俳優・中井貴一が主演し2021年春放送予定のWOWOW開局30周年記念『連続ドラマW 華麗なる一族』の全キャストが21日、解禁となった。
作家・山崎豊子氏原作の作品。大阪万博を間近に控えた日本の高度経済成長期、富と権力獲得の手段として、関西の政財界で閨閥(けいばつ)を張り巡らす阪神銀行の頭取・万俵大介を中心に、一族の繁栄と崩壊が描かれる。
これまでに、主役・阪神銀行頭取の万俵大介役を中井、その長男・鉄平役を向井理、次男・銀平役を『Kis-My-Ft2』藤ヶ谷太輔、大介の愛人・高須相子役を内田有紀、大介の妻・寧子役を麻生祐未が演じることが発表されていた。
今回、大介の三人娘キャストも明かされることに。長女・美馬一子(みま・いちこ)役を美村里江、次女・万俵二子(まんぴょう・つぎこ)役を松本穂香、三女・万俵三子(まんぴょう・みつこ)役を福本莉子が。さらに、関西財界の重鎮の令嬢で銀平との縁談を受ける・安田万樹子(やすだ・まきこ)役を吉岡里帆が、元通産大臣の娘で鉄平の妻・万俵早苗(まんぴょう・さなえ)役を笹本玲奈が、大蔵省に勤める一子の夫の美馬中(みま・あたる)を要潤が演じることとなる。
これに合わせて万俵家“一族”集合の家族写真が公開。このカットは、山崎豊子に所縁のある志摩観光ホテルにて撮影されたものとなり、11人が一斉に並ぶ豪華な写真となっている。
なお、今回発表のキャストからそれぞれコメントも寄せられている。
○吉岡里帆(安田万樹子 役)
山崎豊子さんの不朽の名作「華麗なる一族」に出演するということ。
手汗握る緊張感もありますが、脚本を読み進めていく手は素直で「早く続きを、どうして?それから?」と高揚感の方がうんと強く胸の高鳴りを感じました。
万俵家の一員として、このうねり続ける家族の画の中に私も真っ向から挑もうと思っています。
そしてみなさまには、この恐ろしく不気味な一族を安全な場所から覗き見て頂けたらなと思います。
○松本穂香(万俵二子 役)
「華麗なる一族」という、誰もが知っている作品に参加させて頂ける事は、身に余る思いではありますが、素晴らしい役者さん方から色んなものを吸収し、私らしい二子を演じられたらなと思っています。
二子という人は、自分自身の気持ちに正直で、時代の波に囚われない、強い女性です。
万俵家の中で交錯する愛情や憎しみ、絡み合う人間関係。そんな中でも二子は自分のあり方を忘れず、まっすぐに生きようともがきます。
いつの時代も、自分の心から目を逸らさず、自分自身の手で人生を選択していくことの大切さを、二子を通して感じています。
人間の底にある感情が包み隠さず描かれています。時に苦しい場面もあると思いますが、ぜひ「華麗なる一族」を、最後まで見届けて頂けたらと思います。
○要潤(美馬中 役)
この仕事を始めてからいつかは山崎先生原作のドラマに参加してみたいと、胸に秘め今日を迎えてきました。
個人的な話で恐縮ですが、本年を持って俳優人生20年(2021年1月で俳優デビュー20周年)という節目を迎え、このような身に余る大役を頂けることに大変身が引き締まる思いと共に、これまでの自分の芝居をようやく褒めてあげられるのかな、と思います。
俳優人生の一つの集大成として美馬中を演じていきたいと思っていますので、沢山の方にご覧いただけたら幸いです。
○美村里江(美馬一子 役)
改めて原作を拝読して、学生時代に読んだ時よりも深く味わうことができました。
それぞれ人間の持つ欲や業、様々に歪んだ愛情はある時には滑稽でありつつ、哀しい。
「主張」の強弱で言えば弱い長女一子ですが、平坦ではない万俵家の暮らしの中で彼女の内面に染み付いたものはなんだったのか……。共演者の方々との各場面が楽しみです。
あの時代ならではの衣装・メイク、また男女観も含め、立体化を目指したいと思います。
○笹本玲奈(万俵早苗 役)
『華麗なる一族』の一員としてこの作品に参加できとても嬉しく思っております。
小説もこれまでに映像化された作品も見させて頂いているので、一族に自分が入れる事が本当に幸せで、未だに不思議に感じるほどです。時代背景や山崎豊子さんの原作の世界観にしっかりと馴染めるよう、早苗役を大切に深めて参ります。
○福本莉子(万俵三子 役)
50年の時を超えて受け継がれている名作の世界に参加し、錚々たる共演者の皆様と一緒にお芝居をできる機会を頂けたこと、本当に嬉しい気持ちと共に身が引き締まる思いでいっぱいです。
私がまだ生まれる前の日本、今まで見たことや感じたことのない時代。台本を読み、息もつかせない展開にとても衝撃を受けました。
豪華絢爛な高度経済成長期を感じさせる撮影セットや衣装、ヘアメイクに心躍らせながら撮影しています。
三子は万俵家の三女で、作中で唯一と言えるぐらい自由で何にも囚われていない純粋な女の子です。
重厚な人間ドラマの中で、ポジティブな存在として明るく、そして何よりも楽しく華麗なる一族の一員としてこの時代を生きられたらなと思います。
■STORY
高度経済成長期の日本。預金高10位にランクされる阪神銀行のオーナー頭取、万俵大介(中井貴一)は、銀行のほかにも多くの事業を手掛ける万俵コンツェルンの総帥だった。大介は長女・一子の夫である大蔵省のエリート官僚の美馬から、都市銀行再編の動きを聞きつけ、生き残りを目指し大手銀行を吸収合併しようと画策する。
その一方で、万俵家には、大介の妻・寧子と阪神銀行と同じく万俵コンツェルンを支える柱の一つである阪神特殊製鋼の専務取締役の長男・鉄平(向井理)、阪神銀行に勤める次男・銀平(藤ヶ谷太輔)、次女・二子、三女・三子のほかに、長く同居する大介の愛人・相子の存在があった。家庭内で大きな力を持ち、万俵家の閨閥づくりを推し進める相子の存在を鉄平たちは疎ましく思っていた。 さらに鉄平は、悲願としていた高炉建設の融資をめぐって大介と対立し、2人は確執を深めていく。
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