「交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」トークショーが開催！
劇場アニメーション『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』アニメ誌連合試写舞台あいさつが8日、東京・秋葉原のUDXシアターで開かれ京田知己総監督、アニメ評論家・藤津亮太氏が登壇した。
2005年から06年にかけ全50話で放送され人気を博したTVアニメ『交響詩篇エウレカセブン』。のちに劇場版や『エウレカセブンAO』なども制作されるなどファンに愛されている作品が12年の時を経て、再び主要スタッフはそのままに3部作で劇場に帰ってくることとなった。今回は『アニメージュ』『アニメディア』『ニュータイプ』のアニメ誌3誌が出版社の枠を超えてイベントを開催するものとなった。
さっそく藤津氏から、本作主人公のレントン・サーストンのキャラクター作りへ、「基本的には距離があるんです。自分の中学・高校のエピソードを反映してはいないんですけど、もしかしたらそういうところが出るかもなとは思うんです。テレビのときはとくに、そういうのは違いました。今回は、中学生の自分ならこういう反応をするんじゃないかなと入れていますね。微妙にいっぱい直していて」と、踏み込んでのものになっているそう。
制作するに当たってのエピソードについては、カット袋や原画がなくなっているところもあり、アフターエフェクトしかない状況もあったそうで、「今回セリフが変わっていたり、背景も描き直して作っているところもあって、画面をキャプチャーしたりしながら、修正を入れて頂いて。それでどうせ直すなら目線を変えたりとか、ニュアンスを変えたんです」と、手を入れ直しているところが多いようで、藤津氏から「ベースの絵があるとはいえ、演出しなおしているというところでは、新作みたいなものですね」と、声をかけると、京田総監督は「結果的に機会があったのでそういうところはやったほうがいいかなって」。
さらに、TVアニメの際はレントンの祖父アクセル・サーストンも人気のキャラクターの1人だったが、今回出演がないというところで、同キャラクターを演じ、2012年に亡くなった声優の青野武さんのことを挙げ、「これはメインスタッフのワガママかもしれませんけど、青野さんの声じゃないアクセル・サーストンは見たくないということだったので、（レントンの父の）アドロックの話をやろうとなったんです」と、裏話も披露し、「いなくなった父と自分ということに筋を通して」と、話していた。
そのアドロックのキャスティングに声優・古谷徹を起用したことへは、「単純に言うと“渋いおじさんで、特攻する”というおじさんにしたくなかったんです。そのキャラクターを考えていくと、非常にロマンティックな人であると同時にナイーブな人ではないだろうかと。ナイーブなだけで弱い人ではなく、最終的にいろんなものを背負って、物事を解決する存在になる人、それが声で分かる人にしたいなって思って。そう考えると、古谷さんの声しか聞こえてこなかったんです」という。
その古谷を起用するきっかけになったのは2014年公開の水島精二監督の劇場アニメーション『楽園追放』でなぜか冒頭に出てくるナンパ男を友情出演した姿を観ていたからだそうで「芝居のスタンスを聞いたときに、すごいプロフェッショナルな方だなと思って。それでお願いできたらベストだなって思ったんです」とのことだった。
最後に京田監督から「今回、いろんな事情があってフィルムになっているんですが、毎回毎回トラブルがあって、今回は作れないかなと思うと、いろんな人が立ち現れては手助けしてくれたりとか、すごい提供してもらったりしたんです。とくに僕とか、現場のスタッフは奇跡で成り立っていると言っているんですが、『エウレカやってるんでしょ？』と、支援してくれるんです。なのでここまでたどり着けましたし、12年間好きで居てくれた方々の支えがあったからこそだなって思っています。それをちゃんと返さないといけないなと1を作って感じていますし、12年前よりいいものを作って、最後に驚かせて観てよかったなというものを作っていければ」と、抱負を口にしていた。
劇場アニメーション『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』は16日より全国公開！
京田知己総監督
藤津亮太氏