俳優・廣瀬智紀(33)が主演し19日より公開となる映画『HERO~2020~』(監督・脚本:西条みつとし/配給:ベストブレーン)のオフィシャルインタビューが14日、解禁となった。
本作は2019年7月に上演された廣瀬主演の舞台『HERO~2019夏~』(脚本・演出:西条みつとし)を映画化した作品で、『誰かが誰かに支えられ、誰かが誰かの“ヒーロー”になる』という気持ちを届けてくれるハートウォーミング・コメディに仕上がっている。
廣瀬は本作舞台版が2012年に初演された際は脇役の松島竜司役で出演していたが、7年後の19年版の舞台では主演と飛躍を果たしている。それだけに、「2012年の自分はまだ駆け出しで、右も左もわからないくらいだったと思います。大きな舞台も踏んでいなかったですし、小劇場でのお芝居の経験も数が少ないくらいでした。そんな中でも西条さんが自分を使ってくれて、というころだったので、当時の記憶も鮮明です。西条さんはけいこが大好きな方なので、けいこがめちゃくちゃ楽しかったです。かけがえのない時間だったと思います」と、昨日のことのように振り返る。
19年版の主演に声がかかった際は、「この役をやれる年齢に差し掛かったんだなという感慨深さが1番にありました」としみじみで、映画化の際は、「最初に映像にすると聞いた時は、実はそこまで画が浮かばなかったです。と言うのも、ずっと舞台で西条さんの作品を身をもって味わってきたので、舞台で引き立つ作品という想いもありました。だから、それがどういう映画になるんだろうというワクワクがありました。舞台としてこんなにもいい作品が、映像になってもっと進化したらどうなるんだろうと思いました。自分が演じて携わっている作品を見る時は、どこか自分の芝居を追ってしまったりするんですけれど、本作を実際見たら、すんなりすっと作品の世界に入っていけたというのが新鮮でした。観てくださる方々も純粋に楽しんでもらえる作品なんじゃないかなと思いました」と、感じたことを。
19年版舞台と本作の主演ということへは、「『HERO』の再演と西条さんの初の長編映画で自分をそこの立ち位置で使っていただくというのは、実力ではなく、『智紀に期待したいな』という想いでこの作品を自分にぶつけてくれたのではないかというプレッシャーもあったんですけれど、何年経っても色あせない西条さんの作品の魅力をよりたくさんの方に知ってもらいたいなと思い、自分がその一端となれたらいいな、それが恩返しなのかな、と思いながら臨ませて頂きました。お芝居に対しての考え方は根付いていくものがあって、そういうものの積み重ねで今の自分があるので、2012年の時もそうですし、今回も、お芝居に対しての考え方、向き合い方を学ばせてもらっているという感覚が強いです」と、学ぶものが多いそうだ。
共演のヒロイン・浅美を演じる北原里英(28)へは、「北原さんは、広樹という役のフィルターを通さなくても感じるくらい、包容力・安心感のある役者さんだと思いました。自分に対してすごく誠実に向き合ってくださるだけでなく、周りのどの人の話も聞くという人間力が素晴らしくて、浅美像をどこか感じ、そこからも役にプラスアルファさせていければなと思いました。自分の演じ方1つで浅美の魅力を引き立てられるということもあるかと思い、どこまでできているかはわからないですけれど、意識してやりました」。
続けて、映画版で死神大差を演じる斎藤工へは、「パワーが違いますよね。死神大佐という役でもあったので、威圧感があって、『お前ならどうする?』と語りかけられているような気もして、それも相まって、逃げ出したくなるような気持ちになるくらい、お芝居に入った時のオーラをすごく感じました」と、圧倒されたようだった。
作品の見どころへ、「第一は、作品の構成です。自分は携わっているので無理なんですけれど、自分もできることならば、まっさらな状態で見たいというくらい、構成がしっかりしていて、コメディありで、繊細な心のやり取りのお芝居があり、最終的には心温まるメッセージ性もありながら、自分も1歩踏み出してみようと思える作品なので、ぜひ体感してほしいと思います。2回3回と楽しめる構成って面白いなと思います」と、ポイントを挙げつつ、「『HERO』というタイトルではありますが、みなさんが想像するヒーロー像とは違ったヒーローが見つけられる映画です。観終わった後は、きっと自分も誰かのヒーローになれるのではないかという勇気をもらえる映画になっているのではないかと思います。自分のヒーロー像を探してみてください。笑いあり、涙ありで、最後にはほっこり温かい気持ちになれる映画になっているので、肩の力を抜いて、ぜひ劇場で観てください」と、メッセージを寄せた。
映画『HERO~2020~』は19日よりシネリーブル池袋ほかにて全国順次公開予定!
■STORY
2年間限定の約束で始まった広樹(廣瀬智紀)と浅美(北原里英)の恋。広樹には、こんな約束を言い出さなければならない“秘密”の理由があった。一方、浅美は、2年という日々を一緒に過ごす中で、きっと彼の決意が変わるはず、と信じていた。
そして2年後、運命の時が明日に迫った日。広樹は、仕事中に怪我をして入院してしまう。見舞いに訪れた浅美は、広樹の怪我が軽いと知ってほっとする。だが同時に、広樹の別れの意思が固いことを感じ、落ち込んでしまうのだった。
そんな浅美の様子を不審に思った広樹の妹・真菜(前島亜美)は、浅美からこの奇妙な約束のことを聞き出して驚く。ふたりの幸せを願っていた彼女は、兄・広樹の決意の裏には、何か“秘密”の理由があるはずだと信じ、浅美にも内緒で、ある行動に出る。どんな悩みでも受け付けるという触れ込みのレンタル人材派遣会社を見つけ、「明日中に兄の“秘密”を突き止めて、ふたりが別れないで済むようにして欲しい」と相談したのだ。話を聞き終わった社長・松島(小松準弥)は、自信たっぷりに宣言する。「パターン31だな」。その作戦に戸惑い、いぶかしく思いながらも、あまりにも自信満々な彼に圧倒され、依頼してしまう真菜だった。
そしてついに運命の日。だがこの作戦は、入院患者から“死神”まで巻き込んで、とんでもない大騒動になっていく。勘違い、思い込み、おまけに悪ノリも加わって、それぞれの思惑が絡み合い、どこに向かうか予測不能!
果たして、広樹の“秘密”とは? 彼の決意は変わるのか? そして、広樹と浅美の《2年間限定の恋》の行方は?
■キャスト
廣瀬智紀、北原里英、小松準弥、前島亜美、小早川俊輔、小築舞衣、中村涼子、米千晴(TAIYO MAGIC FILM)、小槙まこ、加藤玲大、後藤拓斗、双松桃子、飛鳥凛、伊藤裕一、根本正勝、今立進(エレキコミック)、松尾諭、斎藤工(友情出演)
※記事内写真は(c) 「HERO」~2020~製作委員会
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