竹野内豊「さまよう刃」撮影で「私生活でも苦しい日」と重たい告白から現場の石田ゆり子の姿に「俺、何言ってるんだ(笑)」!かつて自身演じた役を三浦貴大の演技に「素晴らしい」

竹野内豊「さまよう刃」撮影で「私生活でも苦しい日」と重たい告白から石田ゆり子の姿に「俺、何言ってるんだ(笑)」!嘗て自身演じた役を三浦貴大の演技に「素晴らしい」2

 俳優・竹野内豊、石田ゆり子、三浦貴大が13日、都内で連続ドラマW 東野圭吾『さまよう刃』(WOWOW)完成報告会を片山慎三監督とともに開いた。

 本作は作家・東野圭吾氏の作品。男手ひとつで育ててきた娘・絵摩を残忍な手口で未成年の男たちに殺害され、復讐に突き進んでしまう主人公・長峰重樹(竹野内)の切なくも狂おしい姿を描いている。さらに、長峰の正体を知りながらただひたすらに家族を思う彼の姿に心を揺さぶられて手を差し伸べてしまうペンション従業員・木島和佳子を石田、娘を持つ父親として長峰に共感にも似た思いを描く若手刑事・織部孝史役を三浦が演じている。

 竹野内は第一声から「撮影時期もずれ、いつ放送できるか分からないという状況から始まりました。いよいよ今週土曜日からお届けできます。本当に素晴らしい作品になっていますので、1人でも多くの方に観て頂けたら嬉しく思います」と、ついに日の目を見ることへ気持ちがあふれる。

 台本をもらったときに、竹野内は「台本を読んで、もしも、自分自身に長峰さんのようなことが起こったときに、自分ならどうするかなと考えました。大切な家族・友人が酷い殺され方をしたら、自分もきっと長峰さんのような感情になるのではないかなと思ったんです」と、思い至ったという。

 それだけに、撮影に入ってからも、「あまり自分は役を引きずったりしないんです。ですが、今回の作品はかなり重たいシーンを撮ったときに、家に帰っても2日間ヘビーな気持ちが抜けなくて、私生活でも苦しい日がありましたね」と、しみじみ。

 さらに、竹野内は「東野圭吾さんが2004年にこの本を刊行して、それから17年経っても、こうして映像化されるという、その意味は誰も突きつけられるようなテーマに感じています」と、普遍性を語り「取り掛かるときに責任感を感じましたし、いい作品にしたいなという気持ちはスタッフも一緒でしたね」と、現場の熱気も明かしていた。

 本作で竹野内と石田は15年ぶりに共演を果たした。石田は竹野内が2009年に公開された映画版で本作では三浦が演じる織部役を演じていたことに触れつつ、「わー、そう来たかと思って。作品が重たい作品だとは重々承知していたのですが、エンターテインメントとしてとてもワクワクしてしまったんです。長峰さんを竹野内さんが演じて、映画版とは違った繊細な痛みがひしひしと伝わってきて」と、映画版と感じた違いを語る。

 一方、竹野内は現場の石田へ、「こういった作品の内容でしたので、すごく緊迫した重たい撮影現場の日もあったんです。でも、ゆり子さんが現場にいらっしゃるとスタッフの方が和むというか……俺、何言ってるんだ(笑)。とにかく、心救われるものがありました」と、ムードメーカーになっていたそうだ。

 三浦へは、かつて竹野内が演じた役を演じることへどう感じていたのか質問。三浦は映画版を観ることが自身の心情としてできなかったといい、「観返せなかったですね。観返したら、引っ張られるし、うまく現場に居られないんじゃないかと思って」と、プレッシャーを感じていたからだそう。すると竹野内は、「映画で演じたときも、すごく難しかった役だなと思っていたんです」と言いつつ、三浦の演技へは「決して顔には出さないですけど、揺れ動く繊細な部分を、三浦さんが見事に体現されていたので素晴らしいなって思いました」と、称賛。この評価に三浦も嬉しそうに頭を下げる一幕もあった。

 ほかにも、ライトな質問で、最近悩みをどう解決したかという問いかけがあり、竹野内は「アイスクリームのコマーシャルできょうのアイスを何にしようと悩む部長とか、悩んで悩み抜く裁判長の役をやらせて頂いているせいか、悩む男みたいなイメージがあると思うんです。でも、最近悩んでないですよ。本当に直感でなんでも最終的に決めていくので」と言いつつ、逆に質問してきた司会にこれで良かったのかと気を使って笑いを誘っていた。

 そして竹野内から「一足先に本作を拝見したんですけど、本当にいま日本のTVドラマの制作は民放局とかさまざまな規制がある中で作らなければいけないというのがあってそのボーダーラインは難しいところにあるんです。でも、本作を拝見したときに、ちょっといままでの日本のTVドラマの常識というか、概念を覆してしまうのではないかなと。いろいろな意味で衝撃的な作品でもありました。誰しもが、大なり小なり生きにくさを感じている中で、明るいニュースもないので、きっとたぶん、本作を観て衝撃的シーンを観たときに目をそむけたくなるような気持ちになる方々もきっといらっしゃると思うんです。でも、これだけは、誤解してほしくないことは、決してむごいだけをシーンを見せるためにこの作品を作ったのではないないということは本当にご理解頂きたいと思います。本当に、少年法の問題、被害者、加害者、その家族の方々の思い、警察、マスコミのあり方など、いろいろなことをご覧頂ければ、みなさん1人1人が感じて頂ける作品に片山さんが仕上げてくださっていて、心に訴えてくるような作品になっています。ご期待ください。ありがとうございました」と、思いの丈をスピーチしていた。

 連続ドラマW 東野圭吾『さまよう刃』は15日午後10時より全6話で放送・配信予定!なお、第1話は無料放送となる。

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