女優・石橋静河(22)、俳優・池松壮亮(26)が13日、東京・新宿ピカデリーで『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』(監督:石井裕也/配給:東京テアトル、リトルモア)初日舞台あいさつを石井監督(33)とともに開いた。
2016年に出版された、最果(さいはて)タヒ氏の同名詩集が原作。看護師として病院に勤務する傍ら、夜はガールズバーで働き、言葉にできない不安や孤独を抱えながらも、誰かに甘えることもせず日々をやり過ごす美香(石橋)と、工事現場で日雇いの仕事をしながら死の気配を常に感じ、どこかに希望を見出そうとひたむきに生きる青年、慎二(池松)が生きづらさを抱えながら東京で出会い、恋に落ちるという物語。
俳優・石橋凌(60)と女優・原田美枝子(58)夫妻の娘で初主演で本作がデビュー作となった石橋は、「ずっと心の中にあるというか、忘れたくても忘れられない感覚……。始まりだなと思いますね」と、しみじみ。
さらに、石橋は「台本を読むところから挑戦だったというか、これはどういうことかというのが分からなかったんです。でも、自分が見たことがないような景色があるというのを感じていました」と、率直な感想を。
一方の池松は台本を手にしたときに、「これは傑作になるなって思いました。本当に素晴らしくて、初稿の状態でももうペンを止めていいんじゃないかというくらいの気がしました」というくらい出来が良かったそうで、「後付になりますけど、詩集の言葉云々より書いた人の物語があるというか、いまが映っていてすごく面白かったですね」と、感じ入るものもあったようだった。
石井監督へは石橋は現場でどうだったのかと質問が挙がったが、「実力という意味でいえば池松壮亮という天才の足元にも及ばないですけど、新人ということは貴重ですごく魅力で、新人であるがゆえの奇跡というのは起こしてくれたと思いますね」と、評価していた。
池松から「人と人がつながることとか、そいういうものをこの映画を通じて1つずつ答えを見つけることができたのではないかなと思っています。どのメディアでもできない人間賛歌になったと信じております」と、PRし石橋は「この映画で苦しかったし、たくさんいろんな人に迷惑をかけたし、でも、この映画に救われたので、いろんな人に届くといいなと思っています」と、思いを口にした。
『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』は13日より新宿ピカデリー、ユーロスペースにて先行公開、27日より全国公開!