俳優・菅田将暉(27)、有村架純(27)が12日、都内でW主演映画『花束みたいな恋をした』(監督:土井裕泰/配給:東京テアトル、リトルモア)完成報告イベントを土井監督とともに開いた。
偶然に出会い恋をした山音麦(菅田)と八谷絹(有村)の5年間を、脚本家・坂元裕二氏が描くラブストーリー作品となっている。
これまでにも映画やCMなどで共演している2人ですが、本作で恋人役を演じたことについて菅田は「有村さんとは何かやりたいね、と話しながらもなかなか実現していませんでしたが、今回1番良いタイミングで、良い作品をやることができたと思います。同じ関西人で、同世代の有村さんとの現場は、とても新鮮な気持ちでした」と、感想を。
一方の有村も「貴重な同い年の役者さんなので、同じ舞台でお芝居をさせていただくことが嬉しかったです。『何者』から4年程経って、お互いいろいろな経験を積みながら、今回再会できたと思うので、おこがましいかもしれないけど、同志のように感じていました。お芝居の舞台に立っても、現実世界と地続きしているようにフラットに本番へ向かわれて、心強い役者さんです」と、信頼を窺わせた。
完成した作品を観て菅田は「現場は順撮りでやらせてもらったので、本当にただただ2人で生活して、思い出を作って育んだものが、爆発するという流れがリアルに描かれていました」と、率直な感想を。有村は「撮影の1ヶ月半、すごく濃厚で充実した時間を過ごせたので、映画を観たときにも私の中にまだ絹がいて、ずっと続いていくんだろうなと不思議な感覚になりました。坂元さんが脚本をされている台詞や空気感は、今生きている人たちにものすごく刺さるような作品になったんじゃないかなと思いました」と、話した。
菅田が1番ドキドキしたシーンは信号待ちでのキスシーン。「1回キスした後に、『こういうコミュニケーションは、頻繁にしたいタイプです』という有村さんの台詞。あれは名言です、言われてみたいですねえ」と、殺し文句を言われることへの憧れを話し、場内も爆笑に包まれることに。有村も同じ信号待ちでのキスシーンにドキドキしたそうで、「(『信号はまだ変わらなかった』、『押しボタン式信号だった』、『サンキュー、押しボタン式信号』というモノローグについて)押しボタン式信号って、こういう風に使うことがあるんだ!と思いました(笑)」と、思わず笑顔になってしまったそうだ。
一方、土井監督は「僕は最後のファミレスのシーンです。菅田くんともファミレスってこういう話してるよなあ、家ではなくファミレスで話すことに意味があったよね、と話していたんです。家だと話がまとまらないから、ファミレスで世間の人と繋がりながら、自分を律しながら冷静に話さないといけない。見ていてヒリヒリしました」と、グッときていたそうだ。
続けて、『花束みたいな恋をした』というタイトルにちなんで、花束を選ぶと、選んだ相手への“本当の思い”がわかる、花束占いを実施!流光七奈(りゅうこうなな)先生監修による本格的な花束占いで、5種の花束の中から、菅田さんは有村さんに贈りたい花束を、有村は菅田に贈りたい花束をそれぞれチョイス。まず、始めに菅田が、「直感的に目がいきました。今日の有村さんの恰好にも似合いそうで、関西人の黄色い部分と、東京に出て仕事をしている赤い部分が、グラデーションでオレンジがかっているところがぴったりだと思います」と、オレンジ色のラナンキュラスの花束を選ぶ。
この結果は、「相手をとても信頼しているようです。お互いに安心できる環境のもと、多くを語らずとも、大切なことが分かり合えたり、お互いの失敗をカバーし合えるような、信頼にあふれた関係を続けていきたいと思っているようです」と伝えられ、「めちゃくちゃ当たってますね!」と、菅田もビックリといった様子。それを聞いた有村も「主演をやらせていただくときはお芝居のこと以外にも、周りのことを考えて引っ張っていかないといけないですが、菅田さんがいてくれたことによって、お互い主演の負担を分散できたし、一緒に作品を作った同志だと思っているので、すごく嬉しいです」とこの結果を喜んだ。
そして、有村から菅田へ。「今の髪型とすごく似合う!(笑)髪型で表情も変わるし、今は紫色を渡したい気分でした」と紫色のヒヤシンスの花束を渡した有村。この結果は「相手の喜ぶ顔が見たいと思っており、相手に何かをしてもらうよりも、自分が相手に何かをしてあげたいと望んでいます。打算などとは無縁に、ひたむきにお互いを励まし合い、共に成長していけることを望んでいるでしょう」という占い結果に菅田は「なるほど……僕は心配されているんですね(笑)でも確かに、会う度に『今何やっているの?頑張ってね!』っていつも励ましてくれるかも。」と、有村がかけてくれる温かい声を披露。これに有村は「さまざまなジャンルでご活躍されているし、私がお芝居を考えている以上に、物事やモノづくりのことに対して考えていらっしゃると思うので、ちゃんと疲れたーとか吐き出せているのかな?って、しっかりしている人ほど心配になりますね」と、話していた。
最後に、このような社会状況の中でも、映画の公開を心待ちにしている方に向けて菅田は「坂元さんも仰ってましたが、この映画は恋愛自体の面白さや楽しさ、滑稽さや可愛さがすごく丁寧に描かれています。結末以上に、2人の人間がどのように出会って、何を共通言語に二人の時間を育んだのか?恋愛経験がある人は、過去のいろいろな思い出がほじくられて、こしょばくも愛おしくなるような映画です。この映画を観て、ぜひ温まってください」とメッセージを寄せ、有村は、「この物語は男女問わず、世代問わず皆様の中にもしまってあるような思い出だったり物語があるのかなと思います。この作品を観終わった後に、眩しい記憶に想いを馳せて、少し口角を上げて帰っていただけたら嬉しいです。恋愛の醍醐味ってこうだよな、ということが沢山詰まっているので、温かく麦と絹を見守って観てください」と、アピールしていた。
映画『花束みたいな恋をした』は29日より全国公開予定!
©️2021『花束みたいな恋をした』製作委員会