松坂桃李「命のしまい方」語るも西田敏行＆泉谷しげるからイジり倒される愛されぶりで意見変更！柳葉敏郎の手を握る演技から学んだことへ感謝の一幕も

　俳優・松坂桃李が22日、東京・丸の内TOEIで映画『いのちの停車場』（監督：成島出／配給：東映）公開記念舞台あいさつに吉永小百合、広瀬すず、南野陽子、柳葉敏郎、みなみらんぼう、泉谷しげる、田中泯、西田敏行、成島監督、原作者の南杏子氏とともに登壇した。

　原作は都内の終末期医療専門病院に勤務し、命の終わりを真摯に見つめる現役医師でありながら、作家としてもNHKでテレビドラマ化もされ話題を呼んでいる『ディア・ペイシェント』を世に送り出した作家・南杏子氏の同名作。『在宅医療』に携わる医者・患者そしてのその家族たちを通して、“いのち”、“愛”、そして“いまを生きていく”、家族たちの願いを丁寧に描き出している。松坂は『まほろば診療所』で吉永演じる主人公の白石咲和子を慕って東京からやってきた医大卒業生の野呂聖二役を演じる。

　本イベントは全国259館で中継で、キャストがいる同所にはメディアのみという形でのものとなった。吉永をはじめ、初日を迎えられたことへの喜びと、現在の率直な気持ちを吐露。そのなかで、松坂は「こういう状況のなかでわざわざ足を運んでくださり、観て頂いて本当にありがとうございます。マスコミのみなさんも、足を運んで頂いてありがとうございます」と、厚い感謝とともに「コロナ禍で公開されない劇場があるなかで、この『いのちの停車場』が延期せずにやることに大きな意味があると思います」と、心境を話した。

　そんな松坂は、印象的だったシーンへ、南野演じる3人家族の子供の看護を挙げ、「海に行くシーンがあるんですけど、そこで家族3人で海に入っているシーンは胸がギュッとされるようのうなシーンがあったんです。そこは個人的には泳ぐシーンがあってそこは個人的に、申し訳ないな……」と、南野を見る。

　同シーンでは、これまでふさぎ込んでいた子供が笑顔を見せることもあり、南野としてはちょっと嫉妬するとともに、「娘が好きになって成長していたんだと思うと、夫と生きていきますという気持ちになりました」という気持ちにさせるほど、松坂が心情に深く食い込んでいたと話した。

　続けて、柳葉とのシーンも上げた松坂。「手を握るシーンがあって、『おやじ、ありがとう』と言うシーンはお父さんみたいな感じになってきて手の厚みや力加減とか、柳葉さんの手の握り方が波のように変わって、そのたびに感情が揺さぶられて。あのときはありがとうございました」と、学ぶものが多かったよう。これに柳葉は「ありがとうございます」と返し、温かい空気が流れていた。

　さらに、作品を通じて医療への気持ちが変化した？という質問に、松坂は「体を治すだけが医療ではなく、その家族その家族の幸せがあって、小さな日々の積み重ねがあると感じました。自分の命のしまい方をあらためて考えさせられるようなことがありました」と、しみじみ。

　しかし、この松坂の発言に、西田と泉谷が噛み付く。西田が「早いですよ！そういうのは！！そんなことを言われたら、うちら言うことがなくなっちゃう！」といえば、泉谷も「違うだろお前！」と、いじり倒す。これに松坂も「1日1日充実できるようにします」と、意見を変えると、西田が「生き切ってください！」と、活を入れていた。

　そんなあいさつをしていくなか、みなみが軽い貧血を起こし体調不良を訴えることがあり、吉永が率先して席を立ち水を持ってきたのをはじめ、キャスト陣一丸となって、みなみを気遣う姿が。一時退席した後も西田がユーモアを交えたトークで場をつなぐなど、キャスト陣の絆が垣間見え、終盤にはみなみも、再び元気そうに姿を見せていた。

　映画『いのちの停車場』は全国ロードショー中！