舞台『北斗の拳 -世紀末ザコ伝説-』(演出:村井雄)公開ゲネプロが6日、東京・後楽園の東京ドームシティ シアターGロッソで開かれ、キャスト陣が異様に熱量の高い怪演を関係者向けに披露した。
1980年代に『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載され大人気となった『北斗の拳』。同作の主人公は北斗神拳伝承者ケンシロウと、兄の拳王・ラオウとの壮絶な死闘などが描かれ人気を博した。本舞台では、そのケンシロウやラオウに、あっけなくやられていった名も無きザコたちが主人公で、乱世の中で葛藤し、苦しみ、それでも明るく生きていこうとする姿を描いた前代未聞のものとなる。
ゲネプロスタート時間になると、どこからともなくザコたちの「ヒャッハー!!」の大声量がそこかしこにこだまし、そこにTVアニメ版のナレーションも務めた千葉繁の圧倒的なナレーションが。すると客席にザコたちがあふれ、一気に世紀末にやってきたような気分に!
『クリスタルキング』ムッシュ吉﨑による『愛をとりもどせ!!』の生歌唱もあいまって雰囲気満点!物語に出てくるザコたちへは、ガンガンに“死亡フラグ”が立ち、「あべし!」「ひでぶ!」をはじめとした名台詞とともに、キャスト陣の気合のみなぎりつつも、どこかコミカルな死に様など、『北斗の拳』ファンならニヤリとさせる展開が連発。笑いあり、シリアスあり、歌ありダンスありとなんでもありな仕上がりとなった。
終演後には、初日を迎えるにあたってキャスト陣が意気込みを。磯貝龍虎は、「まだまだフルスロットルでガチガチに上げていける部分もあるので、もっともっとザコらしさを大事にしてもっと上にいけるように切磋琢磨して頑張っていけるように頑張っていきます!」と、公演中にもさらにクオリティーアップが望めそうな様子で、寿里も「ゲネプロ楽しくできました。細かい修正点はいっぱいありますが、初日までに直して頑張ります!」と、うなずく。
河合龍之介は「観客がいて初めて完成する作品です。日に日に成長していくと思うので、見届けて頂ければ」と、呼びかけた。
花園直道は「7月の制作発表からあっという間に本番を迎えた感じです。きょうはお客さまにやっと観て頂けるというので『ヒャッハー!』していきたいと思います」と、力強く宣言し、林野健志は「『やっとこの時が来た!』というセリフがあるんですけど、『北斗の拳』が舞台の世界に躍りこんで来る日となるので心が躍ります。いままで経験した舞台とはまったく違うというので、初日で伝わるのではないかと思います!“これが北斗の拳だ!”というものが伝わると思います」と、意気込んだ。
アイドルグループ『A応P』で本作にも女ザコとして出演する水希蒼は「『A応P』がオープニングで格好いいダンスをするので、もっともっとパワフルに表現できたら。あとは世紀末を生き抜くパワフルな女性だと思っているので、そのパワフルさを表現していけたら」と、気合をみなぎらせる。
ムッシュ吉﨑は「1983年の漫画から始まり、84年のアニメからかかわらせて頂いて、30数年経ちまして初舞台でものすごく緊張しています。何度も歌っている曲ですが緊張の度合いは並大抵ではない。それと、孫とか息子の世代と一緒にやっていられるというのは本当に感謝しています」と、年月を感じさせるメッセージを寄せる。
トリプルキャストのジャギ役を演じる角田信朗は「連載当時から大ファンだった僕は生まれた息子にケンシロウ、娘にユリアという名前をつけたんですが、この子どもたち2人が僕より先に作者の原哲夫先生と偶然出会ったことから、僕と原哲夫との友情がスタートしまして、その縁でこの舞台にたどりつけました。本当に不思議なご縁を、北斗の七星が結びつけてくれたこのご縁を、心に染み渡る思いでジャギを演じたいと思います」と、感慨にふけっていた。
舞台『北斗の拳 -世紀末ザコ伝説-』は6日から10日まで東京ドームシティ シアターGロッソで上演!
※記事内写真は(c)武論尊・原哲夫/NSP 1983, (c)北斗の拳-世紀末ザコ伝説-製作委員会 2017 版権許諾証 GP-907