声優で歌手・諏訪ななかが22日、東京・渋谷のLINE CUBE SHIBUYAで『諏訪ななか1st LIVE~My prologue~』昼公演を開催した。
2020年5月13日に1stアルバム『So Sweet Dolce』をリリースし、ソロアーティストデビュー。今月4日にはミニアルバム『Color me PURPLE』を発売した諏訪。作品をリリースしながらもライブが開催できないという状況が続いていたが、ついに『諏訪ななか 1st LIVE ~My prologue~』が、LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で昼・夜の2部で開催することとなった。
ライブのオープニングは『Wonderland!!』。胸が沸き立つようなワクワクするようなイントロが流れると、ステージの2階部分にある三角のカーテンから、諏訪のシルエットが。“トキメキの Wonderland!! どこまでも行こう!”という冒頭の1フレーズを歌うと、その幕が開き、ステージに登場。その瞬間、パープル色に染まった。
同曲は、2番のAメロでメロディに変化があり、ファンとの掛け合いを楽しむ感じの曲調。しかし、観客は声を出せないということもあり、その掛け合いの部分は自身の声を重ねる工夫も。続く、『So Sweet』では、階段を降り、ステージの1階にあるスクエアのミニステージに立ってパフォーマンス。ここで後方にスクリーンが登場し、彼女の表情を見ることができ、笑みがこぼれ、まさに歌詞にある“とびきりのSmile”に。間髪入れず、ギターのストロークが鳴り響くと『ポップコーンの雲』へ。ステージの左右に行き、ラララのところで手を左右に振り、観客たちとの一体感を楽しんだ。
3曲立て続けに披露したところで、客席からは大きな拍手が送られ、この日初めてのMCへ。
「アーティストとしての初めてのライブだからこそ、オンラインではなく、みんながここに来てくれる状態で開催したかったんです。きょう無事に開催できて、すごくすごく嬉しいです。ここまでライブができていなかったので、きょうは何が何でもやってやるぞ!という思いで、ここに来ました。やっとたどり着いた1stライブだからこそ、きょうは楽しんでもらえたらいいなと思います。“諏訪ななかの1stライブ来たぞ!”っていうことが、今後自慢になるようなライブにできたらと思います」と、このライブに懸ける思いを伝える。
続く、楽曲『溶けるみたい』は 軽快なビートとブラスアレンジが印象的なポップチューン。そこに、歌っている表情で切なさが乗る。さらにこの曲の主人公の後日譚として書かれた『揺れていたい』に繋げていく。同曲も、ポップスに含まれる“切なさ”を表現。歌詞の最後では雨が上がり、“君に会いたいんだよ”と歌うが、そのときの表情が、少し晴れやかな笑みを浮かべているようで、世界観に入り込んだアーティストとしての顔を存分に披露。最後の指揮棒を振るような可愛らしい振り付けでも魅せた。
楽曲『マカロンラブ』では、映像の自分と掛け合いをしていたのだが、間奏では映像の諏訪がマカロンを食べたり、衣装チェンジをしたりとやりたい放題。その間に諏訪自身はスッとステージから姿を消し、映像と同じ衣装になって再び登場するという曲中の早替えを、見事成功させる、遊び心満載のステージングを披露。
さらに楽曲『ショコラ フレーズ』では、ステージに椅子やテーブルが用意されていて、スイーツを眺めたり、ベンチに腰掛けたりしながら歌い、サビでは透明感あるファルセットを響かせた。
諏訪の楽曲の中で、もっとも激しいロックチューン『Strawberry Egoist』では、真っ赤な照明と、大量のスモークで雰囲気を一変させると、諏訪をスタンドマイクでクールに歌唱。鋭い目つきも浮かべるなど、細かい部分への作り込みも魅せた。
ライブ終盤の『Donut Ring World』、『Morning glow』、本編最後は「みんながくれたこの景色を胸に。心を込めて歌います」と伝えて、『Storytelling』を熱唱してみせた。
拍手だけのアンコールが続く中、大きなリボンを付けた衣装で登場すると、今回のライブタイトルにもなっている『My Prologue』を。マイナー調のロックナンバーだが、クールさもありながら、内に秘めた情熱を感じさせるボーカルでぐいぐいと引っ張っていく。
スッキリとした笑顔で「今日は楽しかったですか?」と聞くと、観客が大きな拍手で応える。そして、彼女が最後に用意した曲は『Lilac』。スピーディーに展開する、元気でポジティブなピアノロック。この曲もファンとのコール&レスポンスが楽しめる曲だが、この日はペンライトを振ることで、お互いの気持ちを確かめ合う光景が広がっていた。
そして、「きょうは、こんなにたくさんの方が来てくれて、本当に本当に嬉しかったです、まだまだ諏訪ななかについてきてくれるとうれしいです」そう言って、ソロでの初めてのステージを笑顔であとにした。
※記事内写真は「撮影:中原幸」