俳優・太賀(24)、中村蒼(26)、矢本悠馬(27)が12日、東京・新宿武蔵野館で映画『ポンチョに夜明けの風はらませて』(監督:廣原暁/配給:ショウゲート)完成披露イベントを廣原監督とともに開いた。
将来に希望を見出せないまま、何となく日々を過ごしていた高校生の又八(太賀)、ジン(中村)、ジャンボ(矢本)の3人が“ありふれた日常から抜け出したい”と、ジャンボの父親の愛車セルシオで海へ向かって旅立つ。途中で凶暴なグラビアアイドルや風俗嬢まで加わって、その旅路がハチャメチャなものになるのだがその果てには……という、青春ロードムービー。
太賀は本作で声がかかったときのことへ、「素直にこのお話が来たことが嬉しくて、お話の面白さもそうですし、廣原監督といいものができるんじゃないかと思って。又八というい役を演じてみて、自分が過ごした青春と、また新たな青春を追体験できたような気がします」と、心に残るものがあったそう。
映画については太賀は、「ものすごくホッとしていて」というと、矢本も中村もその後に、同じく「ものすごくホッとしていて(笑)」と続くことに。これには理由があるようで、太賀は「演じているときは、又八というキャラクターはものすごくあしたのことを顧みず、本能のまま行動するキャラクターで、目の前にあることに飛びついていったというか。映画全体像を考えずに臨んでいたんです。監督からは『前後を考えず演じて』と言われて。監督にいろんなことを委ねてよかったなって」と、後先考えず駆け抜けた感じがあったからだそうだ。
さらに、3人は学生時代のことをトークすることとなり、太賀は高校時代は部活には所属していなかったそうだが、「友達と映画を撮ろうみたいな話になって、そこらへんの担任を見つけて映画撮ったりしていて、その相方が染谷(将太)でしたね。脚本を書いたり。そのまま彼は商業というか自分で映画を撮っていますけど、僕は挫折して(苦笑)。だから、本作で共演しているのは不思議なんです」という不思議な縁を。
一方、中村は「運動も勉強も何もできない、友達も少ない……それは言い過ぎですけど(苦笑)。この仕事をしていたので部活もしていなくて。もしもやり直せるなら高校時代に戻りたい」と、しみじみ話すと、矢本は逆にモテるのではないかということで実績のあるテニス部に所属し「モテました。蒼くんとは正反対で、日の当たったイケてるグループでした(笑)」と、自慢することも。
司会から高校時代のハチャメチャエピソードを問われると、中村は自宅に友達が来てワイワイと騒いで大家さんに注意されたことを明かし「可愛い!」との声が飛んだり、太賀は蒼井優のファンで「なんとか気に入られよう、気に入られようとして。もし昔の自分に会えたら?共演するんだぞって言えますね」と、笑みが漏れる。しかも好きすぎるあまり「親友の連絡先の登録先の名前を“蒼井優”にしていたんです。だから不在着信が“蒼井優”になって(苦笑)。いまでも父と母の登録の名前はジョージ・クルーニーとスカーレット・ヨハンソンです」と、告白し場内を沸かせていた。
太賀から、「僕たちは僕たちなりにこういう青春のあり方とかが追体験できたり、達成感があって、これをどうやって受け取ってもらうかは人それぞれで、年代問わず、性別問わずで思ってもらったり、女性の方には『男たちの青春分からねぇな』と思って観てもらったり、男性は共感してもらえれば。気持ちのいい珍道中になっていますのでよろしくお願いします」と、呼びかけていた映画『ポンチョに夜明けの風はらませて』は10月28日から新宿武蔵野館ほかにて全国ロードショー!