お笑いタレント・岡野陽一(39)、吉住(31)が29日、東京・テアトル新宿で映画『私をくいとめて』(監督・脚本:大九明子/配給:日活)公開記念スペシャルトークイベントを大九監督とともに開いた。
『私をくいとめて』は作家・綿矢りさ氏原作の同名小説を実写映画化したもの。31歳のおひとりさまで脳内に相談役「A」のいる黒田みつ子(のん)が、みつ子は年下の営業マン多田くん(林遣都)に恋をしてしまうという、あと1歩踏み出せないむずがゆい恋模様を描いたロマンス作品となっている。2人のほかにも、結婚しイタリアで暮らすみつ子の親友・皐月には、のんとは朝の連続テレビ小説『あまちゃん』以来の共演となる橋本がキャスティングされていることでも話題となっている。
岡野はみつ子と多田くんの恋の行方を温かく見守るコロッケ屋の店主役。一方、『女芸人No.1決定戦 THE W 2020』でも注目を集める吉住はみつ子が旅する先の温泉旅館でネタを披露する女芸人を熱演していることから、ゲストとなった。
作品へ、岡野は「めちゃめちゃ面白くて。僕映画に観に行くとよく寝ちゃうんですけど最後まで寝ず観ていて(笑)」と、目の覚めるような面白さだったといい、「“A”とか自分の中にもいる気がしてます。競馬で絶対にこの馬買おうと思って行ったら、“A”が『こっちが良い』と言ったりするので。そこが共感できました」と、話していた。
吉住は本作を試写会で観たのが「『THE W』準決勝前だったんです。自分のシーンで、グサグサ来すぎまして、泣きすそうになって。でも、隣に岡野さんが居たので、絶対泣きたくないと思って歯を食いしばって耐えてました。決勝に行けるかも分からないなかで、まさか優勝すると思っていなかったんです」と、緊張の真っ只中だったそうだ。
そんな2人の起用について大九監督は、「普通にファン」だったこともあったそうだが、岡野については、「最初、コロッケ屋の店主は初稿では女性になっていたんです。でも、いつの間にか髭の男で岡野さんとなっていって」と、書いていく間に岡野のキャスティングが固まっていったという。ちなみに岡野はコロッケを販売するシーンの台本は1言しか書いておらず「とりあえずコロッケを売ってくれといわれて」と、岡野の裁量の部分が大きかったことを明かすことも。
さらには、岡野の登場している尺が長いということでスタッフが大九監督に「大九さん岡野さんのこと好きすぎです!」とたしなめられるほどだったといい、大九監督も「そっかーばれたかーと思って」と、泣く泣くカットしたシーンがあったことも明かしていた。
一方、吉住は起用され「タイミング的にすごい神がかっていたんです。!監督ぐらいなんですよ。私の『THE W』で優勝を信じてたの!」と、大九監督からの激励に感激したという思い出を離せば大九監督は「メチャクチャ面白いですもん」と、信じて疑わなかったようだった。
イベント後半には、のんから岡野と吉住へコメントが寄せられることに。吉住へは、「吉住さんが披露されていたネタをTVで観たことがあるので、生で観られて感動しました。トイレから現場に戻るときに人力舎の芸人さんとかけっこをされていて、こんなにエネルギッシュな方なんだと、疾走感に感動しました。それになんといっても『THE W』優勝おめでとうございます」と、エピソードを添えて祝福。ちなみに、この“かけっこ”について吉住は「確かにみんなのんさんがいるということで、人力舎の芸人たちも浮かれててかけっこしてたんです」と、興奮していたという裏話が明かされることも。
岡野についてのんは「岡野さんのコロッケ屋さん最高でした。なぜだか温かみがあって、懐の深いコロッケ屋さんに見えました。TVで拝見しているとどういう方なんだろうと思って、最初は緊張していたんですが、アドリブで男の子と戯れるお芝居をしている姿が温かくて素敵でした。少ししかご一緒できなかったので物足りなかったです」と、演技を褒めると岡野は照れ隠しからか「のんさんは僕が借金あるの知らないので」と、おどけていた。
最後に大九監督は、「2人に出演頂いたシーンは思い出たっぷりで、みなさまの心に届いているといいなと思っています」といい、吉住は「この映画を観て、私も力をもらって『THE W』優勝できたかなと思います」とアピール。岡野は「この映画はおひとりさまでも楽しめると思いますし、恋愛して2人で観るのもいいなと思います。ですが、この作品に(お笑いコンビの)『空気階段』の(水川)かたまりがコメントを寄せていて、あいつそのときは“おふたりさま”だったんですが、途中で(離婚して)“おひとりさま”になって。ですのでかたまりがもう1度観ても楽しめると思います」と、ひと笑いとって終演を迎えていた。
映画『私をくいとめて』は全国公開中!
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