変わった家庭で育った主人公のサキ(松本)は、“化け物“のおかしな行動に悩まされ、徐々に自分の気持ちに蓋をして過ごすようになってしまう。自分とは正反対で明るく活発な妹・フミ(今泉)や、学生時代からの親友に支えられ、家族の崩壊を漫画として笑い話に昇華しながらなんとか日々を生きるサキだったが、父の病気が発覚し……という物語。
難しい役どころを演じた松本だが、「あまり意識しないことを意識したといいますか片桐監督から『言いづらいセリフがあったら言いやすいように、変えてもらっていいので』とおっしゃってくれて、私だったらこうするじゃないですけど、サキとして片桐監督が接してくれていたんです。だから、私がすることがサキのすることと見てくれていたので、とくに意識はしていなかったですね」と、松本の感じたままを尊重してくれたそう。
その演技により、松本が自分の感情を吐き出すというシーンでは、カメラを回していたスタッフ、片桐監督ともに感動のあまり泣いていたそうで、片桐監督は「僕たち涙腺ゆるい族なんです」と、苦笑いしていた。
一方、今泉にとって、本作が実は映画デビュー作品だったそう。「撮影場所が一軒家で密集してたこともあって、みなさんのオーラ?かなに、圧倒されすぎちゃって、私、撮影乗り切れるかなって不安になりました」と、心情を。そこで松本としては、今泉に『欅坂46』のメンバー時代のことを積極的に話を振ったといい、「休憩の合間にいろいろアイドル時代の話とか聞いて。『握手会ってどんな感じなの?』って聞いて。そういうところから仲良くなろうと必死でした」というと、今泉は「ずっと頼っちゃってました」と、頼りになる“姉”だったことを明かしていた。
この日は節分ということで、キャスト陣による豆まきも敢行。掛け声は「化け物は外、福は内」と作品に合わせたものとなり、場内は熱気にあふれる。さらに、松本が今月5日が誕生日なことから巨大恵方ロール巻をプレゼントされ、一口サイズのロールケーキを渡された松本はその場で食することとなったが大勢の報道陣からのフラッシュを浴び「恥ずかしい」とはにかみつつ、もぐもぐしていた。
最後に松本から「この作品はアルコールに溺れてしまうお父さんと、家族のいろんな人間関係を描いています。この映画でなにかの答えになるかはわかりませんけど、みなさんの何かのきっかけになればと思っています」と、メッセージを寄せていた。
映画『酔うと化け物になる父がつらい』は3月6日より新宿武蔵野館にて全国公開!