宮沢氷魚 舞台「ボクの穴、彼の穴。 The Enemy」へ「当たり前だからこそ忘れてしまうことに面と向かった作品」!大鶴佐助と“シャワー”シーンに「パルコの中では上裸俳優(笑)」

宮沢氷魚 舞台「ボクの穴、彼の穴。 The Enemy」へ「当たり前だからこそ忘れてしまうことに面と向かった作品」!大鶴佐助と“シャワー”シーンに「パルコの中では上裸俳優(笑)」1

 俳優・宮沢氷魚(26)、大鶴佐助(26)が17日、東京・池袋の東京芸術劇場 プレイハウスでPARCO Production『ボクの穴、彼の穴。 The Enemy』(演出:ノゾエ征爾)公開ゲネプロを開いた。

 松尾スズキが初めて翻訳を手掛けて話題となった絵本をもとに、ノゾエ征爾が翻案、脚本、演出を手掛け、2016年、旧PARCO劇場の『クライマックス・ステージ』を飾った作品の再演となる。

 本作は二人芝居となっており、戦場でそれぞれの塹壕(ざんごう)に取り残され、見えない敵への恐怖と疑心暗鬼にさいなまれ、精神的、肉体的に極限へ追い詰められていく兵士を描く。朝にお互いの塹壕に向けて放たれる銃弾……殺すか、殺されるかで追い詰められるなか、それぞれの頭の中で相手が大きなモンスターへと膨らんでいく兵士のとった選択の結末は……。

 終演後には取材会も開催。宮沢はこの後の初日へ、「僕自身すごく楽しみで、ちゃんと幕が開くか不安もありましたけど、こうして無事初日を向けられることが嬉しく思います」と、感無量といったようで、大鶴は「氷魚ちゃんと話していたんですけど、(ゲネプロで)人がいるって違うなと思います。感慨深いものがありますけど、きょうの夜初日で、こっからだったって(笑)」と、マイペースに引き締め直す様子も。

 けいこを通して感じたことへ、宮沢は新型コロナウイルスの影響での自粛期間でより1人ということが多くなった世の中ということを踏まえつつ、「人の人生にかかわっていくということがおろそかになるという可能性が高い最近だと思うんですよね。そんななか、この作品は個と個ではじまりますけど、相手の存在を、生きていることを確かめて安心するというか。当たり前だからこそ忘れてしまうことに面と向かった作品に僕たちが出演できていることは光栄ですし、考える切っ掛けになったと思います」と、いま本作を上演することへの意義を話す。

 一方、大鶴は「戦争を知らない僕たちが演じて、今共有できるのは目に見えないモンスターというので、実体を持っていないと、生半可なこのとではお客さんは実感してもらえないだろうなと思います」ということで、打ち合わせに打ち合わせを重ねて演技を磨いた様子も伺わせた。

 本作で3度目の共演という宮沢と大鶴だが、大鶴と宮沢がこれだけがっつり演技しあうのはなかなかないのだとか。それだけに、今回大鶴は宮沢のある一面を見たそうで「氷魚ちゃんがこんなに打たれ強いと思いませんでした。何度叩かれても立ち上がってという姿を見て、グロッキーなところから大丈夫かなと思ったらちゃんと生き返ってきて、僕はすごいなと思っています。役者同士としても、今までと違って、頼りがいがあるなと思ってやりました」と、宮沢の何度でも立ち上がる姿により信頼感を深めたのだとか。

 その話を苦笑いしながら聞いていた宮沢はといえば、本作のけいこは「身体的にも精神的にも、追い詰められたのが初めてで。2人芝居だからセリフの量はすごいだろうなと思っていたら、その通りで。そんなしんどいなかでしたけど、親友の佐助と、優しく支えたくれたノゾエさんとの出会いがあって。朝起きてきょうもけいこだと思うんですけど、向かうと楽しみな自分がいました。大変だなと思う気持ち、好きなんだなとがあったと思います」と、心情を語ることもあった。

 ちなみに、宮沢は大鶴へ、「佐助の目を見て芝居をしたことがなかったので、クライマックスで表情とか心情とかを佐助の目から感じるものがあって。僕は目を重視するので、佐助の目は色んな表情が楽しいなと思って」と、話していた。

 ほかにも、劇中で雨のシーンがあり、実際に水が降ってくるなか、2人が上半身裸になりシャワーを浴びるシーンもある。記者から宮沢へ「舞台上で半裸になるのは初体験?」との声がかかったが、宮沢は「パルコの作品は全部脱いでます(笑)。パルコの中では上裸(じょうら)俳優です(笑)。その記録は更新中ですね」と、ちょっと恥ずかしげ。なお、大鶴はお尻まで見えるくらいの脱ぎっぷりだったことからこれ以上の露出はあるかとの問いかけに「僕はこれ以上は」と、笑って否定していた。

 PARCO Production『ボクの穴、彼の穴。 The Enemy』は17日から23日まで東京芸術劇場 プレイハウスにて上演!

 ※舞台写真は「撮影:阿部章仁(Akihito Abe)」

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