市川染五郎 心底歌舞伎好き伝わる「コンプレックス」披露!杉咲花 イシグロキョウヘイ監督からの手紙に「本当に嬉しかった」と笑み

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『サイダーのように言葉が湧き上がる』完成報告会が開催!

 歌舞伎俳優で八代目・市川染五郎(14)、女優・杉咲花(22)が23日、東京・新宿ピカデリーで劇場オリジナルアニメーション『サイダーのように言葉が湧き上がる』(監督:イシグロキョウヘイ/配給:松竹)完成披露報告会をイシグロ監督(39)と開いた。

 フライングドッグ10周年記念作品。人とのコミュニケーションが苦手な俳句少年・チェリー(染五郎)と、コンプレックスを隠すマスク少女・スマイル(杉咲)。何気ない日常のなか偶然に出会った2人が、言葉と音楽で距離を縮めていく、ボーイ・ミーツ・ガールの物語となる。

 2018年1月に八代目・染五郎を襲名したが、本作は初映画、初主演、声優初挑戦と初づくし。それが完成を迎えて、染五郎は「単純に感動しました。心が温まるいい作品だなと思って。あらためて完成したものを観てよかったと思います」と、喜びを噛み締めたという。

 そんな今の心境へ染五郎は「自分は声優のお仕事も初めてですし、映画に出演するのも初めてですのでアフレコまで不安だったのです。ですが、その不安を乗り越えて、きちんとこの作品が完成して届くというのはお客様の反応が気になったり、不安だったりというのがありますけど、1番はどんな反応が頂けるのか楽しみです」と、ドキドキしているといった感じのよう。

 チェリーというキャラクターへは、「僕と似ている気がして、チェリーって表面は人見知りという性格ですけど、俳句という自分の好きなものがしっかりあって、すごく情熱を秘めていて。自分は歌舞伎が大好きでやっているので、そこは通ずるかなと思います」と思い入れも深いそうだ。

 一方の杉咲は、作品へ、「すごく元気をもらえる映画だなと感じています。音楽も楽しかったり映像もトップでカラフルで全体的にポジティブな映画だなと感じて、きっと映画を観てくださった方にもパワーを受け取ってもらえる作品なのかなと思っています」と、感じたことを。

 2人を起用した理由へイシグロ監督は、作品のことを考えたときに「かわいい声」ということに思い至ったそう。「声優さんや俳優さん俳優さんで考えてみたんですけど、かわいいを表せるのはチェリーと同じくらいの年齢の役者さん声を当ててもらうのが正解なのかなって思って。松竹さんに配給が決まっていたので松竹といえば歌舞伎と。そこで、歌舞伎役者の若い方と言うので染五郎くんに当たったんですけど、お芝居を生で観たことはなかったので、その場では決まりませんでした。そんなときに、三谷幸喜さんの新作歌舞伎に出演すると聞いて、すぐにチケットを取って観に行ったんです。そうしたら、そこにチェリーがいたと思えたんですよ!その気持を便箋にしたためまして、読んでいただいて。不安もあったと思いますけど快諾頂けて」と、熱い気持ちをぶつける。

 イシグロ監督からの手紙をもらったときのことへ、染五郎は「本当に不安が1番大きかったですけど監督の熱いメッセージが書かれていて、三谷さんの歌舞伎は自分の中で大切な舞台でたくさん成長できたので、それを観てこうやってまた違う挑戦につながって自分の成長に連鎖してつながっていくのは嬉しいと思いました」と、感慨深げ。ちなみに、「かわいい声」と言われたことには、「自分の声が実は嫌いで……でも、やるしかないんで」と、心情を吐露する一幕もあったがイシグロ監督としては「チェリーとつながる部分がそういう部分でした」と、織り込み済みといった様子だった。

 杉咲の起用はといえば、もともと思い描いていたというが、実際に会ったことはないため姿が思い浮かばなかったそう。そんなときに「映画『湯を沸かすほどの熱い愛』で娘役をやっていた子だと分かるわけです。僕はとくに声のお芝居。声のお芝居がみんなどれだけ気づいているか分からないですけど当うまい。クリアな声をされていて、とんでもない逸材だなと思ったんです。でも、それはプロデューサーのイメージを固定してしまうといけないから、言わないでおいて、会議になったときに名前を出して」という結果決まったという。杉咲もイシグロ監督からの手紙には感銘を受けたそうで、「なかなか思いを文字にしてオファー頂けることがないので本当に嬉しかったですね」と、笑みが浮かぶ。

 また、本作の主人公たちはコンプレックスを抱えているが自身で抱えているコンプレックスはないかとの問いかけに、染五郎は「とにかくありすぎて。歌舞伎は脚が長いと腰が落ちて見えないのでそこはコンプレックスです。歌舞伎においてはそうですね」と、心の底から歌舞伎好きな様子を見せたり、杉咲は「スマイルは前歯がでていて マスクで隠しているんですが、私も前歯が出ていて共感できるなって。私にとってはコンプレックスでも人からすると、素敵だよと思ってもらえるんだなということを感じられて、スマイルやチェリーを通して勇気をもらました」と、作品も絡め自身の心が軽くなったそうだ。

 イベント後半には染五郎が今月27日に誕生日を迎えるということで、サプライズでマイケル・ジャクソンのベアブリック人形とチェリーがヘッドホンをしているをプレゼントされ、「部屋に飾りたいと思いました」と、ニッコリ。そこで15歳の抱負はあるかとの質問もあがったが、「数学が苦手なので数学を頑張りたいと思います」と、生真面目な答えに報道陣もほっこりといった様子だった。

 劇場オリジナルアニメーション『サイダーのように言葉が湧き上がる』は5月15日より全国ロードショー予定!

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