映画『銀魂 THE FINAL』(監督・脚本:宮脇千鶴/配給:ワーナー・ブラザース映画)公開記念舞台あいさつが9日、東京・新宿バルト9で開かれ坂田銀時役の杉田智和、志村新八役の阪口大助、神楽役の釘宮理恵、定春役の高橋美佳子、近藤勲役の千葉進歩、土方十四郎役の中井和哉、沖田総悟役の鈴村健一、桂小太郎役の石田彰、長谷川泰三役の立木文彦、宮脇監督が登壇し、公開を祝った。
漫画家・空知英秋氏が2003年12月から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載を開始し、18年からはジャンプGIGAへ移行され、19年6月に完結したシリーズ累計発行部数5500万部を超える人気コミック『銀魂』。2006年から15年間にわたってたびたびアニメ化、劇場作品化されてきたアニメ『銀魂』が“今度こそ本当に”終わると銘打った作品。本作は空知氏の全面協力もしており、原作のラストをベースにしたストーリーを展開する。抱腹絶倒のギャグと壮絶アクション、そして厚い人情をも詰め込んだ、痛快エンターテイメントが、これまで『銀魂』に登場した無数の人気キャラクターたちとともにどのような結末を迎えるのか……。
会場は無観客でライブビューイングな中、杉田は銀色の紋付袴、阪口、釘宮、髙橋の万事屋メンバーと、石田は和装と艶やかな姿で登場。まずは、万事屋メンバーの杉田、阪口、釘宮に本作の感触を尋ねることに。
杉田は、「10数年やってきた集大成が込められてまして、初期からの曲を今回の映画用にアレンジしていたり、外の背景のCG1つとっても脈々と受け継がれていて、CG担当の方からのコメントで『継ぎ足していった秘伝のタレみたいになってます』と言われて、僕らの芝居も、それになっていたら嬉しいなと思います」と、気持ちを込める。
阪口は「杉田くんの言った通りなんです。そのなかで僕がグッと来たのは、エンディングでして。過去のTVシリーズのエンディングの部分部分がちょろっちょろっと入っていて、ああ、15年続けてきたのがこういう形になるんだなって思いましたね。(FINALということで)もう少し寂しくなるのかなと思ったんですけど、いまのところ平気です。もう後数ヶ月すると寂しくなるのかなんていうのがいまのところの感想ですね」と、しみじみ。
釘宮は「観ている最中に曲とアクションがマッチして、展開が高まっていくところがものすごいグッと来て、いままで応援してくださっていたみなさんは絶対に高まってしまうなと思って、ブワッとなると思いました!」と、アピールした。
続けてアフレコについての話題が振られる。杉田は、高杉晋助役の子安武人との演技が印象に残っているそう。「忘れられないのが子安さんがテストが終わった後に、『大切なシーンだから何回もやりたくないよね』と、僕だけに聞こえる声で言ったんですよ。基本“圧”があるので、みんなには聞こえていたと思います。でも、まったくその通りだなって。でも、テスト収録も録音はしていて、それが使われることもあるんです。台本をほぼ見ず、高杉の絵を見ながら、横からすごい圧が伝わってくる子安さんの芝居の圧をどう受け止めるかばっかりを考えていました」と、子安から発せられるプレッシャーがあったと吐露。
そんな高杉というキャラクターへ杉田は「攘夷志士の関係値にすごい似ていて、バラバラに見えているんですけど、互いを信頼しあっていて、助けてほしいと口には出さないんですけど、ちょっとずつその感情を見せるんです。いつも開けているとシャイな高杉は来ないんですけど、覗けるくらいの隙間が開いていると斜めを向きながら見に来るんです。それをどうやって引き出すかとか」と、自身の考察を披露すれば石田演じる桂へも「桂は破天荒に見えてすごい頭がいい人なので、さりげなく周りがやったことを補足したり、後からみんなの後片付けをする感じかなと思っていて。そういうのをアフレコ現場で石田さんを感じていて……」というところに石田が「あんまりかたづけ上手じゃないんだけど」と、のんびりとした感じで乗ると杉田は「こういうコメント1つとっても僕は安心しました」と、楽しげに笑っていた。
さらにアフレコの話題は続き、「一緒に録れてよかったです。いま隣にあるアクリル板1枚でもすっごい邪魔です!これファイナルファイトみたいに粉砕したいです。これ笑ってくれるの鈴村さんだけだと思います」と言いながらアクリル板を殴るジェスチャーをすると、阪口が「分かりづらい(ネタ)だからなぁ」とボソリといい、鈴村は「無茶苦茶俺には刺さったけど、周りはあんまりだと思うよ」と言い出す。しかし杉田は「スーパーファミコン版で没になった……」と続けようとし、阪口が「うるせぇよ!(笑)」と、新八並のツッコミで会場を沸かせた。
イベント中盤には、今だから言えるありがとうorごめんなさいのコーナーが開催。トップバッターを切った杉田はTVアニメ版で楽曲『千の風になって』を歌唱し、それがEDになった回のことを持ち出し「うちの親に『千の風になって』を真面目に歌わなくてごめんなさい。でもあれは台本で、『途中からうろ覚えで歌えなくなる』って書いてあったんです。気がついたらいつの間にかEDに使われていたんで、スタッフのみなさん感謝します……ふざけんな」と、強力なネタを持ち出し、阪口が「後々のやつが困るだろ!」と、ツッコむコンビネーションを見せる。
その阪口は「僕は杉田くんとくぎみー(釘宮)に本当にありがとうです。大変な心理状態のときにも、2人と現場に来ると楽しくて、ポジティブになれたので助かったし支えられた時期があったので」と、しみじみ。
一方、釘宮は「“釘宮理恵さん”にごめんなさいと言いたいです。作品が始まった当初は、下ネタなんて絶対に言いたくないと思っていたのに、あれよあれよという間に、どんな汚い言葉も、放送禁止用語も台本に書いてあったらさらりとつぶやけるようになってしまって……あの頃の私を取り戻したい!ピュアな時代の釘宮理恵さんごめんなさい!と言いたいです」と、心の叫びにも似たコメントで、杉田と阪口がひたすら頭を下げる一幕もあった。
そして杉田から「終わった作品のメッセージや、亡くなった人や言葉もそうですけど、いまを生きている人たちにとって都合の良い解釈が始まるんです。きっとこう言っていたに違いない、こういう考えだった方が、自分にとって都合がいいというふうに、いつの間にか形を変えていくんです。けれど、こと銀魂にかんしては、たどり着いた未来が現実より斜め上なんです。アニメは作品はいったん、ファイナルになっていますけど作品は残り続けるので。これから未来に向かって行くはずです。とどまったり、過去に戻れる人っていないので……いたら、タイムマシーンを持っているか!?ということなので。銀魂はこれで終わりで明日から一切何も言うんじゃないぞということはなくて、ナレーションの現場に行けば、『万事屋さんと仕事をするの夢だったんです!』とか、ソシャゲの現場に行けば、『銀時ときみたいにやってください』と言われたりするんです。僕本人が演じればそれっぽくきこえますし、封印されるわけではないので。とかく不条理というものを、いきなりつきつけられて持たされる時勢ではあるので、それに対しての捉え方は、ネガティブにとらえると、その場に留まってしまうので、自分のことですから、答えを出すのは自分自身であってほしいと思います」と、熱い気持ちをぶつけ続けていた。
映画『銀魂 THE FINAL』は全国公開中!
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※記事内で杉田さんの発言で事実関係が違っている部分がございました。お詫びして訂正致します。