俳優・伊藤健太郎(23)が11月6日より全国公開予定の映画『十二単衣を着た悪魔』(監督:黒木瞳/配給:キノフィルムズ)を主演することが伊藤の誕生日となる30日、発表となった。
本作は脚本家で小説家としても知られる内館牧子氏が『源氏物語』を題材に、奔放で強い女性によって成長していく青年の姿を描いた長編小説『十二単衣を着た悪魔 源氏物語異聞』を元に実写化した作品。就職試験59 連敗中で何でもできる弟に対して劣等感を持つ実家暮らしのフリーター・伊藤雷が、『源氏物語』の世界にトリップ。悪名高いキャラといわれた弘徽殿女御に仕え、翻弄されながらも、未来を当てる比類なき陰陽師として周りから認められることで成長していくという物語となる。
伊藤にとっては本作が初の時代劇映画。作品へ「この映画は取柄もない、自分に自信がない現代の男の子がそれまで行ったことのない世界で成長していく物語です」と、説明し、「人が成長する部分にフォーカスした話が個人的に好きで、変わっていく様を演じるのもすごく好き。だから今回このお話をいただいたときはとても嬉しかったですし、監督も黒木瞳さんということでどんな面白い作品になるのだろうとワクワクしながら、自分なりに成長感をどう出そうかと考えながら撮影に臨みました」と、感じたことなどを。
さらに、発表が誕生日と重なったことへ、「このような情報解禁の発表タイミングが自身の誕生日と重なるのが初めてなので嬉しいです。ぜひ劇場でご覧ください」と、こちらも喜びのメッセージを寄せている。
弘徽殿女御役を演じるのは三吉彩花。桐壺帝の正室。奔放な物言いで恐れられても「カワイイ女にはバカでもなれる。怖い女になるには能力がいる」と言ってはばからない。息子を帝にすべく雷を陰陽師として重用するという野心に溢れた女性だが、「本作に出演が決まった時は嬉しかったです。それと同時に緊張感もありましたが、黒木監督にぶつかっていきたい気持ちが強かったです」と、挑戦心を持って演じたそう。
撮影へ三吉は「この作品はインプットとアウトプットを物凄いスピード感で行い、今まで自分自身でも知らなかったスイッチを押していただきました。何より監督を信じて毎日撮影現場に行けたことが嬉しかったです。女性が強く自分の信念を持って生きる、優しさの中にも逞しさがある作品だと思います。ぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです」と、コメントした。
メガホンをとる黒木監督は、作品の流れを「自分の居場所を見つけられず、人と比べられて自信をなくす人は多いかと思います。この物語は、そんなネガティブ男子が、源氏物語の中でキラキラと生きている人たちと出会って、自分の存在価値を見つめ直していくという“希望のお話”です」と、話す。
伊藤について黒木監督は「ネガティブな大学生を演じるのは、伊藤健太郎さんです。撮影は、ほぼ順番通りに行いました。すると、健太郎さんの顔が日に日に変わっていくのです。ダメンズだった(もちろんお芝居ですが)彼が、ラストシーンでは見事なまでの清々しい顔へと変化していきました」と、その演技に目をみはるような気持ちだったといい、「彼の演技の賜物ですが、さらに彼を突き動かしたのは、『十二単衣を着た悪魔』が持つ小説の魅力だと、私は再確認した次第です」と、作品の魅力を語った。
原作者の内館氏から、「幻冬舎から『十二単衣を着た悪魔』が出て、すぐのことです。黒木瞳さんが、監督としてぜひ撮りたいとおっしゃったのです。本当にすぐのことでした。原作の『源氏物語』ではヒステリックで悪役の弘徽殿女御に、いち早く魅力を感じて下さった。黒木監督しかないと思いました。劣等感のかたまりのような伊藤雷を伊藤健太郎さんが、弘徽殿女御を三吉彩花さんが演じ、一癖も二癖もある脇を、一癖も二癖もある実力派が固めて下さる本作です。千年後の今、自信を持って弘徽殿女御に捧げます」と、語っている。
なお、伊藤、三吉のほかにも雷と絵巻物の世界で出会い妻となる倫子役に伊藤沙莉。右大臣であり弘徽殿女御の父をラサール石井、雷の母・伊藤明子役を戸田菜穂、弘徽殿女御の夫・桐壺帝役を伊勢谷友介、弘徽殿女御に仕える家臣を山村紅葉と笹野高史。弘徽殿女御の息子を田中偉登、雷の弟・水役を細田佳央太、光源氏役に沖門和玖が出演。脚本は、映画『ちょっと今から仕事辞めてくる』などを手掛けた多和田久美氏が担当する。
映画『十二単衣を着た悪魔』は11月6日より新宿ピカデリーほか全国公開予定!
■スタッフほか
監督:黒木瞳
脚本:多和田久美
音楽:山下康介
雅楽監修:東儀秀樹
撮影時期:2019年2月2日~3月7日
撮影場所:東映&ロケ
制作・配給:キノフィルムズ
公式サイト:juni-hitoe.jp
公式 Twitter:12hitoe_movie
公式インスタグラム:12hitoe_movie
※記事内画像は(C)2019「十二単衣を着た悪魔」フィルムパートナー