音楽劇『プラネタリウムのふたご』(演出:ウォーリー木下)初日公演が6日、東京・池袋の東京芸術劇場 プレイハウスで幕開けし、俳優・永田崇人(27)、阿久津仁愛(20)、佐藤アツヒロ(47)、松尾貴史(60)らが熱演で魅せた。
本作は2004年、三島由紀夫賞候補にもなった、いしいしんじ氏の同名傑作小説を、永田と阿久津のW主演で上演。星の見えない村のプラネタリウムで拾われ、星座にちなんで名付けられたふたご、テンペルとタットル。ひとりは手品師に、ひとりは星の語り部に。おのおのの運命に従い彼らが果たした役割とは……。ふたごを永田と阿久津、その育ての父・泣き男を佐藤が演じており、少年たちの成長、相手を想うがゆえの“やさしい嘘”をめぐり、時に哀しみ、時に救われ、さまざまな世代へ向けた普遍的なメッセージを発信する。
もともと、2020年6月から愛知、東京、大阪での上演を発表し、その後新型コロナウイルス感染拡大防止に協力するため公演延期しており、ほぼ昨年予定されていたキャストを再集結して送るものとなる。
初日公演に先駆けゲネプロが行われ、永田、阿久津、佐藤、松尾、ウォーリー氏がそれぞれコメントを寄せた。
○永田崇人
延期という形で初日を迎えられること、とてもありがたく、そして幸せに思っております。僕はこの原作を、戯曲を読んで、いくつかの人間である喜びのようなものを見つけました。みなさんもこの作品から、何かを、見つけてもらえたら嬉しいです。
○阿久津仁愛
ついに、音楽劇「プラネタリウムのふたご」開幕です!!!
ものすごく緊張していますが、僕自身約1年ぶりに舞台に立てることにすごくワクワクしています!
豪華なキャストのみなさんに囲まれてけいこ場ではたくさんのことを感じ、学ばせていただきました。
素敵な演出、楽曲全てを楽しんで頂けるように精いっぱい頑張ります!
○佐藤アツヒロ
この不思議な世界観を持つ、ファンタジックな音楽劇、『プラネタリウムのふたご』。全スタッフ、キャストみんなで、“辿り着く場所”に向かって、今までも、これからも頑張っています。このようなご時世ですがとても心温まる世界観、人情味あふれる物語になっています。
今なかなか劇場に足を運ぶことも難しい部分があるかもしれませんが、今できることを、演劇として、エンターテイメントとして、僕たちも、1つ1つやっていきたいと思います。
○松尾貴史
いしいしんじさんの世界観は、私たちの世界の根源的な問題を寓話の形で気づかせてくれます。仏教の教えに「諸行無常」という価値観があります。存在はすべて、姿も本質も常に変化するもので同一性を保てない。そこで何を見つめ直すべきか、そのための望遠鏡を覗くチャンスを与えてくれているように思います。
○ウォーリー木下氏
ついに開幕です。僕が20年以上前にかかった演劇というマジカルな表現。
その正体が知りたくてずっとやってきて、今回少しだけそのマジカルな何かに近づけた気がします。
感染対策も含めて、スタッフキャストの総力戦でできあがったこの舞台。
今だからこそ観てほしいものになりました。旅に出られない分、劇場でぜひトリップしてください。
音楽劇『プラネタリウムのふたご』プレビュー公演は6、7日に東京芸術劇場 プレイハウスにて、大阪公演は2月13、14日に梅田芸術劇場 メインホールにて、東京公演は日本青年館ホールにて2月19日から同23日まで上演予定!
■キャスト・スタッフ
○原作:いしいしんじ 「プラネタリウムのふたご」(講談社文庫)
○演出・脚本:ウォーリー木下
○音楽:トクマルシューコ゛
○作詞:森雪之丞
○出演:永田崇人、阿久津仁愛、佐藤アツヒロ、前島亜美、菊池修司、サイクロンZ、冨森ジャスティン、齋藤桐人、山﨑秀樹、安田カナ、黒木夏海、谷啓吾、田鍋謙一郎、壮一帆、春風ひとみ、大澄賢也、松尾貴史
※記事内写真は「撮影:桜井隆幸」