女優・高畑充希、声優で俳優・宮野真守、宮澤エマ、LiLiCo、浦嶋りんこが10日、東京・日生劇場で3月公演ミュージカル『ウェイトレス』初日上演へ向け囲み会見を開催した。
本作は2007年に公開されたアメリカ映画『ウェイトレス～おいしい人生のつくりかた』をもとに製作された、ブロードウェイミュージカル作品。アメリカ南部の田舎町にあるレストランが舞台。夫アール（渡辺大輔）の束縛により、息の詰まる生活を送っているウェイトレス・ジェナ（高畑）が、産婦人科医のポマター医師（宮野）と出会い大きく運命が変わっていく姿が描かれる。
初日舞台直前の会見となり、高畑は「1月からずっとみんなでおけいこしてきて、マスクをしながらなので、どんな顔なんだろうって思いながらみんなとお芝居してきて、あとリモートで演出をしてもらったりしながら、どうなるか分からないなか、みんなで本当に一生懸命やってきたので、やっとお客さんと一緒にこのミュージカルを楽しめるんだというので、かなりワクワクしてます。きょうはすごく楽しみにしています」と、胸を弾ませる。
本作を本場のブロードウェイで何度も観てるという高畑。「最初はニューヨークで拝見して、あまりに面白くて感激してしまって。曲も素晴らしいし。もう1回観たいと思って、次はロンドンに行って、やっぱもう1回観たくなって、ニューヨークで観たんです（笑）。何度観ても面白くて、それを日本のキャストで上演できるというのは本当に幸せだなって。それに自分が出てるって、なんのこっちゃ！という感じですけど、カンパニーに恵まれましたし、あとはお客さんが入って最後のピースが入る感じがしています」と、前を向いていた。
ジェナという役を演じるにあたって「プレッシャーもすごくありました。ちょっとジェナという役には私はまだ若くて、でも、これもご縁かなと思いましたし、声をかけて頂いてよかったなって」という高畑は歌についても「けいこ場で歌げいこを聴いていても、この曲に触れているだけで幸せというか、まったく飽きない、聴いているだけで幸せで」と、感じているそうだ。
本作で高畑と宮野は舞台初共演を果たすが、高畑は「相談しながらいろいろけいこできて、心強い存在でした」といえば、宮野は年に1回バラエティーの共演でしか会うことのなかった高畑と演技の現場で一緒にやれて、「お芝居してて楽しいです。やっとお芝居できるから。すごい惹き込まれるんです。僕も一方的に舞台で拝見させて頂いているときも惹き込まれて、充希ちゃんから目が離せない感じで観劇していたときもあったんです。それが実際に相手役になったときに、充希ちゃんと対面すると物語の登場人物に自然となれるんです。それがもう楽しくてしょうがなくて、それができるってなんて素晴らしいんだって」と、特徴を話すこともあった。
記者からは、作品のあらすじにモラハラ、暴力、不倫、シングルマザーといった単語が並んでいることへ、高畑は「ポスタービジュアルにポップなコメディ・ミュージカルと書いてあるから大丈夫かなって……若干、詐欺になってないかなって……間違ってはないんですけど」と、戸惑いもあるのだとか。さらに、高畑は「『今度小学生の娘と行きます』と、インスタグラムでもコメントをくださる方がいるんですけど、小学生か……これは止めるべきか……止めないべきかと考えてしまって」と、作品ならではの悩みもあるそう。
宮澤は本作が現代劇で現実を描いているということで「そこをコメディに包んでいます」と補足で説明すると、高畑も「このミュージカル、お花畑では全然ないです。いろんな人の人生がどんどん切り替わってみられて、どのシーンも私は好きだから、ミュージカル自体が豊かになっているのかなって。どのキャラクターにも注目してもらいたいです」と、うなずく。アールはひどい夫では？との声も飛んだが、高畑は「可愛いところもあるんです」といい、これに宮野は「ジェナだな」と、役の入り具合に舌を巻いていた。
ほかにも記者から、本作をパイにたとえると、高畑は、「思いつかない……もう、みんなが楽しかったら、それでいいよパイ。もうマスクを外してみんなとしゃべれていることが奇跡みたいに嬉しくて」と、キャッチーなコメントが飛び出していた。
そして高畑から「ポップなコメディミュージカルで女性応援歌という形で、受け取られている方が多いと思いますけど、本当はかなりドロッとしているリアリティーがあって、1度は感じたことがある、かつてのあの自分ってどこ行っちゃったんだろうなと。取り戻せなくなった自分をどう取り戻すかというテーマもある作品なので、曲は無茶苦茶ポップで素晴らしいですし、ストーリーの展開も楽しいですけど、リアルなごちゃっとしたものを、美しパイで包んだ作品になっているので、ミュージカルを見慣れている方も、そうではない方もこういう作品があるんだって、みんなが観てどういう気持ちになるのか興味深いです。ちっちゃい子連れはオススメしないですけど（苦笑）。とくに女性の方が観て頂けると楽しんで頂けると思います」と、メッセージを寄せていた。
ミュージカル『ウェイトレス』は9日から30日まで日生劇場にて上演予定！
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写真提供／東宝演劇部
写真提供／東宝演劇部
