俳優・菅田将暉(28)が28日、東京・丸の内ピカデリーで沢田研二とのW主演映画『キネマの神様』(監督:山田洋次/配給:松竹)完成披露舞台あいさつを永野芽郁(21)、野田洋次郎(35)、北川景子(34)、寺島しのぶ(48)、前田旺志郎(20)、宮本信子(76)、山田監督(89)とともに開いた。
松竹映画100周年を記念した作品で作家・原田マハ氏の同名作が原作。映画を諦め家族にも見放されたゴウが、夢と家族の愛を取り戻すという物語。現在のゴウを沢田、若き日のゴウを菅田が2人1役で演じるものとなる。当初、現在のゴウを志村けんさんが務める予定だったが、新型コロナウイルスを患い降板となり急逝、かつて志村さんと同じ事務所でもあった沢田研二が代役を演じている。
撮影中に感じた奇跡的なものはないかとの質問に菅田は、「山田組に参戦できたこと」と挙げる。「山田組はリテイクがあると聞いていたんです。前日に撮影したものを、翌日、監督がここをこうしたいと撮りなおすと聞いていて。そんなこといっても、ほかの撮影現場ではないと思っていたんです」と前置きしつつ、実際にそのリテイク作業はあったそうで「一見よくないような気がするかもしれないですけど、僕からしたら、こんなにもう1回求めてもらえるんだ!というのがすごく嬉しくて。僕ら以上に、できあがった映像を観た後に考えてくれていることが伝わってきたんです。そのときにけいこをつけてくれて『ここはこうなんだ』としてくれたのは、奇跡な時間でした。とても幸せでしたし……マジかと思いました(笑)」と、楽しんでいたようだ。
一方、司会から看板娘と紹介された永野はフレーズが気に入ったのか「看板娘をやりました~(笑)」と、ニッコリとお茶目な姿を。山田監督との思い出へ、「監督が朝に『How Are You?』と英語声をかけてくださった、私にもそうやってあいさつしてくれるんだ!って」と、感激したそうだが、そのときに「丁寧に言うのってどうするのか分からなかったので、『アイム ファインです!』と返して」と、苦笑い。これに宮本も「私も言ってほしかった(笑)」と、お茶目な姿を見せていた。
ほかにも、北川が「この撮影時期に子供を授かっていて、みなさんにまだご報告していなかった時期だったんです。そのときに山田監督にご報告したら、『次のステップに言っても、頑張ってください』と言われたときに、嬉しくて涙が出て。監督が女優の人生のことも気にしてくれるというのが、昭和の映画の撮影現場であったんじゃと感じて。その感覚、感情を感じられたのが奇跡的だったなと感じています」と、感慨深げ。すると、山田監督からいままでに出た北川でも1番を自負するくらい綺麗に撮れたとアピールし、逆に北川はそのシーンが思い浮かばず恐縮といった様子だった。
ほかにも、山田監督は志村さんに思いを馳せることもあり「(新型コロナで)大変だなと思っていたら、志村さんが倒れてしまって呆然としていたんです。沢田研二さんがピンチヒッターとして立ってくれると言ってくれて、志村さんとは違うゴウを作り上げてくれました。そんなふうにして、この作品が別の様相ででき上がったんだと思ってください。そうして今は亡き志村けんさんを思ってもらえれば」と、しんみりと語る。
すると、菅田も「志村さんとの台本読みの会があって、それで現場に入ったので志村さんのゴウを想定してのお芝居をしていたんです。過去部分がちょうど撮り終えた後に、コロナに入って。現代パートはどうなるのかと思っていたら、山田さんが、台本を書き直して、なんかこう、すごく残念なことなんですけど、またこういっこ違うパワーが生まれている感じがしているんです。公開が楽しみで、沢田さんのゴウを観て、勝手に、志村さんを感じています。確実にいろんなものがなっていて、ほかにはない映画になっていて」と、伝えていた。
最後に山田監督は、かつて『男はつらいよ』の公開時期の観客の熱気を語ると菅田は「こういう話を山田さんはすごくたくさんしてくださって」と、懐かしげに語りつつ、「100%期待に応えられる作品ですので、楽しみにしていてください」と、メッセージを寄せていた。
映画『キネマの神様』は8月6日より全国ロードショー予定!