俳優・ウエンツ瑛士(31)、佐野史郎(62)、チャド・マレーン(37)、女優・余貴美子(61)が2日、東京・ポレポレ東中野で映画『禅と骨』(監督・構成:中村高寛/配給:トランスフォーマー)初日舞台あいさつを、中村監督とともに開いた。
1918年に横浜でアメリカ人の父と芸者の母の間に生まれた実在の日系アメリカ人のヘンリ・ミトワ氏を描いた作品。京都嵐山・天龍寺の禅僧で多彩な文化人や財界人に囲まれるなど悠々自適の晩年なはずが、80歳を目前に「“赤い靴”をモチーフにした映画を作りたい!」という夢を追い出すという破天荒な姿をヒット作『ヨコハマメリー』の中村監督がドキュメンタリー、ドラマ、アニメとさまざまな手法を詰め込んで表現していく。ウエンツはドラマパートでミトワ氏の青年期を演じ、中村監督からは「ほぼドラマに出てくださった方は僕のイメージキャスト通りです」と、自信を見せている。
上映後の舞台あいさつとなりウエンツは「みなさんのお顔を見たら衝撃的だったなみたいなのがすごく分かります」と、笑いながら客席を見回しつつ、「こういう方がいて、こういう濃い人生を歩んでいて、それをスクリーンにすべて映し出してくれた。それを撮れちゃう監督がここにいらっしゃるんで、そういう方とお仕事できたことを本当に光栄に思っています」と、心情を。
撮影中のエピソードへ、チャドは「ウエンツさんがこんなに英語できへんとは知りませんでした」と言い出しウエンツは苦笑いだったが、チャドが続けて「ずっと必死やって、真面目な人だったんですよ」と、努力していたとフォローし、観客たちも拍手で称える。
ウエンツは中村監督の熱量の高さに注目していたようで、「つねに天候が悪かったりハプニングの連続だったんです。けど、監督にいろいろ言われながらも、たまに監督がヘンリさんに見えてくるんです。その魂が監督に乗り移っていろいろ言われているなという瞬間が多くて」というほど、情熱を感じたそう。
すると中村監督は「もうウエンツさんしかいないと思っていたので、お会いしたときに心のなかで“やっと会えたね”と思っていたくらいで。ほぼストーカーみたいな感じで(苦笑)。資料とかも見てもらったりはしましたけど、ウエンツさんがそのまま考えて演じてくれたらそれでOKだと思ってました」と、気持ちを語り、これにはウエンツもニッコリだった。
映画『禅と骨』は2日よりロードショー中!