アイドルグループ『NEWS』の加藤シゲアキの約3年ぶりとなる新作長編小説『オルタネート』(新潮社)が19日より刊行。この発売に先立ち、加藤本人も登場するプロモーション映像の公開が決定したことが10日、発表となった。
『オルタネート』は加藤が初めて文芸誌に連載した長編小説。第1回が掲載された『小説新潮』2020年1月号には発売前から予約が殺到。ネット書店を中心に売切れ店が続出し、発売4日目となる1月24日には5000部の緊急重版が決定し、1947(昭和22)年9月創刊の同誌では、記録の残るこの60年余で「初の重版」となった。
この刊行にあたり作品の世界を表現したプロモーションムービーを制作。内容はマッチングアプリ・オルタネートを中心におこるさまざまな群像劇を瑞々しくエモーショナルな映像で幅広い読者に通じるストーリーとして展開。小説内に記述された様々なモチーフを登場させることで『オルタネート』読了後にもさまざまな解釈を楽しむことができる仕上がりとなっている。
本ムービーの「生徒」役として、佐藤緋美、渡部蓮、山田愛奈、葉月ひとみ、円井わんらが名を連ねたほか、作品の「筆者」役として加藤本人も出演となった。
加藤は、映像化へ「オルタネートの実在する世界を、どうにか映像で表現することはできませんか。実写化ではなく、この小説世界に寄り添うような物語を。私から新潮社の担当編集者にそう提案させてもらったところが、この企画のスタートでした。小説刊行のために映像作品を制作するのは、読者の想像の幅を狭めてしまう可能性もありますが、今作の場合は、むしろ想像の幅を広げてくれるように感じたのです。ご快諾頂いた新潮社のみなさまには大変感謝しております。器量の広さとチャレンジングな姿勢に、歴史ある出版社の一端を見た気がします」と、感想を。
なお、映像制作は『King Gnu』のアートワーク全てを手掛けるクリエイティブレーベル『PERIMETRON』が担当。劇中の曲は小林うてな、Julia Shortreedとのグループ・Black Boboiや、常田大希による音楽集団・millennium paradeなど、さまざまなフィールドで活躍する音楽家のermhoiが担当。小説内の登場する「イチジクの木」という詩にインスパイアされたオリジナル楽曲となっている。
これらのことへ加藤は、「制作をPERIMETRONにお願いしたのは、私個人が彼らの作品のファンであったこともありますが、現実と非現実の交錯する自分のプランを、必ずや期待を越えた形で作品にしてくれると確信したからです。その予想は最後まで裏切られることはありませんでした。体育館で跳ねるバスケットボールの音。生徒が駆けていく廊下。こぼれ落ちる花びら。重なる手。そしてアプリ、オルタネート。小説から飛び出してきた描写の数々とそこに生きる人間たちに、胸に迫る痛みと柔らかなぬくもりを同時に感じました。自分で生み出した世界のはずなのに、これほど胸を打たれるとは思ってもいませんでした。改めてディレクターのOSRINさん、そして関わってくれたチームのみんなに感謝を申し上げたいと思います。特にOSRINさんの作品に向かう姿勢には、大変刺激を受けました。オルタネートという小説を愛してくれたことも、重ねてお礼申し上げます。深く読み込み、感じ、物語を越えて想像するOSRINさんは、頼もしく、そしてチャーミングでした。深夜に数回行ったオンライン打ち合わせは、僕の大切な思い出のひとつです」と、メッセージを寄せている。
新作長編小説『オルタネート』のPVはPVは新潮社youtubeチャンネル内にて公開されるほか、順次、一部の書店店頭で動画の〈ショートバージョン〉が展開となる。