大倉忠義「窮鼠はチーズの夢を見る」は「役名が男性・男性なだけですごくピュアなラブストーリー」！成田凌打ち上げで大倉にキスしたのは「ピリオドキスです（笑）」

　アイドルグループ『関ジャニ∞』大倉忠義（35）、俳優・成田凌（26）が26日、東京・新橋のスペースFS汐留で映画『窮鼠はチーズの夢を見る』（監督：行定勲／配給：ファントム・フィルム）夏休み限定イベントを行定監督（52）とともに開いた。

　水城せとな氏の人気コミック『窮鼠はチーズの夢を見る』、『俎上の鯉は二度跳ねる』が原作。自分を好きになってくれる女性と受け身の恋愛を繰り返していた大伴恭一（大倉）がある日、大学の後輩・今ヶ瀬渉（成田）と7年ぶりに再会。渉から「昔からずっと好きだった」と突然想いを告げられ、ただひたすらにまっすぐな今ヶ瀬に、恭一も少しずつ心を開いていくのだが、そこの恭一の昔の恋人・夏生が現れ、2人の関係が変わっていくこととなり……。

　映画完成後初の主要キャストが登場するイベント。「もともと6月に公開予定だったのがどうなるのかなと思っていたのが、こんなにも早くというので、自分の予想よりも早くて嬉しく思っています。こんな状況なので、まばらな人数の感じで注目してもらえているのかなと心配になりますが……」と、会場に集まったメディア関係者を見回す。

　すると、成田も「入ってくるとき拍手もパチ……パチという感じだしね」と2人でうなずきあう一幕もありつつ、大倉が「いい感じに書いてもらえれば」と、呼びかけると、スタッフたちから大きな拍手があがり、3人も笑顔が浮かんだ。

　行定監督が「女好きの恭一が、男と向き合うというまさかの選択になるという感じで」というと大倉も「女好きですね（笑）」と相づちを打ち行定監督が「男性は観たらニヤニヤすると思います」というと、これに大倉はそうだとばかり笑ってうなずく。

　男性同士の恋愛ということで台本を読んだときのことへ、大倉は「ああこういうテーマなんだというくらいで、特別になにか思うこともなくて。別の作品でも、新しい台本を頂いたときに、ああこういうテーマなんだって思うような感じでした。周りにもそういうセクシャリティー的な人もいるし、そこまで不思議に思うところでもなかったです」と、ほかの作品と同じように接していたのだとか。

　成田も「僕もスッと入ってきました。男同士ですけど、真っ直ぐな作品だなと。純度が高ければ高いほど、矛盾が生じることがあってそれが感じられたのと、どうなっていくのかワクワクしていました」と、話していた。

　役作りへは、大倉は自然体で臨んだものの恭一が“流され侍”だと言われている部分は頭をよぎることはあったよう。それでも、「リアクションをしてけば自然と流されるんだなと。監督のリアクションとか会話のなかで、どういった恭一像なのかを感じられるようにフラットでいようとしていましたね」という。

　司会から、今ヶ瀬が可愛く思えたりはしなかったかとの問いかけも大倉へ飛んだが「恭一的な気持ちで言うとカワイイと思わないようにしようとしているという自分が認めたくない自分がいて、この時間は永遠に続かないないう感じでしょうか。観ている人は、カワイイというのはあると思うんですけど、恭一の心情としては違うんです。それで、自分で観てみると今ヶ瀬がこんなにウルウルしてたのかと感じましたね」と、主観と客観の違いを。ちなみに、今ヶ瀬のウルウルについて成田は「本番前に『潤え～！』と思っていました。大倉くん格好いいですから」と、演じる直前の心情も語っていた。

　続けて、劇中の今ヶ瀬の恭一への耳かきシーンへ、大倉は「自由演技でしたね（笑）。いや気持ち良かったですよ。（成田が）怖がって優しくやってくれるんです」というと成田は「怖いんですよ。耳かきをしてあげたことなかったので。『うわっ、くすぐったい！』と言われたのがあります。1番疲れましたよ」と、とにかく気を使ったそうで、大倉は「なかなかないですよねラブストーリーで耳かきのシーンって」と、しみじみ。

　そんな撮影で成田は役に入り込んでいたのか、打ち上げの際に大倉にキスしたというエピソードが飛び出すことも。大倉は「生のラジオで言っちゃった話ではあるんですけど、帰りにサヨナラのキスをされたという話なんです。それだけの話なんですけど」というと、成田はそのときの状況として、「僕がお酒の席を『お先に失礼します』と、言って出るときに、当たり前にしてしまって」。

　この話題に大倉は苦笑いする成田を見ながら「あれで作品が終わったんだなと思いましたね」と、ニヤリと笑い成田は「ピリオドキスです（笑）」と、はにかむ。しかし、行定監督は「結構激しかったからね」と、証言し“追撃”して笑いを誘っていた。

　そして大倉から「役名が男性・男性なだけですごくピュアなラブストーリーだし、印象的なセリフも多くて、シーン的にも綺麗なシーンだなと思うところがいっぱいあります。いまの時代だからこそ多様性という言葉が出てきますけど、いまのコロナのなかでいろんなものを見つめ直す、1つの答えでもないですけど選択肢として、ちょうどまた映画館で公開されるということは喜ばしいなと。この仕事をやっていて嫌なこともいっぱいありますけど、嬉しいし幸せなことですね」と、思いを伝えていた。

　映画『窮鼠はチーズの夢を見る』は9月11日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー予定！

　（c）水城せとな・小学館／映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会