女優・井上真央、室井滋、柴田理恵、立川志の輔、内浦純一が14日、富山・TOHOシネマズファボーレ富山で映画『大コメ騒動』(監督:本木克英/配給:ラビットハウス、エレファントハウス)【富山】完成披露試写会を本木監督とともに開いた。
大正7年(1918年)に富山県の海岸部で実際に発生した「米騒動」。本作は新聞で報道されるや全国に広がり、暴動に発展したこの騒動で活躍した女性たちにスポットを当て、史実に基づいて描く。井上は、周りに流され自己主張が苦手ながらも、実は聡明な主人公・松浦いと役を演じることとなる。
井上は「きょうは私も富山県民として楽しみたいと思いますので、みなさんも最後まで“楽しまんまいけ!”」と、富山弁であいさつし、観客から盛大な拍手が送られる。
おかかたちのリーダー、清(きよ)んさのおばばを演じた室井は「子どものころの社会科の教科書に載っていた米騒動、まさかデビューして39年目にあの米騒動(を題材とした作品で)でみなさんのお目にかかれるとは思っていませんでした」と、感慨深げ。
富山日報の記者を演じた志の輔は「井上さんの富山弁の上手さを楽しんでください。絶対先祖たどっていったら富山の人だったと思うくらい素晴らしい富山弁でございます!」と、井上の富山弁の演技をアピール。さらには「“だら”っていう言葉が広辞苑に載るのも時間の問題!」と、コメントし、会場を沸かせた。
米屋の女将の妹を演じた柴田は富山弁混じりで「この映画を富山の人が待ちに待っとったはずだと思います。富山の魂と、パワーと、明るさと元気が詰まった映画です!」と話し、警察署長役の内浦は「みなさんに観ていただける、感無量です!」と満面の笑みを見せた。そして、本木監督は「着想を得てからずっと考えていたわけではないけれども、本当にたくさんの方々の協力があってこの日を迎えました。“世界最初”の一般試写会です。どうぞ楽しんでください」と地元・富山での完成披露を喜び、井上も「富山のみなさんのご協力なしでは完成しなかったので、富山のみなさんに最初に観ていただけるのは嬉しいです」と、感謝を伝えた。
富山出身の室井は、富山の各所で撮影が行われたことを明かし、「“あれか、おらのところの裏の浜じゃないがけ?”とか、“あそこの銀行の跡ないやけ?”というところが随所に出てきます。観終わったら“きっとあそこやろ”と盛り上がる」と、知っている人ならより心が浮き立つといい、「私で室井家十代目。もしかしたら先祖が米騒動に参加していたかも。ここにこうやって立っているのもご先祖のお導き。これが最後の映画になる……ならないよう、頑張ります!」と、軽口を叩いていた。
「米騒動というシビアな事件を娯楽・エンタテインメントにできる人は本木監督しかいない」と監督へ信頼を寄せている志の輔は、映画化を後押しした人物の一人という。監督に会うたびに映画化を嘆願していたようで、「決め台詞というか、人にものを頼むときにこの言葉で頼めば大概のことは実現するんじゃないか、この言葉で本木監督が首を縦に振って本気を出されたというのは間違いない」と前置きし、「その言葉は“あんたがやらんで誰がやるがいね”。この言葉で実りました映画です」と、監督への“殺し文句”を披露。
すると、本木監督は「志の輔さんに脚本を書いてとお願いしたけどすぐ断られました」と、返す刀でお願いしたそうだが「それは“あんたがやらんで誰がやるがいね”って言わなかったから。それを言ってれば引き受けた」と、志の輔にかわされ、キャストも会場も大爆笑だった。
映画の肝となる“米の積み出し阻止”シーンをはじめ、多くの富山県民のエキストラが参加した本作。富山での撮影が初めてだった井上は「えらいパワフルやったちゃ!すごくパワーをもらいました」と、会場に来ていたエキストラたちに笑顔を見せる。撮影で苦労した点を聞かれると、「富山弁はもちろん難しかったけど、米俵が重かった……」と明かし、「あの米俵を担いで浜辺を歩くのは、体力勝負。中腰で進むのが負担でした」と過酷な撮影シーンを語った。
最後に、井上は「富山から女性たちの声や勇気が広がっていったように、この作品も富山から明るさや元気を届けていけたらいいなと思っています。たくさん笑って、楽しんでいってください」と、メッセージを。続いて本木監督も「仕事柄、この映画を3回観たんですけど、3回とも感動した。みなさん世界初の試写なので、ラッキーです。米騒動と同じく、この作品も富山から全国へ広げていくために力を貸していただきたいと思います」と、呼びかけた。
映画『大コメ騒動(だいこめそうどう)』は2021年1月8日よりTOHO シネマズ日本橋ほか全国公開!なお、富山県では2021年1月1日より先行公開!
※記事内画像は(c)2021「大コメ騒動」製作委員会