俳優・伊藤健太郎が21日、都内ホテルで舞台『両国花錦闘士』（作・演出：青木豪）製作発表会見を俳優・大鶴佐助、女優・大原櫻子、紺野美沙子、りょう、演出の青木氏とともに開き、司会は中井美穂が務めた。
本作は、漫画『ファンシイダンス』、『陰陽師』の作者でも知られる漫画家・岡野玲子氏が相撲を手掛けた作品。1989年から90年にかけ『ビッグコミック スピリッツ』（小学館）に連載され、汗と根性は少なめ、どこまでも見目麗しく、ロマンスに彩られた力士たち。女人禁制の国技ともいわれるスポーツを乙女の視点でポップに一刀両断した果てには、力士や相撲道の神髄が精確に描かれる異色のもの。舞台化は昨年末に発表されており、明治座、東宝、ヴィレッヂというそれぞれ歴史もカラーも異なる3社が同じ年齢の男性プロデューサー3人が立ち上げた“三銃士企画”第1弾という側面でも注目が集まっている作品だ。
まずは、青木氏から本作が、作品を作る前に相撲を観に行き宝塚の大階段のように見えてきたという話とともに、「力士が歌って踊るので」と、歌あり、ダンスあり、笑いあり、もちろん相撲ありの作品となることをアピール。さらに、原作はバブル期だったが、本作では、「コロナが来なかった2020年で、90年代をフューチャリングして、音楽とかファッションとかを進めようと。ちょっとパラレルワールド的な感じで進めようと思います」と、時代背景なども語った。
会見へ伊藤は、白めのシャツにグレーのジャケット、同じ色のパンツを合わせ下もグレーで合わせた姿で登場。「最初、僕がこのお話を頂き、お相撲さんと聞いたときに自分で大丈夫かなと思ったんですけど、台本を読んだときに、なるほどなーと思いまして。ダンスや歌も、僕にとってはチャレンジになると思っています。この時期に舞台ができることへ、喜びを分かち合いながらけいこをしっかりとしていきたいと思います」と、スピーチ。
中井からは、全裸の伊藤がまわしを肩にかけているというインパクトの強いポスタービジュアルが駅などにも張っていることへの感想を求めることに。これに伊藤は「ぜひやめて頂きたい」と、照れ笑い。良くも悪くも反響はあるようで伊藤は「友人から連絡が来て『あのビジュアルはすごいね……』と、言われて。撮影のときはほぼ全裸なんですけど、そんな格好なのにモデルのような表情をしてくださいと言われて（笑）。情緒がグチャグチャな感じでポスター撮りをさせて頂きました」と、なかなかに難儀な感じだったようだ。
一方、伊藤のライバル力士を演じる大鶴は、「本番も含めて、より伊藤くんに反発しながら磁場を作りたいと思います。力士役の多くの四股を踏んで、邪気を払えたら」と、意気込みつつ、自身の力士姿の撮影へは「撮られていくうちに快感に変わっていく感じで」と、こちらも伊藤と対極的なコメントを寄せていた。
作品の音楽の話題へ。伊藤は「舞台で歌うのも踊るのも初めてですし、歌に対して苦手意識が強いものがあったので、大丈夫かな……と、いまでも思っています」と、不安があるという。それでも「音楽自体はすごく格好よくて、曲はロックが多いんです。僕もロックは大好きで、自分の好きな曲を歌えるのは楽しいです。それに、歌げいこで、みんなで歌えて楽しくやらせて頂いてますね」と、苦手意識が出るということはないよう。
大鶴に至っても「僕が歌う歌じゃないのですが、みなさんの歌げいこを聴いて帰ると頭の中を巡って」と、頭に残りやすい曲であることや、紺野は「デーモン閣下が歌うこの作品の主題歌を聴いたときに、30歳は若返りました（笑）。毎日聴いてます！」とのこと。
一方、そんなキャスト陣の音楽へのコメントを聞いて戦々恐々としていたのが、シンガーソングライターでもある大原。「全然わからない……」と漏らすと伊藤は「大原さんがわからないと言った俺どうしたらいいんだ！」と、ツッコミが飛ぶことも。それでも大原は、「このキャストの中でも、頑張らなきゃなと思っています。私が歌わせて頂くなかで、いままでの活動で初めてラップを歌うんです。結構ラップって、歌とも違う部分があったりして、非常に新しい挑戦もあったりして楽しみでもあります。みなさんに負けないように頑張りたいと思います」と、語っていた。
ほかにも、力士を演じるということで、体作りについても質問が。「もう2週間くらいですかね。ジムに通ってやってるので、いまも筋肉痛の毎日です。徐々に筋肉がついてきてますけど、もうちょっとですかね、12月の初日までにはみなさんのまわし姿で立ったときに恥ずかしくない体にと思っています」という。ちなみにまわし姿で人前に出ることは「この仕事をしているとですね、恥ずかしいという感覚がおかしくなってきたのか、まわしで舞台に立つのは全然抵抗はないです」とのことだった。
具体的にどれくらい体重が増えたのかへは、「4キロくらい増えましたね」という伊藤だが、まだまだ増やすつもりらしく、「いま68キロくらいなので、70キロくらいまでには……でも、こんなこところで言うとそうしないといけないんだよな……」と、自分でハードルを上げたことに後悔したのか「結構キツイんですよね……」と、本音を漏らす一幕も。そんななか、対照的に大鶴は涼しい顔をしてい「僕（の体型）は作り物です（笑）」と、暴露し笑いを誘っていた。
そして伊藤から、「この時期に歌だったりダンスだったりちょっと心が温かくなったりする作品です。台本を読ませて頂いて、エンターテインメントのおもちゃ箱と感じました。劇場に来ていただいた方たちに非現実的なものを提供できるように作らないとと思っています。劇場に来る際は、テーマパークに来るような気分で来てもらえればなと思います」と、メッセージを寄せていた。
その後、記念撮影では、土俵入りのようなポーズを全員でするというノリノリなものとなり、伊藤は降壇間際までポーズを取り続けるなど、カンパニーの楽しげな雰囲気を窺わせるものとなった。
舞台『両国花錦闘士（りょうごくおしゃれりきし）』東京公演は12月5日から同23日まで明治座にて、大阪公演は2021年1月5日から同13日まで新歌舞伎座にて、福岡公演は2021年1月17日から同28日まで博多座にて上演！
※関連記事
・伊藤健太郎“裸セクシー”コンセプトの凛と佇むビジュアル公開！舞台「両国花錦闘士」全キャスト発表で大鶴佐助、ジャニーズJr.・原嘉孝、岸本慎太郎、根岸葵海らも出演
※記事内画像は2020『両国花錦闘士』
※記事内写真は「撮影：田中亜紀」
