女優・松井玲奈(29)、筧美和子(27)、日高七海、しゅはまはるみ(46)、江野沢愛美(24)が15日、神田明神で映画『幕が下りたら会いましょう』(監督:前田聖来/配給:SPOTTED PRODUCTIONS)製作発表会を開催し、司会は宮崎理奈が務めた。
麻奈美(松井)と妹・尚(筧)の姉妹が、現代社会の抱える問題に直面しながら、不器用にもまっすぐ生きる女性を描くという前田監督オリジナルの作品となっている。
松井は本作で映画単独初主演を果たす。「活動していく中で、自分自身年齢というのはあまり気にしてないですけど、節目となる年に起用してもらえるのはありがたいなと思います」と、しみじみ。
座長としては、「場の空気を良くしないといけないのかなと思っていたんですけど、クランクアップをしたときに、チームで映画を作ることができて良かったなと思いました」と、チームプレーの良さを深く感じたそうだ。
麻奈美という役へは、「内向的というか表にあまり感情を出さない役でした」といい、「劇団を主宰しているのですが、キャラクターのバックグラウンドを知りながら役を作っていったと思います」と、役作りをしていったそうだ。
“妹”の筧へは、「前から可愛らしい方だと思っていて、わずかな時間でも姉妹に見えていたらいいなと思っていました。撮影期間中はずっと筧さんのことを思っていました」という松井。逆に筧は、「私のお姉さんということを聞いたときに、すごく嬉しくていつも作品を拝見していて、とても聡明な方だなという感じがいしていたんです。一緒のシーンはわずかだったんですけど、麻奈美そのもので存在されていたので、姉妹関係を築きやすかったというか」と、いいコンビネーションになったようだった。
ちなみに、筧の役どころはとの質問には、「言いづらいですが……(苦笑)。初めの方で亡くなってしまうんです。亡くなったことがきっかけになったので1シーン1シーン濃厚になった記憶があります。日常の尚というのはしっかりお話をさせていただいたりして、しっかり本読みの時間があったので、尚という役は想像しやすかったなと思います」
ほかにも、しゅはまは麻奈美と尚の母親という役どころで松井が「親子関係でギクシャクしていることが多かったんですけど、こみあげてくるものがある瞬間がありました」と、胸を打たれるシーンがあったといい、これにしゅはまが「不器用な母娘なんだと思います」と伝えたり、麻奈美とバディ関係になる役を演じる日高は松井との撮影の歳に「隣に来たときに本を読みだしたんです。麻奈美の日常芝居まで入られていて」と、自然な役作りにあおぐような気持ちだったそうだ。
会見では作品にちなんでいま1番会いたい人は?との質問があり、松井はディズニー作品の『アラジン』の『A Whole New World』の楽曲などを手掛ける作曲家アラン・メンケン氏を挙げ「以前メンケンさんのコンサートを観に行って、帰りにタクシーを待っていたら、周りが騒いでいて、メンケンさんが窓を開けて、英語がわからないので、なにかいいことを言っていて。タクシー越しでしか会えなかったので、『あなたの曲が素晴らしくて何度涙したか』というのを伝えたいなと思いました」と、エピソードを。
さらに、桜の花も咲く季節ということで、開花したいことはないかとの問いかけに、松井は「美」とフリップにしたため、「美しくなりたいというのがあるんです。外面的なものだけではなく、内側からのインナービューティーで。ゲームをしていると『くっそー!』みたいに言葉遣いが荒くなってしまうので『どうしてこうなったの!』とかを言いながら過ごしたいです(苦笑)。美しい言葉で楽しいゲームをしたいと思って言葉を扱う仕事をしたいですし、丁寧に頑張っていきたいなと思います」と、目標を掲げていた。
そして、筧は、「時代が変わっていくなかで心が追いつかなかったり、大きなモヤモヤを抱えた方には感じてもらえるのではないかと思います。それと主人公の美化されていない姿が嬉しかったというか、そういうところに注目してみてもらえれば」とアピールし、松井は、「この作品は家族の絆というものをテーマに置いている気がしていて。ただ、家族という大きいものでも、1人1人は個人であってその間の絆を丁寧に描いている作品かなと思いました。見どころとしては、筧さんがダンスを踊るシーンがあって撮影隊のスタッフの方が『すごく美しかったんだよ』と言って、私もその美しいダンスを劇場で見るのが楽しみです」と、メッセージを寄せた。
映画『幕が下りたら会いましょう』は2021年11月に新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー予定!