TVアニメ『「フルーツバスケット」The Final』放送開始記念先行上映生配信イベントが13日、オンラインで開催され本田透役・石見舞菜香、草摩由希役・島﨑信長、草摩夾役・内田雄馬が朗読劇やトークなどを繰り広げた。
“フルバ”の略称でも親しまれている『フルーツバスケット』は、漫画家・高屋奈月氏が1998年から2006年まで『花とゆめ』(白泉社)で連載していた少女漫画。全世界コミックスの累計発行部数は3000万部を突破(コミックスは全23巻、愛蔵版は全12巻)し、2001年にTVアニメ化され(全26話放送)、2009年には舞台化を展開されたり、連載が終了し10年以上経った今でもファンの支持を受け散る作品だ。19年4月より新スタッフ&キャストにより全編アニメ化となり、2019年4月~9月に1st seasonが、20年4月~9月には初のアニメ化ストーリーとなる2nd seasonが放送。さらに4月5日より、最終章となるThe Finalがテレビ東京ほかにて放送される予定となっている。
女子高生の本田透が主人公で、縁あってクラスメイトの草摩由希やその親戚の紫呉、夾たちと暮らすことになるところから始まる。しかし、“十二支の物の怪憑き”である草摩家には、代々異性に抱きつかれると、憑かれた物の怪に変身してしまうという秘密があり、それぞれの葛藤や悩みを丁寧に描いたストーリーとなる。
上映終了後、第1話に登場した草摩家の当主である草摩慊人の母・草摩楝と、前当主であり、慊人の父・草摩晶のキャラクタービジュアルが新たに公開され、草摩楝役を折笠愛が、 草摩晶を石田彰が演じることも解禁されることに。
これに、島﨑は唯一フルバのアフレコで悔いがあると告白。それは、The Finalのアフレコ時は、収録形態が変わり、同時にアフレコに参加できる人数が限られていたため、石田に会うことができなかったことだそうで、「彰さんが晶さんを演じるんですね!」と言いたかったと嘆く島﨑の姿が見られる一幕も。
続いて、トークコーナーへ。「The Finalの台本を読んだ時の感想は?」との質問に石見は「透の“ですます”が外れてしまうほど、彼女の感情が揺さぶられるセリフがあるんです。演じていて、私自身も、心がとても揺さぶられました」と、大きな心の動きがあるシーンが出てくるそう。
内田は「夾は一歩踏み出す勇気を、いつも透にもらっているとあらためて思った」と、島﨑は「台本の表紙をみたときに、ファイナルなんだ……と感無量になった」と、それぞれ感慨深いものがあったようだ。
その後はThe Finalの魅力に関する話題に。石見は「慊人さんは恐れられる立場にいましたが、彼女の過去も明かされていく」と、島﨑は「結局全部なんですよね」とあらためて魅力あふれる作品であると伝える。「1st season、2nd season、The Finalときて、キャラクターも成長している。そして僕は石見ちゃんをみてても思う。石見ちゃん、大人になったよね!」と、内田が言うと、島﨑もうなずく。これに、石見は「私は逆に……みなさんがいてくれなかったら透くんになれなかった」と、お礼していた。
アフレコ現場では、The Finalアフレコの最終日、石見は現場で涙が止まらなかったことを告白。収録形態が変わったため、会えなかった方に手紙を書き残したそうで、この手紙は潘めぐみを始め、ほかのキャスト陣も連絡してくれて、石見は大感激したとも。
そんな3人へ「演じる上で意識していることは」という問いには、役者として熱く語り合う一幕も。石見は「画面を見なくていい。とらわれなくていいよ、気持ちのままにやって」と、演出家から言われたエピソードや「中村悠一さんが『草摩紫呉を演じることが難しい』と言っていた。中村さんにムズイと言わせる紫呉って、どれだけ複雑なキャラクターなんだ!」と、裏話も飛び出す。
想い出に残っているシーンでは、1st season第24話「夾の本当の姿をみての透の行動」があげられ、内田は「石見ちゃんにひっぱってもらった。掛け合いをしていて、純粋に楽しかった」といえば、石見は「透と夾の過去のシーンが頭の中を巡って、自分の中の引き出しじゃなくて、キャラクターの中の思い出の引き出しが開いて、演じることができた」と、振り返った。
中盤には生アフレコのコーナーも開催。「不安を抱え落ち込む透が夾、由希、紫呉と素麺を食べるシーン」「透、夾、由希、紅葉、●の5人で訪れた爆笑必至のお化け屋敷のシーン」の2つを演じる。演じた後、「テンポの良い掛け合いがフルバだよね」と島﨑。当初は島﨑と内田の息が全然合わなかったそうだが、2nd seasonに入ると息がぴったりあってきたと告白することも。そして事前にアニメ公式Twitterにて選ばれた「夏休みに訪れた別荘で、由希が自分の気持ちを透に語る切ないシーン」「透の説得により、文化祭の舞台へ参加を渋々と承諾する夾のシーン」を熱演。
由希の海辺での想いを伝えるシーンに、内田は「よかった……」との声を漏らしたり、文化祭のシーンを横で見て島﨑は「透と夾の関係性が仕上がってるな……」と、語感想を。生の声で再現される作中の名シーンに、観客からも「釘付けとなった」と、多くのコメントが寄せられました。
イベントの締めくくりでは、それぞれが改めて作品への想い届ける。内田は「ついにThe Final。集大成です。フルバの世界に生きる彼らに想いを馳せてほしい」と、島﨑は「今日も嬉しくて、楽しくて、あったかい時間でした。重い展開になりますが、最後まで見ないと損な作品です!」と、石見は涙を滲ませながら「フルーツバスケットに出会えてよかった。私たちも魂込めて演じています。どうか最後まで見守ってください」と熱く語り、生配信イベントは終演を迎えていた。