鬼才デイヴィッド・リンチ監督の不朽の名作『エレファント・マン』が、本国公開から40周年を迎えるにあたり、D・リンチ自身の監修により『エレファント・マン 4K修復版』となり、7月10日より新宿ピカデリーほか全国”緊急”公開することが決定した。
1980年にアメリカで公開された映画『エレファント・マン』は、第53回(1980年)米アカデミー賞にて、作品賞、主演男優賞、監督賞など主要8部門ノミネート、同年の英国アカデミー賞では作品賞と主演男優賞、製作デザイン賞を受賞した。
同作は、19世紀のロンドンで”エレファント・マン“と呼ばれた実在の青年ジョゼフ・メリックの生涯と彼を取り巻く人々の交流を描いた感動作。長編映画デビュー作『イレイザーヘッド』(77)でカルト的な人気を得つつも、当時、弱冠33歳だった新鋭デイヴィッド・リンチ監督の名を一躍世界中に轟かせることとなった作品。日本では1981年5月に公開され、国内外合わせたその年の全公開作品の中でナンバーワンの配収を記録。社会現象とも言える一大ブームを巻き起こした。
米タイム誌が選ぶ「カラー時代のモノクロ映画ベスト10」で、『ベルリン・天使の詩』(87/ヴィム・ヴェンダース)、『シンドラーのリスト』(93/スティーヴン・スピルバーグ)などを抑え、堂々の1位を獲得した。
フランケンシュタインやドラキュラなどが登場する、怪奇映画監督としても知られるフレディ・フランシスが撮影監督として参加。彼がこだわったモノクロ映像特有の光と影、19世紀末の退廃的なロンドンの町並みが、この度の4K修復にて、より幻想的によりクリアになったことで、メリックの喜びと絶望のコントラストも一層鮮やかに映し出している。
この度解禁した予告編は、修正前、修正後の映像が比較できる他、エレファント・マンとして見世物小屋に立つ青年ジョン・メリック(ジョン・ハート)の姿を初めて見て、衝撃で涙するトリーヴズ医師(アンソニー・ホプキンス)の姿や、好奇の目にさらされ民衆に追いかけられるメリックが「僕は動物じゃない、僕は人間なんだ」と死に物狂いで訴える場面などが切り取られている。差別や偏見がいまだ無くならない世の中で彼の真っ直ぐなメッセージが胸を打つ予告編となっている。
様々な人間の内面に宿る、美しさ、残酷さが見せつけられる同作で、人間の尊厳をD・リンチは丁寧に描き出している。人間としての一生を全うしたいと願うメリックが選択する結末は、永遠に映画ファンの心に涙と共に刻まれ続けることだろう。鬼才デイヴィッド・リンチ監督が自ら監修し、美しく蘇った不朽の名作『エレファント・マン 4K修復版』は、7月10日より新宿ピカデリーほか全国にて”緊急”公開。
なお、多くの映画館の再開を祝し、お客さんへの感謝の意を込めて、特別に鑑賞料金は1100円均一としている。
【ストーリー】
19世紀のロンドン。優秀な外科医トリーヴズ(アンソニー・ホプキンス)は、見世物小屋でエレファント・マンと呼ばれる青年メリック(ジョン・ハート)と出会う。極端に身体が変形したメリックの姿を目にしたトリーヴズは、大きな衝撃を受け、彼を研究対象として病院で預かることに。当初は物も言えず怯え続けるメリックを誰もが知能も低いと思っていたが、ある日、知性溢れる穏やかな性格であることが発覚。その後、新聞で取り上げられたメリックの元を舞台女優のケンドール夫人(アン・バンクロフト)を始め、上層階級者が訪れるようになる。トリーヴズは自分が形を変えた見世形を変えた見世物 小屋の興行師と同じなのではないかと悩むが ……。
作品タイトル:エレファント・マン 4K修復版
公開表記:7月10日(金)より新宿ピカデリーほか全国順次公開
配給:アンプラグド
コピーライト:©1980 BROOKSFILMS LTD
◆監督:デイヴィッド・リンチ
◆脚本:クリストファー・デ・ヴォア、エリック・バーグレン、デイヴィッド・リンチ
◆製作:ジョナサン・サンガー
◆撮影:フレディ・フランシス
◆音楽:ジョン・モリス
◆出演:アンソニー・ホプキンス、ジョン・ハート、アン・バンクロフト、ジョン・ギールグッド、ウェンディ・ヒラー、フレディ・ジョーンズ
1980年/アメリカ=イギリス合作/124分/モノクロ/スコープサイズ