タレント・ふかわりょう（46）、お笑いタレント・東野幸治（53）が19日、東京・八重洲ブックセンター本店内でエッセイ集『世の中と足並みがそろわない』（新潮社）刊行記念トークショー＆サイン会を40人を前に開催した。
どこにも馴染めない、何にも染まれない、世の中との隔たりと向き合うふかわによる、ちょっと歪なエッセイ集。
東野を「私の芸能界の恩人です」と紹介して招き入れたふかわ。東野は登場するなり「久しぶりに会ったら、しゃべり方が、教団の人みたいです」と、先制し40人の観客も思わず爆笑。東野の舌は止まらず書籍の内容へも、「読みましたけど、恩人なのに、僕のこと書いてなかったですよ。タモリさん、内村（光良）さん、『さまぁ～ず』さんと順番に断られて、こっちに来たんでしょう。近々で言われたからよっぽどなんだろうなって」と、イジりだす。これにふかわは、「第一希望です！ダメ元でお願いしたんです！この本で、東野さんとの関係を紹介するのは、ちょっと毛色が違うなと思いまして」と、必死さで返す。
ふかわとしては、東野への思いは人一倍なようで、「20代のころに『笑っていいとも！』という番組で、私がまだタレントとしての価値がない時、頭をはたいたりとか全裸にしたりとか、みなさんが『この素材をどうしたらいいか、使えないよ』っていう時に、東野さんがいろんな形で料理してお茶の間に届けてくれたんです。そこから始まってタモリさんや、内村さんがイメージを引き継いでくださったんです。公私ともにお世話になって20代の思い出があって」と、頭が上がらないという。
そんな東野と、30代のときに距離を置いたというふかわ。「このままこの人と一緒にいたらおかしくなると」と、すわ不穏な発言かと会場がドッと沸き返り東野も驚きのあまりオフマイクで「うそやん」とつぶやく。しかし、真意は真逆のようで、「おかしくなるというのはネガティブな意味ではなくて、東野さんといると安心するし、自分が甘えられるんですけど、甘えすぎてしまうなと。『さんま御殿』に呼ばれれば、東野さんと友達関係で出られる。居心地はいいんですけど、このまま甘えてしまって、私が本能的に何かがあったんでしょうね。尊敬するがゆえに……」と、甘やかされすぎて駄目になってしまうのではないかという不安があったがゆえだったそう。そう切々と訴えるふかわだったが、ここまで一方的にふかわがしゃべる展開に東野は「これいつしゃべらせてくれるんですか？おれ、きょうはしゃべりに来たんですけど」と、遠慮のないツッコミをいれ会場を再び爆笑させた。
さらに、ふかわという人物へ東野は、「自分のことをまっとうだと思っているんですけど、ビックリするくらい気が狂ってるから面白いんですよ（笑）。『ひるおび！』の彼はウソですから、机の舌は下半身すっぽんぽんでやってますから」と、ズバズバ言い2人の気が置けない関係性を窺わせつつ、エッセイの内容へ。
すると東野が「この本を読んでいたら、ふかわりょうがどれだけ面倒くさい奴かっていうのがわかりますよ。すごい毒を吐いているところがあるんです」と、80ページ台に掲載されているという『虫唾が走る』と表現した部分をピンポイントで抜き出して読み上げ、ふかわも「東野さん、そこだけ抜き取るのは危険です！」「東野さん前後の流れもありますから！」と、必死の訴えをするほどの表現があることを窺わせ、以降も東野は「虫唾が走る」でたびたびふかわをイジって観客たちを笑わせまくった。
話を戻して、ふかわは本書を発売したことにより「潮目が変わったんです。体感的にはみなさんからの優しい言葉にあふれている感じなんです」と、しみじみ。そんななか東野は本書のもともとのタイトルは「（ふかわが）『溺れる羊』にしたかったらしいんですよ」と、裏話を披露していた。
イベント終盤には東野から「増刷で3刷目が決まったんですよ」と、サプライズで発表され、観客たちも拍手で祝福するなど、笑いと温かさがあふれるものに。最後にふかわが、今後どうしたらいいのか東野に尋ねると、「ポスト出川になってほしいんですよ。5つ、6つくらいの顔があってもいいんじゃないの」と、勧めていた。
『世の中と足並みがそろわない』は1350円（税別）で発売中！
タジタジになるふかわ
