俳優・山﨑賢人(25)が2021年公開予定の実写映画『夏への扉』(監督:三木孝浩/配給:東宝=アニプレックス)を主演することが29日、発表。合わせて場面写真も公開された。
SF作家ロバート・A・ハインライン氏が1956年にアメリカで発表した作品が原作。舞台を日本に再構築し、1995年から2025年へ時間を超え、人生のすべてを奪われたロボット科学者が未来を取り戻す冒険物語となる。
山﨑が演じるのは、孤独な科学者・高倉宗一郎(たかくらそういちろう)。亡き父の親友松下の遺志を継いだプラズマ蓄電池を研究し、愛猫のピートと、松下の娘・璃子との穏やかな日常とともに研究に邁進していた宗一郎だが、信頼していた共同経営者と婚約者の裏切りに遭い、自身の会社も発明途中のロボットや蓄電池も奪われてしまう。しかも、人体を冷凍し未来に行ける装置・コールドスリープに入れられ、目が覚めた時そこは、2025年の東京だった――。ピートや璃子の死を知り、すべてを失ったと知る宗一郎は、変えられた運命を取り戻すため、30年の時を超えてリベンジを誓う。
山﨑は、本作の主演へ「もともとSF好きな僕が、SF小説の原点ともいえるような名作をもとにした作品に出演させて頂けたこと、そして三木監督と一緒にこの作品を作ることができたことをとてもうれしく思います」と、喜びとともに、「『夏への扉』はSFという非現実的な世界観の中で、宗一郎や周りの登場人物が見せるあきらめの悪さを描いた人間臭い物語です」と、概要を。
今年初旬に撮影が行われたが、「1995年を舞台にしたレトロでチャーミングなセットや、SF 要素全開のセット、90年代の衣装に近未来的な衣装……毎日ワクワクしながら現場を過ごしました。まだ映画を見れていないのですが、各部署がこだわりぬいて作った世界がどのように映画として形になっているのか、僕も今から楽しみです」と、仕上がりに期待を寄せつつ、「原作とは違った映画ならではの設定も加わり、とても素敵な映画になっていると思います。愛おしくて、ワクワクするような、そんな映画をお届けできる日を楽しみにしています」と、メッセージを寄せている。
■三木孝浩監督コメント
古典中の古典である名作 SF 小説『夏への扉』を今の日本で映画化???
最初、小川プロデューサーからこの企画の話をいただいた時、そのチャレンジのあまりの無謀さに不安を感じる一方、それ以上にワクワクしてしまっている自分がいました。
思い返せば、幼き頃に観て心躍らせた80年代ハリウッドSF映画は、まさにこの原作のような、荒唐無稽だけどどこかファニーでドキドキするアトラクションのような作品ばかりでした。
そんな原作を日本で実写化するチャレンジャーとして任命された事を本当に光栄に思います。
同じくこの企画に賛同し集まってくれたステキなキャストのみなさんとともに、やるからにはあの頃の自分と同じように心躍らせながら老若男女みんなで楽しめるエンタテイメント作品に仕上げたいと思います!
■小川真司プロデューサーコメント
オールタイムベストのアンケートをとれば常に上位、SFファンの間で名作の誉れ高い「夏への扉」。1979年の初読以来、映画化はずっとずっと個人的な夢でした。原作者は「機動戦士ガンダム」の設定に影響を与えハリウッドでも映画化された「宇宙の戦士」(映画タイトル『スターシップ・トゥルーパーズ』)で有名なSFの巨匠作家ロバート・A・ハインライン。タイムトラベルものは映画『バック・トゥー・ザ・フューチャー』も含めて数々あれど、時間旅行ものというジャンルを確立させた本作は後の作品に大きな影響を与えた古典中の古典と言えるでしょう。
だからこそ映画化という高いハードルを乗り越えるためには強力な監督脚本コンビが必要で、『陽だまりの彼女』でいっしょに組んだ三木孝浩監督と菅野友恵さんしかいない!と2人に依頼、再びタッグを組んでいただきました。そしてピュアさ誠実さの表現に関しては当代随一の山﨑賢人さんを主演に迎えることができました。重要な登場猫のピートと山﨑さんの共演も大きな見所の一つです。どん底からの逆転とタイムトラベルをミックスしたストーリーの面白さをあますところなく入れこんだ本作、未来が不明瞭な今だからこそ、みなさんに早くお届けしたいと思っています。
※記事内画像は(c)2021「夏への扉」製作委員会