佐藤健 北村一輝の細かい演技の真意ピタリ言い当て「そこを観てる君がすごいよ(笑)」と脱帽させる!有村架純 村上虹郎のあっけらかんとした回答に驚き

佐藤健 北村一輝の細かい演技の真意ピタリ言い当て「そこを観てる君がすごいよ(笑)」と脱帽!有村架純 村上虹郎のあっけらかんとした回答に驚き4

 俳優・佐藤健、有村架純、村上虹郎、北村一輝、江口洋介が4日、東京・丸の内ピカデリーで映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning』(監督:大友啓史/配給:ワーナー・ブラザース映画)初日舞台あいさつを大友監督とともに開いた。

 『るろうに剣心 最終章 The Beginning』で描かれるのは、動乱の幕末。緋村剣心が、倒幕派・長州藩のリーダー桂小五郎のもと暗殺者として暗躍し、血も涙もない最強の人斬り・緋村抜刀斎と恐れられていた時代が舞台。これまでのシリーズの“流浪人”である剣心の優しいイメージとは違った、剣心の原点を描いている。有村は、斬殺されるという運命を辿る雪代巴役を、江口は新選組の斎藤一役を演じる。本イベントの前には第1部として『るろうに剣心 最終章 The Final』大ヒット舞台あいさつが行われており、グランドフィナーレイベントという形で開催となった。

 佐藤は第一部でのスーツスタイルから一転、着物姿で登場したキャスト陣。『The Beginning』初日を迎えた気持ちを佐藤は「やっとこの日が来たかと嬉しい気持ちです。この公開を持ちまして、『るろうに剣心』シリーズは完結となります。ただ、完結という言い方よりも、『るろうに剣心」シリーズが『The Beginning』公開とともに“完成する”という言い方が正しいのではないかと思っています。今まで1~4までやらせて頂きましたが、それぞれどこか未完成な部分があって、それがこの剣心の過去のエピソードを知っていただくことで、完成するんじゃないかと思います。『The Beginning』公開とともに、シリーズを丸々愛して頂ければと思います」と、思いの丈を伝える。

 有村は「『るろうに剣心』の取材や舞台あいさつの日はいつも以上に緊張するのですが、1個1個丁寧にお答えできればと思います」と話し、佐藤から着物姿を褒められると「ありがとうございます」と、照れる一幕もあり和気あいあいといった様子。

 大友監督は「僕は10年前テレビの世界から映画の世界に飛び込んできました。映画ってクランクインしておめでとうございますと言われて、クランクアップ、初号、初日でもおめでとうございます、もしヒットするとまたおめでとうございますと言っていただけて、映画って“おめでとうございます”の連続でできていて、1つ1つの奇跡を積み重ねてここに辿り着くんですね。劇場でみなさまにお披露目できるというのは作り手にとっては僥倖(ぎょうこう)の瞬間であり、今回こういう状況でもありますので、“おめでとうございます”という言葉をいつも以上に噛みしめる日々です。本当に映画館で観てほしいです。感情の震え、眼の中に潜む小さな感情、アクションも勿論です。大スクリーンでこの作品を観てもらうために、きょうここに立っていない人間も含めて必死で作り上げた作品です。きょうから『るろうに剣心』の映画が始まると思っておりますので、応援なにとぞよろしくお願いいたします」と、会場にいるファンはもちろん、全国のライブビューイングで繋がったファンにも熱く語りかけた。

 本作は、美しく、儚く、切ない、究極のラブストーリーでもあるということで、美しさ、儚さ、切なさをどう表現したかと聞かれた佐藤は「剣心は心を持っていなくて、人間じゃなかったんです。人を斬って目標に突き進むことしか知らなかった剣心が、巴と出会って、幸せを知って初めて人間になっていく過程が悲しく、美しく映ればいいなと思って演じました」と、込めた思いを。

 続けて、巴という役をどう作り上げていったかへ有村は「準備段階から衣装1つ、メイク1つにしても練りに練って考えてくださった巴のビジュアルがあって、その段階を一緒に過ごしていく中で、監督やプロデューサーの方々から頂いた言葉、漫画原作、アニメーションなどの情報を自分の中で咀嚼(そしゃく)して準備していきました。現場に入ってからは監督と確かめ合いながら感情を丁寧に紡いでいきました」と、綿密な打ち合わせとともに作り上げていったと話すとともに「あと、1番大きかったのは健さんが演じる剣心が傍にいてくれたことが大きかったです」と、佐藤への絶大な信頼感を見せていた。

 新撰組の沖田総司を演じた村上は、『るろうに剣心』に参加したことを振り返り、「原作の方だと(沖田総司が)出てくるシーンはそんなに多くはなくて、原作の髪形とも違うんですよね。その髪型と衣装で江口さんと衣装テストをやった時に、10年間紡がれてきたシリーズがある中でも圧倒的に違う方向性で今回の『The Beginning』を作るんだと思いまして。明治という時代がファンタジーというわけではないんですけど、剣心という架空のキャラクターが生きている世界で、実在した人物を演じるという中、“幕末”という時代が下手なキャラクター感では許してもらえないんだなというのを心に刻んで現場に行きましたね。少しだけ原作と雰囲気は違うかと思うんですが、実写ならではの沖田総司と新撰組ということで観て頂ければと思います」と、リアルとフィクションのすり合わせに腐心していたようだった。

 ここで第1部で武井咲、青木崇高、土屋太鳳から預かった質問について第2部キャストが回答することに。

 武井からの「撮影中、監督が縁が巴をフラッシュバックするという演出で薫の髪形を巴に似せていました巴に似せた薫は如何でした?」という質問を受けた有村は「とても美しかったです。理由がありまして、巴と薫さんの性格は違ったものがあると思うんですけど、巴から見た薫さんはすごく無邪気だったり、素直だったり、巴に無いものをたくさん持ってらっしゃるので、とても眩しい人なのではないかなと思っていました」と、回答。

 青木からの「『The Final』と『The Beginning』同時期に撮影していて、どれだけ体力あるんですか?」という質問に佐藤は「気合ですね。気合ですし、違った作品すぎたからこそ逆にできたというのはあります。『The Final』だけをやっていたらきつかったと思いますね。『The Beginning』に入ってかなり新鮮な気持ちになりましたし、現場の空気が全く違うので、あらためてエンジンをかけ直してもらったような。逆に『The Beginning』で得たものを『The Final』の最後の戦いである縁戦にぶつけられたりもしたので、相乗効果でどちらも良かったですね」と、回答。

 すると江口も、「現場に行けばセットから何から全く違いますし容姿も変わるので、意外とすんなり。あとは気力だけ(笑)」と、うなずきながら明かすことに。大友監督は「2本撮るのは前回みたいな前後編ならまだできるんだけど、作る下ごしらえをするという意味では今回相当大変でしたね」と、苦労を語っていた。

 土屋から大友監督への「役者の呼吸が続いている内はカットをかけない印象だったのですが、『The Beginning』の時はどうだったのでしょうか?」という質問には、「今回はそうでもないですよ。大変だったので早くOKして次の日の準備をしなきゃいけなかったので(笑) 普通は役を捕まえるまでの時間を取るために、少し本番の尺を長くしたりするんです。役でいる時間を増やす必要がある時はカット尻を長くしたりするんですけど、今回は皆さんスッと入っていたのでそこまでやらなかったですね」と答え、佐藤も「基本的に台本通りやろうという現場ではないことは確かですね。台詞が終わったからカット、ではないんですよね。芝居を続ける限りはカットをかけないので」とのことだった。

 ここで司会から登壇者に対して感じている“謎”を教えて欲しいという質問が飛ぶと、佐藤は北村に対して、「北村さんが誰よりも気を遣う人なんです。北村さんの役が食事をしている時に持っているお茶碗が欠けていて、これは美術さんや小道具さんの細かい仕事なんですけど、その細かい仕事を画に映そうという気の遣い方をする人で、めちゃくちゃ欠けている部分が正面に来るようにお茶碗を持っているシーンがあるんです。あれ、見せてやろうと思ってやってませんでした?」と、答え合わせをするように真意を問う。

 これに北村は「みなさんに一生懸命作ってい頂いているので……ってそこを観てる君がすごいよ(笑)」と、脱帽する一幕も。有村は村上に対して、「共演シーンのなかった虹郎くんと江口さんは謎です(笑)でも虹郎くんは10代の頃に共演させて頂いて、カメラを撮っていたのを覚えています。まだカメラ好きですか?」と、質問。村上は「やめちゃいました!情熱を注ぎこんで尽きちゃいました」と、あっけらかんと話し有村を驚かせた。

 最後に佐藤は「この『The Beginning』の公開をもって、いよいよ終わってしまうんだなと、宣伝活動しながら寂しい気持ちを抱えていたんですけど、少し気持ちが変わってきて。今まで終わりに向かって、この作品を皆さんに届けて『るろうに剣心」終わっちゃうなと思っていたんですけど、『The Beginning』をみなさんに観て頂いて、シリーズはやっと始まるんだなと今では思っています。その完成したシリーズを末永く愛して頂きたいですし、作品が映画館で観られるこの時期は僕にとって非常に特別な幸せな時間ですので、噛みしめながら、できることならみなさまと共有しながら、過ごしていけたらと思っております」と『るろうに剣心』シリーズとの歩み、そして『The Beginning』の公開日を、噛みしめるようにあいさつし、イベントを締めくくった。

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 ※記事内写真は(c)和月伸宏/集英社 (c)2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」製作委員会