“キスマイ”の愛称で親しまれるアイドルグループ『Kis-My-Ft2』の藤ヶ谷太輔(32)が主演している現在放送中のドラマ『やめるときも、すこやかなるときも』(日本テレビ、毎週月曜 深夜24時59分~)が23日に最終話を迎えるにあたりクランクアップコメントを17日、解禁した。
本作は作家・窪美澄氏による同名小説をドラマ化した作品。伸び悩んでいてる家具職人・須藤壱晴(藤ヶ谷)が、仕事面では自立しているものの恋愛がからっきしうまくいかない広告制作会社 OL・本橋桜子(奈緒)と出会い惹かれ合っていく。しかし、それぞれ心の傷を抱えており壱晴は大切な人の死が忘れられず、12月のある時期になると1週間ほど声が出なくなる[記念日反応]という症状を持っていた。一方、桜子は父親の会社が倒産し、ずっと家計を支えてきた桜子は、早くこの現実から解放されたいと、もがいていた。そんな2人が一生を添い遂げるとは、互いの荷物をともに背負うことだと気付いていくのだが、そのとき彼らが選ぶ未来とは……というストーリー。
撮影では、クランクイン前から実際に家具工房を訪れ、カンナなどの工具や木の扱い方を職人さんから学んだ藤ヶ谷。「自分は不器用なので、とても難しい」と最初は苦戦していたが、徐々に上達していく。そして、撮影本番の日々へと入っていったが、その合間には、藤ヶ谷が現場スタッフにあだ名をつけたり、一緒に買い出しに出かけたり……少ない時間の中、物語の重要な場所となっている松江にも足を運んだりと現場の雰囲気と役を作っていった。共演の五関晃一(柳葉優太役)と藤ヶ谷、金澤美穂(水沢彩芽役)と奈緒はそれぞれ親交がある間柄となり、自然な間合いの芝居なども披露する一幕も見られるものとなった。
藤ヶ谷はそんな撮影の日々を振り返り、「すごく良いチームでした。そして良い作品、それに尽きます。それぞれのキャラクターも愛おしい。監督の持っている世界観と女性ならではの目線とか、すごく親身になっていろいろ話をしてくださったので、良いチームで救われたなと思っています」と、まずはチームへの感謝をし、その関係性が「このドラマは、物語がキラキラした恋愛だけじゃないので、すごく重いシーンや、しっかり沈むようなシーンも続いたりするんですけど、本番以外の場面ではチームで明るく楽しく、やるときはやるみたいな、凄くメリハリのあるチームだったので、助かりました。とても楽しかったです」と、一服の清涼剤にもなったという。
さらに藤ヶ谷は、壱晴というキャラクターへ「初めの頃は、声のリズムとか緩急とか、壱晴のミステリアスな雰囲気の塩梅を探すのが難しかったです。壱晴がどういう気持ちでいるのか、考えすぎてしまったり……。最後、壱晴は大事なシーンで、桜子の大切さに気付くんです。自分で演じておきながらですけど、監督や奈緒さんと『壱晴と桜子には、幸せになってほしいよね』って話をしました。『(相手を)受け入れる』って言葉だと当たり前に感じるけど、撮影を通して、あらためてその大切さと難しさを感じましたね。本当にできるのか、と。壱晴自身も、自分で乗り越えなきゃいけないトラウマがあって、自分自身のことがよく見えていなくて、桜子を振り回してしまうこともあると思うんです。だから、みなさんにも温かく見守っていただければ」と、思いをしみじみ。
そして、「このドラマの大きなメッセージとして、作品をご覧になった方が、自分も恋愛してみようかなとか、あの人どうしてるかなとか、恋とか愛について一歩踏み出せるような、考える時間ができるような作品になっていますので、みなさんにも、そういうのを思い浮かべていただけたら嬉しいです」と、メッセージを寄せた。
また、奈緒からは、「“壱晴さんと桜子の、最後の瞬間まで、よろしくお願いします。”本当にあっという間で、すごく濃ゆい毎日で、本当はもっともっと現場にいたいので、寂しいです」と、心境を話しつつ、藤ヶ谷へは、「お会いするまではクールな印象があったんですけど、そんなことはなくて。ラブストーリーで、壱晴さんとして、そこにいてくださることが、とても信じられる方でした。ご一緒できて、すごくお芝居も楽しかったですし、空き時間もチーム全体に気を配ってくださっていて、現場の空気を作ってくださいました」と、座長の話をすることもあった。
なお、9話の振り返り動画も『最終話を見逃すな!?9話まで2分ちょいで、なんやかんや振り返り!』として動画(https://www.youtube.com/watch?v=oEjBGFdncAQ)も同日より公開となった。
■最終話あらすじ
スピーチの途中で突然声が出なくなりざわつく人々の中、呆然と立ち尽くす壱晴(藤ヶ谷太輔)。
個展の案内を受け取った桜子(奈緒)は封筒の中に手紙が添えられていることに気づく。
手紙には、「桜子の椅子」が完成したこと、
そこに込められた壱晴の想いが真摯に綴られていた。
読み終えた桜子は店を飛び出し、個展の会場へと急ぐ。
会場の一番目立つ場所に「sakurako」と展示されている一脚の椅子。桜子はその椅子にゆっくりと腰掛け、手紙に綴られた壱晴の言葉を思い出し、涙を流す。
会場を見渡して壱晴の姿を探していると、柳葉(五関晃一)から、声が出なくなり出て行ったと聞かされる。桜子は柳葉の言葉を最後まで聞かずに会場を飛び出して……。
道をさまよう壱晴。声を出そうとするが出ず、やりきれない想いと苛立ちを抱えていた。
ふと歩道橋の下を見下ろすと、そこには……。
すれ違う壱晴と桜子は互いの想いを伝えることができるのか。
そして、二人が選ぶ未来とは……。
※記事内写真は(c)NTV・J Storm