俳優・森山未來(35)、女優・黒木華(30)が7月12日午後7時30分からライブ配信する舞台『プレイタイム』(構成・演出:梅田哲也/演出・美術:杉原邦生)。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、約4ヶ月休館していたBunkamuraシアターコクーンを12日より再始動。これに当たりシアターコクーン初となるライブ配信を実施することとなった。作品では日本の現代演劇の父・岸田國士氏の『恋愛恐怖病』を軸に、眠っていた劇場に次第にスタッフが集まり仕事を始める。すると、空っぽの劇場に俳優の声が響き渡り、岸田國士の作品世界が立ち上がっていくこととなり……。とある男女が、他愛ない会話を重ねスリリングに関係を変えていくさまを描きつつ、映像と演劇の境界を泳ぎながら「演劇とは何か?」に迫る。
森山は本作へ、「普段シアターコクーンさんと仕事をさせていただく時は、脚本があっていろいろ決まっていることの中に入っていくのが基本。でも今回は、立ち上げから関わらせていただいて、何を作るかみんなで話し合うというところから作ってきました」と、スタッフのようにかかわっていたという。その内容へは「フレミングがはっきりして作るものは硬質なイメージだけど、今回は生まれたての何かしらの柔らかさがあるような、そういったものを扱っている感触があります」と、実感を
さらに、「この作品は、配信と謳っていますが、当日は観客もいて僕としては不思議な感覚になると思います。いわゆる演劇を映像用に収録する作品ではないので、映像として楽しめる作品になっていると思います。その中で、華ちゃんと作り上げている言葉の世界、演劇の世界をどう体感してもらえることになるのか。まだ作り途中ですが(!)、生で見る、体感することが演劇体験なのならば、それって何だろうと一緒に考える時間になって欲しいなと」と、期待を込めつつ、「観劇に食指が動かない人や、演劇というものに抵抗がある人、いろんな角度の人からこの作品を見てもらってどう感じるのかを僕は知りたいです」と、メッセージを寄せる。
一方の黒木は、「本番への手ごたえはまだわからないのですが、初めてご一緒する梅田さん、杉原さんと、これまで立たせてもらっていたシアターコクーンで、劇場のあらゆるものを使って一つの新しいかたちの作品が出来上がっていく、動き出していくのを体感できることがすごく楽しく、自分の中になかった新しい発見もあることがとても面白いです」と、新鮮味を感じているという。
森山は初共演となるが、「未來さんにどういうふうに見られているのかちょっと怖いです(笑)」といいつつ、「未來さんが面白がってくれることをやりたいけど、自分も楽しんでいなければいけないし、観ている方をハっとさせたいし、そういう方が面白いと思うんです。劇場に来たくても来られない方たち、舞台が好きな方たちにはもちろんそうですが、お芝居を観たことのない方が映像で観て、生でいつか観てみたいなとも思ってもらいたいです。パソコンや携帯、テレビなどの平面の中でもそこに座っているかのように劇場の空間を感じてもらえるように、頑張りたいです」と、意気込んでいる。
舞台『プレイタイム』は12日午後7時30分よりライブ配信でライブ配信終了後、アーカイブ配信として2020年7月19日午後11時59分まで視聴できる。
■スタッフ・キャスト
○原作:岸田國士「恋愛恐怖病」ほか
○構成・演出:梅田哲也
○演出・美術:杉原邦生
○出演:森山未來、黒木華、北尾亘
○演奏:角銅真実、秋生智之、ハラナツコ、竹内理恵、巌裕美子、千葉広樹、古川麦
○撮影:渡邉寿岳
○衣裳:藤谷香子
○音楽:角銅真実
○舞台監督:南部丈
○照明:田中基充
○音響:武田安記
○ヘアメイク:山口恵理子
○劇場機構操作:渋谷ステージセンター
※記事内写真は撮影:大久保惠造