俳優・濱田岳(32)、女優・水川あさみ(37)、子役・新津ちせ(10)が3日、東京・スペースFS汐留で映画『喜劇 愛妻物語』(脚本・監督:足立紳/配給:キュー・テック、バンダイナムコアーツ)大ヒット祈願!公開直前イベントに登壇した。
映画『百円の恋』で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した足立紳監督が、自身の夫婦生活を赤裸々に綴った自伝的小説を自ら監督・脚本を務めて映画化。いつまで経っても売れる見込みがない、年収50万円の脚本家の豪太(濱田)と、そんな情けない夫に絶望している酒好きの妻チカ(水川)。結婚10年目にして倦怠期の真っ只中にいるセックスレス夫婦の痛快な愛憎劇となっている。
実は本作の夫婦の自宅のシーンはなんと、足立監督の自宅を使ってのものだったとか。その際に、足立監督の妻も様子を見ていたそうだが、足立監督によると「『あの人いま監督ぶってますけど普段は最悪ですからね』みたいなことを吹聴して回っててやりづらくて。本当にお前この作品めちゃくちゃにする気か!?と、思いましたけどね」と、不満をぶちまける。
しかし、水川は足立監督の奥さんへ「台本のなかの割とモデルになったまんまの面白さだったりとかはあるなと思いました。ただ、みんなで撮影をしていて、ちょっと(足立監督と奥さんが)ケンカをしているというのありましたけど、作品のようなところは垣間見れませんでしたね。すごく気の利く方で、暑くないですかとか聞いてくれたりして」と、正反対のことを言い出す。
これに足立監督は「外面はいいんです」というと濱田が「奥様に感じよくしてもらってもこれは偽りの姿なんじゃないかというのがスタッフの間で浸透していたんですが、いまこうやって話を聞いていると、2人でネガティブキャンペーンをしているんだなということを、いま知りました」と、どっちもどっちという感じだそう。
すると足立監督は「小説にしたときに(奥さんへの)復讐だと思って書いたんです。世の中にこんなひどい女がいるんだと知らしめてやろうという思ったんです。その彼女の20年の罵詈雑言がこうして作品になったので、そういう言葉をかけてくれてありがとうという気持ちもあるというか……」と、本音をさらけだし、これには3人も大爆笑。
一方、劇中に描かれるような夫婦をどう思うのかを新津へ振ると、「この2人はいつもはすごく暴言をやりあっているんですけど、困ったときにはチカさんが助けてあげたりとか、なんとかこう夫婦が成り立っているみたいな。だから、2人とも信頼しているし、信頼していないと暴言とか吐けないから、信頼しているという意味では、ある意味理想的な夫婦なのかなって。チカには豪太でよかったし、豪太にはチカがいて良かったと思います」と、大人顔負けのコメントが飛び出し、会場内から拍手が起こっていた。
さらに、新津は「夫婦とか親子って、戸籍だからとかじゃなくて、信頼が積み重なって初めて夫婦とか家族っていうのかなと思います。家族の概念が変わると思いますのでたくさんの人に見てほしいです」と、アピールすると、水川は「夫婦の面白さって、他人と他人が寄り添って、そして家族になっていくというすごくヘンテコなものだなって思っているんです。でも、それが面白くて素敵なんだということが、この映画を観て頂いた方に伝わればいいなと思いました。面白がって笑ってもらえたら」と、メッセージを寄せていた。
そして濱田は「まだ監督はこれ以上のネタを持っているというので、2作、3作続けられたらと思っています。『喜劇 愛妻物語』が今年も帰ってきたというので『またあの夫婦戻ってきたのか!』というような映画になったらいいなと思います」と、希望を話すこともあった。
映画『喜劇 愛妻物語』は11日より公開予定!